トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

片思い

2008-05-23 | Weblog
トニーは老若男女問わず自分の好きな人には強迫的になります。

好きだから、

友達になりたい、

どうやって?

結局、自分の好きな話から切り出して相手に一方的に話したり、絶対に相手がこう答えると確信したことだけを聞いたりします。

私の憶測によると、どうやらトニーは同じ学校のNという女の子に片思いの模様

Nは小学校からの友達でとても素直で勉強のできるかわいい子。
トニーのこともよく知っているので、しつこいトニーの話し相手にもなってくれているようです。

「トニー!昼休みにNにハラスメントしてたでしょう?」
ケニーが目を吊り上げて言うと、

「してないよ!話してただけだよ」
とトニーが反論。

トニーは自分のしていることがハラスメントだなんて思っていないのです。

Nにしてみればすごく迷惑なことで、
これは“障害があるから”だけではすまされないことです。

対人関係を色やアイコンで教える療法があると聞いたのでそれを調べてみようと思っていた矢先、

私がケニーとNの話をしていたらトニーが入ってきて、

「誰の話してるの?N?Nってあの僕がいつもハラスメントしてるあのN?」



オイオイ、、、自覚症状あったわけ!?

これはますます罪が重くなってきました。

大事になる前になんとかしなければ、、、、

転校

2008-05-17 | Weblog
来月トニーは中学卒業。
ケニーはトニーの卒業を機に今の中学から地元の中学へ転校します。

「新しい学校の初日は何着て行こうかな。すべてリフレッシュして生まれ変わるんだ」
ケニーの意味深な発言にハッとしました。

自閉症プログラムのある学区外の学校に“僕もトニーと一緒に行きたい”という健気なケニーの言葉に“ヤッホー!!学区外でも二人とも同じ学校へ行ってくれたほうが親としては送り迎えも、学校行事も、先生とのつながりも、楽!楽!”と手放しで喜んだ私でした。

ケニーはストレートな子なので小中学校通しての8年間は障害児の兄弟という特別な環境にいながらそれをうまくかわすことができる子でした。

そんなケニーも当然のことながら年齢があがるにつれて“今度生まれてくるときは自閉症じゃない兄弟が欲しい”とか“トニーがあのハイパーなノリで友達の前に現れるとみんなひくんだよ”などと言うようになりました。

私たちは何度も“トニーと同じ学校へ行かなくてもいいんだよ”と他の学校へ転校する選択もあることを言いましたが本人は今の友達と別れたくないからと言って受け入れませんでした。

それなのに“来年度から転校する”とあっさり決めて「生まれ変わる」なんて言われたらなんかあったの?と心配になります。

昨夜、ケニーは食事中にボソッと“学校でトニーのことを言われて自己コントロールできなくなってその子達をぶっ飛ばしそうになったことが何度かある”と言いました。

いつも強気で何があってもへっちゃらのようだけど、
やっぱり彼なりにいろいろ葛藤があったのね。

そうだよねえ。
8年前に“トニーと同じ学校行くぅ~!!”ってダダこねたときとは違うにきまってるよね。
ケニーの成長に気づかなかった愚かな母は凹みました。

新しい学校でケニーの望む華やかなソーシャルライフが待っていることに母は賭ける!!


母の日

2008-05-11 | Weblog
お母さんは子供が生まれる前に
“男でも女でも五体満足であればいい“
と言っていたのに、子供が生まれると育児マニュアル片手に

”首がすわった”“寝返りした”“おすわりができた”、、、、
とそのひとつひとつの発達段階にガッツポーズ。


“健康であればそれだけでいい”
と言ってたくせに、
“他の子よりかわいい、優れている”と有頂天になる。

“普通でいい”
と言っていたくせに、
“完璧”を望む。


お母さんは嘘つきですね。


そんなお母さんになるはずだった私もトニーが自閉症と診断されて普通のお母さんのレールからはずれ、
"普通いい”ではなく”普通いい”と哀願することさえあります(笑)。

普通の育児マニュアルにはない特別マニュアルを手探りで築いていくexceptional motherは、いいも悪いも文字通り普通ではない分、子育てに時間も労力もかかります

世界中のスペシャルお母さん、

私たちはエラ~~イ

Happy Mothers Day !! especially to all you special mothers with special needs kids !!!!




チーム ビルディング 

2008-05-04 | Weblog



マリンバの先生がHP(Hewlett Packard)のチーム ビルディング プロジェクトを指導すると聞いた。

6つのグループ(各グループ8人ずつ)が40分の音楽練習後それぞれの演奏を披露するという研修だそうだ。

チームワーク向上による相乗効果を学ぶために、スポーツ、ゲーム(敵味方にわかれるようなゲームです)、音楽などを通じてこの手のプロジェクトを会社などで実施するのはよくあることだ。

コンピューター専攻だった夫も学生時代にチームビルディング目的で自分達で作った櫛と紙を楽器(草笛のようなものかな?)にしてブルースを披露したことがあると言っていた。

実社会で働くと、たとえ能力の高い人でもそれをうまく活かせない環境がよくある。
自分の能力をいかに発揮させるかは一緒に働く人とのチームワークが大事だというわけです。

音楽はスポーツやゲームと違ってがんばったからって生産性が高まるわけではないけど、呼吸があってないと全滅するっていう背景からチームの団結力は強まるでしょうね。





レセプション

2008-05-01 | Weblog
学校からトニーの絵が学校区のアート展に入選したとお知らせをいただき、そのレセプションに行ってきました。

普段仕事場で子供達の絵をいつも見ているので子供の絵に対する私の目は肥えています。

だから、なんでこの絵が入選したのかちょっとわかりませんでした(笑)。

まあ小中学生の作品展だったので見劣りはしませんでしたが、かなり本格的な絵や斬新でユニークな絵がたくさんあって、こんなに上手な絵と一緒に展示されただけでもすごいこと!と思い、褒めてあげました。

レセプションでは他校の学生達の室内楽が演奏されて優雅なひとときでした。

でそのときに私が止める間もなくトニーが演奏者のそばに近寄って、指揮をしちゃいました

目でNo!と合図したのですが、まわりを見渡すと子供達はクスクスあざ笑っていたものの、学校関係者や親たちは結構楽しんでくれて“あなたの息子さん?”“演奏より彼の指揮のほうがよかったくらいよ”“すごい音楽的ね”などなどお褒めの言葉をいただき恥ずかしいやらうれしいやら、、、

見知らぬ女性が自己紹介してくれて、
「彼の指揮はすごいね。あれはチェロも第一バイオリンも第二バイオリンも全部の楽器の音が聞こえてないとできない指揮だよ。子供の指揮のコンテストがあるんだけど出てみたら?」とまで言われました。

そんなの無理だよ!だってスコア読めないもん!と突っ込みたいのを我慢して“ありがとう“とだけ言いました。

今度は後ろから「やっぱりトニーだ!」という声が聞こえ振り返ると小学校のときの校長先生でした。

「見たわよ見たわよ」と意味ありげに笑って近づいてきて、まるで相変わらずねえと言われているようでした。

その後、車を買い換えたばかりの校長先生とトニーは駐車場へ消え、車談義を終えてもどってくると「私の前の車のこと私より覚えてたんでびっくりした」と言われました。

いつものことですが、顔を隠したくなるときと手をあげて母です!と言いたいときの両極端の瞬間があります。
今夜はその両方だったので興奮冷めやらずです。

どんなときも物怖じしないミスター トニーを見習わなければいけませんね(笑)。