トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

読めない空気

2006-10-18 | Weblog
生後9ヶ月のラブラドール犬を飼っています。
名前はガサガサと落ち着きがないからガサ。現在ガサは週1回ドッグスクールへ通って私達の指示に従う訓練をしています。成績はあまりよろしくなく、他の犬の飼い主から”ガサちゃんのおかげでうちの犬が優秀に見えるわ”と言われる始末です。先生はガサは今まで会ったことのないユニークなタイプの犬だと毎回言いますが、そのユニークという言葉の真意がなんだろうとだんだん不安になっています(苦笑)。そんなガサでさえこのクラスでご存知行動療法を受け、だいぶ指示に従えるようになりました。

私の勤めている学校で毎朝クラスの出席をとる時、”ハイ”という返事のかわりに独特な指示を出す先生がいます。”今日は名前を呼ばれたら好きなフルーツをひとつ言ってください”とか”ハッピーフライデー!と言って下さい””3回手をたたいてヤッホーと言って下さい”など、、、、そして必ず何人かは指示に従えず名前を呼ばれて”ハイ”とまともに返事したり、フルーツと聞かれているのに野菜を言ったりするんです。先生の指示を仮に聞き逃したとしてもまわりの様子から答えを察して簡単に答えられる子と名前を呼ばれたので単にハイと返事をする子、それぞれのその場での解釈でたかが出席とりがかなり違ってくるわけです。指示に従えない、その場の空気が読めない子が増えている中、私達がより一層クリアな指導をしなければこの差はどんどん広がっていく気がしました。

自閉症のトニーはADD(注意欠陥障害)でもあるので、集中できるための薬を服用しています。我が家ではこの薬をFocus Pill(集中薬)と呼んでいますがトニーはこれを飲むと先生やまわりの指示にほとんど1回で従えます。ガサやうちの学校の生徒達のように指示に従うことは訓練などで改善可能というわけです。ところがその場の空気を読むに関してはそうはいかず年齢が進むにつれて深刻になってきました。以前ペットショップで買い物している人がガサを指して”何の種類?”と聞いてきました。トニーはすかさずその人の持っていた車の鍵を見て”あなたはトヨタ?”と返していました。かなり前になりますが、音楽室が使えなくて生物室でオーケストラの練習をした時も、先生が”今日の練習はここまで何か質問ありますか?”と言うと手を上げて”あそこにあるがい骨は誰のホネですか?”とガイ骨の見本を指して言ったそうです。”トニーそれちょっとセリフ違うよ”と私は言うんですが読めない空気は難しいです。