トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

カレッジで

2009-10-28 | Weblog
昨日の若者批判から一転して、今日はとてもステキな若者たちに会えて気を良くしています。

地元のコミュニティーカレッジに招待されたトニーの演奏を見に行きました。

こんな子の演奏を聞きにくる学生ってどんな子たちなんだろうと興味津々でしたが、見かけはどの子もトレンディーファッションに身を包んだ普通の若者たちでした。

でも真剣に演奏を聞いてくださり、演奏前後のインタビューでのトニーのトンチンカンな応答にもしらけることなく逆に盛り上げてくれて“やっぱ大人”だね。

終了後にたくさんの学生がトニーに駆け寄ってきて“よかったよ”“ありがとう”“お前はすごい!”、、、、などと言いながら握手をしてきました。

その光景がすごく自然でわざとらしくなかったことに感激。

最近の若者も棄てたもんじゃない!と今日は思ったのでした。


ちょっと違うと思う

2009-10-27 | Weblog
仕事から帰宅すると玄関に紙が貼ってあった。
“家の前のハウスナンバーをボランティアでペイントさせていただきました。気持ちばかりの寄付金をいただければありがたいです”と書いてあった。

ハウスナンバーとは番地のことで、道路から家の住所がわかるように表示してある。そろそろ薄汚れてきたハウスナンバーを勝手に誰かがきれいにしてくれたわけだ。見ればうちだけでなくご近所全部きれいになっていた。

そんなことすっかり忘れていたら夜7時ごろ、学生風の青年が来て“ハウスナンバーをペイントしたんですけど、、、”とお金をもらうことが当然のように玄関前に立っていた。

「私、頼んでないよ」と言ったら、「ボランティアですから、、、」と言う。
「そういうお金はない」と言ったら、「現金でなくてもいいから、、、」と言う。
なんなのこの子!!私がムッとしたら、「学校に行くお金がない」と言った。

自分の授業料を自分で稼ぐのは当たり前のこと。
でもだからってこんなtrickyなことしていいの?

よく街で中高生が寄付金集めに洗車をしているのを見かけます。
私は“洗車、寄付金5ドル”とか書いてあるときは5ドルに少し上乗せして寄付します。でもそのサインが“洗車無料”とだけ書いてあるときは協力しません。
だって正直じゃないもん。

だからうちに来た青年にも言ってやりました。
「あのね、本当に勉強したいのならミリタリーに入隊してそこから奨学金もらったら?」

青年は嫌みなおばさんの態度に渋い顔をして去って行ったのでした。




labilityって知ってる?

2009-10-19 | Weblog
自称human dictionary(歩く辞書?)と呼ばれるケニーの英語の先生が“私が知らないような難しい単語を調べてくるように”と言ったそう。

ケニーは、数日前に我が家で話題になった単語”Lability”が頭に浮かんだとのこと。
これってトニーの情緒問題をemotional labilityと文書にしたときに使った単語。
情緒が“不安定”っていう意味なんだけど私も知らなくて辞書で調べたのでした。

翌日、ケニーが学校で英語の先生にこの単語を突きつけると、先生やっぱり知らなかった。

ケニーの勝ち!!バンザーイ!!で終わるはずだったのに、知らなかった先生がその場で辞書を引いて急に怒り出したらしい。

“こんなエリザベス朝時代の単語まで知るわけないでしょ。私が聞いたのは今の時代の英語のことよ”

“私は医者ではないし医療関係の単語を持ち出すなんて不公平!”

などとケニーを教壇に呼び出してクラスの前で言ったんだって。

私:この先生、自分でふっておいて怒り出すくらいなら、最初からルールをクリアにすべきだよね。単語は現代英語に限るとか専門用語はルール違反だとか、、、

夫:お父さんはレーガンとマケインに投票したと先生に言ってやれ、、、

私と夫の先生批判にケニーが苦笑。

“lability”という単語をめぐって大人が感情をむき出しにするなんて皮肉なもんだ


Mrs Florene Poyadue

2009-10-15 | Weblog
PHP(Parents Helping Parents)の創立者フローレンさんと会いました。

4人の子育てをしながら大学院で学位を取得、ダウン症のお子さんを出産後PHPを立ち上げた方で、お話がいつもおもしろくてついつい時間を忘れてしまいます。

ダウン症の息子さんは自立してファーストフードのカールズジュニアでフルタイムで働いていて、3LDKの家に奥さんと二人で住んでいます。

35年前、彼女がダウン症の息子さんを育てるのに必要だった専門家がいなかった時代に唯一できたのは同じ障害を持つ親同士の情報交換だったそうです。

それが現在のPHPとなったわけですが、ここに至るまでの彼女の努力が計り知れないことは彼女の言葉のひとつひとつから伺えます。

“靴がないから学校へ行けません”だけでは誰も助けてくれないよ。
“靴がないから学校へ行けません。だから靴磨きをして靴を買えるようにがんばっています“と言わないとね。

以前、お宅へお邪魔したときにこう言われたことが私の中に強烈に残っています。

障害があるからといって何もしなければ同等の権利は得られないこと、
障害があってもできることはたくさんあること、

を教えて下さったフローレンさんに今日もまたパワーをもらったのでした。




Disability Awareness Day Concert

2009-10-10 | Weblog
地元サンノゼ市主催のDisability Awareness DayにトニーたちのバンドMagic Makersが参加しました。
このイベントは福祉関係者はもちろんのこと議員さんとか新聞、テレビなどのメディア関係もたくさん来るから構えてねと主催者側から聞いていたので“わぁーインタビューとかされたらどうしよう”なんて余計な心配したのがまずかった。

朝から緊張しまくってトニーのギターや荷物を車に積んで仕事に行き、仕事を終えて会場へ直行、、、する途中に後ろに積んであるギターを見て気づいた。

???トニーがいない???

オー マイ ガッド!!!

自分のことしか頭になかった私は学校に行っているトニーのことをすっかり忘れていたのだった。

急いで学校に電話して“今から20分で迎えに行く”と早口で伝え、手に汗握って運転し、トニーを拾って会場へ、かなりのタイムパニックに陥りました

ギリギリでリハーサルにも間に合って、演奏が始まると、そばにいた中年の女性が涙ぐんでいるのが目に入った。

“これ私の思い出の曲でね。聞いていると昔を思い出して涙が出ちゃう”

メディアがくるからと舞い上がっていた自分の失態をよそに、トニーたちがすごくいいことしているように思えてジーンときたのでした。



カルチャーショック

2009-10-09 | Weblog
アメリカ人の友人が17年在住した日本から帰国した。
自分の故郷に帰って来たにもかかわらず、いろいろと戸惑っている友人を日本人の私が“ここはアメリカだよ”と何回も冷やかしてしまった。

サンドイッチを食べに行けばメニューが多くて選べない。

「ライ麦パンにハニーターキーハム、レタス、たまねぎ、アボカド、トマト、もやしとピクルスはなしで、チーズはスイス、サイズはハーフでいいです」

横でスラスラ注文するお客さんを見て、オロオロしている友人。


「どうしたの?まさか英語忘れちゃったわけじゃないでしょ?!」と私がまたからかうと、

「こういうの慣れてないんだよね。今まではAセット、Bセットばっかりだったから、、、」と苦笑した。

面倒になった友人がやさしい口調で、
「なんでもいいからおいしいもの作ってください」と注文したら、

冗談の通じないお店の人は「パンの種類は?」ときつい口調で言い返した。

結局、友人は私と同じのを注文することになって本当に食べたかったのではないものにお金を払ってしまった。

ここでは“おまかせ”は通じないよ。その代わりメニューになくても“○○にしてください”とリクエストすれば対外の“わがまま“は受け入れられるから。

と私に諭された友人。


当分はカルチャーショックが続くんだろうな。