<金曜は本の紹介>
「まんが パレスチナ問題(山井教雄)」の購入はコチラ
この本は、旧約聖書時代からユダヤ教・キリスト教・イスラム教の成り立ち、十字軍、フランス革命、第一次・第二次世界大戦、イスラエル建国、第1次~第4次中東戦争、湾岸戦争、9.11など21世紀までのパレスチナ問題について分かりやすく説明した本です。
特に以前紹介した「常識として知っておきたい世界の三大宗教」でも述べられていましたが、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の神が同一というのは驚きますね。
また、フランス革命で、有名な「人権宣言」が採択され、オランダ・ベルギー・イタリアなどヨーロッパ諸国に信仰の自由・平等な市民権が広まりますが、これでユダヤ人たちは差別されることも殺されることもなくなりヨーロッパ諸国に同化することになったということがわかりました。歴史の真の意味がわかりました。
ちなみにこの本の題名には「まんが」とありますが、普通の絵の枠がある漫画誌とは違って、解説等に「まんが」が使用されているだけですので、普通の本と考えて差し支えありません。十分な説明がある本です。
この本は、パレスチナ問題を客観的に分かりやすく理解できる良書だと思います!とてもオススメです!
以下はこの本のポイントなどです。
・ユダヤ教のヤハベ(エホバ)、キリスト教の神、イスラム教のアラーはみな同一の神様ですが、その頃は小さな部族集団だったユダヤ人の部族神でしかなかったんじゃ。「部族」というのは「民族」より小さい単位で、血がつながっていることを信じている人の集団じゃよ。
キリスト教やイスラム教のような世界宗教の神としては、人類全体のことを考えなければいけないんだが、当時のユダヤ教の神としては、自分が選んだ民、ユダヤ人のことだけを考えていればよかったのじゃ。
・BC17世紀ごろ、飢饉にみまわれて、ユダヤ人はエジプトに避難するんだ。ユダヤ人達はエジプトで繁栄して、増え続けた。でも、ユダヤ人達はヤハベの神ばかり崇め、エジプトの宗教や社会になじもうとしなかったんだ。それで、怒ったファラオ(古代エジプトの王)はユダヤ人を、奴隷にしちゃった。そうして、都市や神殿の建設にこき使ったんだ。
・400年ぐらいして、預言者モーゼが現れ、みんなを引き連れてエジプトを脱出し、パレスチナに帰るんだ。60万人以上も脱出させたんだって。
・BC6年頃にパレスチナのベツレヘムでイエス・キリストが生まれるの。星に導かれて、東方の三博士がキリストの誕生を祝って、贈り物をもってラクダでやってくる。これが、クリスマスプレゼントの始まりなんだって。もちろん、ユダヤ人はクリスマスは祝わないし、子供もプレゼントなんてもらわないよ。
・「ユダヤ人」っていうのは宗教から見た見方だから、ユダヤ教を信じている人や、ユダヤ人のお母さんから生まれた人は、どんな人種でも、どこに住んでいてもユダヤ人なんだ。だから、今じゃ黒人のユダヤ人も白人のユダヤ人も、アジア系のユダヤ人もいるんだ。
・イエスも最初の弟子たちも、みんなユダヤ人でユダヤ教だったんだよ。だから、イエスはユダヤ教を否定してキリスト教を作ったんじゃなくて、自分が正しいと信じている基本に返ったユダヤ教をユダヤ人に説いたんだ。
・ユダヤ教には選民意識というのがある。つまり、ユダヤ人はヤハベに選ばれた民族で、「教えをきちっと守れば、繁栄を約束しよう」という契約を神と交わした民族だという意識なんだ。反対に言えば、ユダヤ人じゃなければヤハベの恵みは受けられない。キリスト教もはじめはユダヤ教の一派としてユダヤ人に布教していた。でも、イエスが亡くなった後、イエスの教えをユダヤ民族だけにとどめておくのはもったいないと、イエスの弟子のひとり、パウロは考えたんだ。「割礼」も大きな障害だった。割礼っていうのは、ユダヤ教に改宗した男が、神と契約した印にオチンチンの先っぽの皮を切られる儀式のことニャ(もちろん女にはしない)。普通は生後8日目の男の赤ちゃんにするのだが、大人になってから改宗した人は大変ニャ。ローマ人はすごく割礼を嫌って、何度も割礼禁止令をだしているんだ。
・ユダヤ人以外の外国人に布教することによってキリスト教は完成し、国際宗教として結実したのです。アレキサンダー大王が耕した土地に。その後、イエスや聖パウロをはじめとする弟子たちの言行をまとめて刊行された新約聖書も当時のギリシア語で書かれていたのです。
・仏教やほかの多神教と比べてみると、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の考え方がそっくりでまるでひとつの宗教みたいだね。神による天地創造からこの世の終わり、最後の審判までの歴史の見方や、天国、地獄、善悪の考え方も一緒だよ。イスラム教でも割礼するんだね。同じ神が話したことを基にした宗教だから、似ていて当たり前ニャ。
・イスラム教は旧約聖書や新約聖書も教典として認めているから、同じ「啓典の民」としてユダヤ教徒もキリスト教徒も敬意を払われていたんだ。だから中世のイスラム諸国では、税金を払えば、ユダヤ人もキリスト教徒も、改宗をせまられることなくイスラム教徒と平和に共存できたんだ。
・1789年にフランス革命が起こって、1792年に旺盛が廃止されたのは知ってるよね?その時の国民議会で「人権宣言」が採択されて、信仰の自由と一緒にユダヤ人に平等の市民権が認められたんだ。
・オランダ、ベルギー、イタリアなど、ヨーロッパのほかの国でもユダヤ人に市民権が認められました。これでもう、差別されることも、殺されることもなくなると思い、ユダヤ人たちは一生懸命ヨーロッパ社会に同化する努力をしました。キリスト教に改宗したユダヤ人も大勢います。
・産業革命が起こり、大量の資本が必要となって、ロスチャイルド家のように、金融、銀行業で大成功して大金持ちになるユダヤ人が出てくる。ほかの産業でも、成功するユダヤ人が続出する。また、ユダヤ人にも職業の制限がなくなり、どこの大学でも学べるようになって、勤勉なユダヤ人はあらゆる分野で大活躍する。それが妬みになって、あらたな「反ユダヤ主義」が広がってきたんですよ。
・1948年5月14日、イスラエルは建国を宣言する。ユダヤ人が国を失っておよそ2000年。その歴史の中で、たった一度だけ巡ってきたチャンスをベングリオンは確実にものにした。30万人のユダヤ人が、敵意に満ちた400万アラブ人の土地のど真ん中に、貧弱な武力で国を造ったのだ。ユダヤ人からすると、かつての「出エジプト」のモーゼの奇跡に匹敵する快挙だろう。
<目次>
アリとニッシム
ユダヤ教
キリスト教
イスラム教
十字軍
フランス革命
第1次世界大戦
第2次世界大戦とホロコースト
イスラエル建国
第1次、第2次中東戦争
第3次中東戦争とPLO
第4次中東戦争とサダト
キャンプ・デービッド合意
インティファーダ
湾岸戦争
オスロ合意
第2インティファーダー
9.11
エピローグ
あとがき
本書関連略年表
索引
面白かった本まとめ(2009年上半期)
<今日の独り言>
5歳の息子は小学6年生までの漢字を覚えてしまい、あとはひたすら単語帳で復習の毎日ですが、さすがに単調で嫌になってきました。窮余の策として、その時間を計ってノートに書き、その時間によって赤色で花丸を横に書くようにしました。具体的には1分以内だったら花丸5個、5分以内だったら1個という感じです。その効果は絶大ですね。嫌々ながらでかなり時間がかかっていた漢字の復習が、2分ほどでできるようになりました。しかも自分で花丸を書くようになりました。恐るべし花丸です^_^;)いや、「花丸」様様です!
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特に以前紹介した「常識として知っておきたい世界の三大宗教」でも述べられていましたが、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の神が同一というのは驚きますね。
また、フランス革命で、有名な「人権宣言」が採択され、オランダ・ベルギー・イタリアなどヨーロッパ諸国に信仰の自由・平等な市民権が広まりますが、これでユダヤ人たちは差別されることも殺されることもなくなりヨーロッパ諸国に同化することになったということがわかりました。歴史の真の意味がわかりました。
ちなみにこの本の題名には「まんが」とありますが、普通の絵の枠がある漫画誌とは違って、解説等に「まんが」が使用されているだけですので、普通の本と考えて差し支えありません。十分な説明がある本です。
この本は、パレスチナ問題を客観的に分かりやすく理解できる良書だと思います!とてもオススメです!
以下はこの本のポイントなどです。
・ユダヤ教のヤハベ(エホバ)、キリスト教の神、イスラム教のアラーはみな同一の神様ですが、その頃は小さな部族集団だったユダヤ人の部族神でしかなかったんじゃ。「部族」というのは「民族」より小さい単位で、血がつながっていることを信じている人の集団じゃよ。
キリスト教やイスラム教のような世界宗教の神としては、人類全体のことを考えなければいけないんだが、当時のユダヤ教の神としては、自分が選んだ民、ユダヤ人のことだけを考えていればよかったのじゃ。
・BC17世紀ごろ、飢饉にみまわれて、ユダヤ人はエジプトに避難するんだ。ユダヤ人達はエジプトで繁栄して、増え続けた。でも、ユダヤ人達はヤハベの神ばかり崇め、エジプトの宗教や社会になじもうとしなかったんだ。それで、怒ったファラオ(古代エジプトの王)はユダヤ人を、奴隷にしちゃった。そうして、都市や神殿の建設にこき使ったんだ。
・400年ぐらいして、預言者モーゼが現れ、みんなを引き連れてエジプトを脱出し、パレスチナに帰るんだ。60万人以上も脱出させたんだって。
・BC6年頃にパレスチナのベツレヘムでイエス・キリストが生まれるの。星に導かれて、東方の三博士がキリストの誕生を祝って、贈り物をもってラクダでやってくる。これが、クリスマスプレゼントの始まりなんだって。もちろん、ユダヤ人はクリスマスは祝わないし、子供もプレゼントなんてもらわないよ。
・「ユダヤ人」っていうのは宗教から見た見方だから、ユダヤ教を信じている人や、ユダヤ人のお母さんから生まれた人は、どんな人種でも、どこに住んでいてもユダヤ人なんだ。だから、今じゃ黒人のユダヤ人も白人のユダヤ人も、アジア系のユダヤ人もいるんだ。
・イエスも最初の弟子たちも、みんなユダヤ人でユダヤ教だったんだよ。だから、イエスはユダヤ教を否定してキリスト教を作ったんじゃなくて、自分が正しいと信じている基本に返ったユダヤ教をユダヤ人に説いたんだ。
・ユダヤ教には選民意識というのがある。つまり、ユダヤ人はヤハベに選ばれた民族で、「教えをきちっと守れば、繁栄を約束しよう」という契約を神と交わした民族だという意識なんだ。反対に言えば、ユダヤ人じゃなければヤハベの恵みは受けられない。キリスト教もはじめはユダヤ教の一派としてユダヤ人に布教していた。でも、イエスが亡くなった後、イエスの教えをユダヤ民族だけにとどめておくのはもったいないと、イエスの弟子のひとり、パウロは考えたんだ。「割礼」も大きな障害だった。割礼っていうのは、ユダヤ教に改宗した男が、神と契約した印にオチンチンの先っぽの皮を切られる儀式のことニャ(もちろん女にはしない)。普通は生後8日目の男の赤ちゃんにするのだが、大人になってから改宗した人は大変ニャ。ローマ人はすごく割礼を嫌って、何度も割礼禁止令をだしているんだ。
・ユダヤ人以外の外国人に布教することによってキリスト教は完成し、国際宗教として結実したのです。アレキサンダー大王が耕した土地に。その後、イエスや聖パウロをはじめとする弟子たちの言行をまとめて刊行された新約聖書も当時のギリシア語で書かれていたのです。
・仏教やほかの多神教と比べてみると、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の考え方がそっくりでまるでひとつの宗教みたいだね。神による天地創造からこの世の終わり、最後の審判までの歴史の見方や、天国、地獄、善悪の考え方も一緒だよ。イスラム教でも割礼するんだね。同じ神が話したことを基にした宗教だから、似ていて当たり前ニャ。
・イスラム教は旧約聖書や新約聖書も教典として認めているから、同じ「啓典の民」としてユダヤ教徒もキリスト教徒も敬意を払われていたんだ。だから中世のイスラム諸国では、税金を払えば、ユダヤ人もキリスト教徒も、改宗をせまられることなくイスラム教徒と平和に共存できたんだ。
・1789年にフランス革命が起こって、1792年に旺盛が廃止されたのは知ってるよね?その時の国民議会で「人権宣言」が採択されて、信仰の自由と一緒にユダヤ人に平等の市民権が認められたんだ。
・オランダ、ベルギー、イタリアなど、ヨーロッパのほかの国でもユダヤ人に市民権が認められました。これでもう、差別されることも、殺されることもなくなると思い、ユダヤ人たちは一生懸命ヨーロッパ社会に同化する努力をしました。キリスト教に改宗したユダヤ人も大勢います。
・産業革命が起こり、大量の資本が必要となって、ロスチャイルド家のように、金融、銀行業で大成功して大金持ちになるユダヤ人が出てくる。ほかの産業でも、成功するユダヤ人が続出する。また、ユダヤ人にも職業の制限がなくなり、どこの大学でも学べるようになって、勤勉なユダヤ人はあらゆる分野で大活躍する。それが妬みになって、あらたな「反ユダヤ主義」が広がってきたんですよ。
・1948年5月14日、イスラエルは建国を宣言する。ユダヤ人が国を失っておよそ2000年。その歴史の中で、たった一度だけ巡ってきたチャンスをベングリオンは確実にものにした。30万人のユダヤ人が、敵意に満ちた400万アラブ人の土地のど真ん中に、貧弱な武力で国を造ったのだ。ユダヤ人からすると、かつての「出エジプト」のモーゼの奇跡に匹敵する快挙だろう。
<目次>
アリとニッシム
ユダヤ教
キリスト教
イスラム教
十字軍
フランス革命
第1次世界大戦
第2次世界大戦とホロコースト
イスラエル建国
第1次、第2次中東戦争
第3次中東戦争とPLO
第4次中東戦争とサダト
キャンプ・デービッド合意
インティファーダ
湾岸戦争
オスロ合意
第2インティファーダー
9.11
エピローグ
あとがき
本書関連略年表
索引
面白かった本まとめ(2009年上半期)
<今日の独り言>
5歳の息子は小学6年生までの漢字を覚えてしまい、あとはひたすら単語帳で復習の毎日ですが、さすがに単調で嫌になってきました。窮余の策として、その時間を計ってノートに書き、その時間によって赤色で花丸を横に書くようにしました。具体的には1分以内だったら花丸5個、5分以内だったら1個という感じです。その効果は絶大ですね。嫌々ながらでかなり時間がかかっていた漢字の復習が、2分ほどでできるようになりました。しかも自分で花丸を書くようになりました。恐るべし花丸です^_^;)いや、「花丸」様様です!