トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

仕事

2008-08-29 | Weblog
再就職が決まりました

今まで勤めていた学校の同僚やディレクターに推薦していただいて、今までとそう変わらない職場(以前は幼稚園から中学までの一貫校、今度は幼稚園から小学校まで)でまた音楽教師として働きます。

パートタイムなので今までより時間の余裕があるし、昔の同僚もいたりしてラッキーな再出発です。

転職が当たり前のアメリカ社会では、職を失うとそんなに親しい間柄でない人まで “この人に連絡してみてごらん”と言って連絡先をくれたり、“履歴書送って!知り合いに聞いてみるから”と言って下さったり、、、、それはそれは気軽に声をかけてくれるので、私のこと知らないのにそんなこと言っていいの?と、律儀な日本人は思ってしまいます。

職探しのサークルやネットワークも盛んで、お互いに情報交換をしながら転職や再就職をエンジョイしているかのようです。

就職ってこんなにカジュアルでいいわけ?と批判的な私でしたが、今回は間に入ってくれた友人に感謝です。

しかし、アメリカの面接テストは長い!
1回目の面接は一般的なことで、2回目の面接は音楽のことや教育のことなど専門的な質問でしたが、話術のない私はヘトヘトになりました。


新学期

2008-08-29 | Weblog
子供達の新学期は順調のようです。

ケニーは近所の中学に転校し、ひとりで歩いて通学しています。
友達もたくさんできて、今まで許してなかった下校途中の買い食いも“お小遣いの範囲内なら”ということでOKすると大興奮していました。

彼は昨年受けた数学のクラスをもう一度取るようにスケジュールされていたことが不満でぼやいていたので、
「もう一度取ったらもっといい成績とれるよ」と、のん気な私はからかっていました(笑)。

翌日、頼りない母は駄目押しが降され、ケニーはしっかりカウンセラーと話をつけて無事希望のクラスを2日遅れで取れることになりました。

さらに、担当の先生にこの2日間の遅れを取り戻すために何をすべきかを聞きに行き、今朝はそれをすべてメイクアップして登校しました。


一方、トニーは希望していたオーケストラが満員で取れず、ピアノのクラスをとっているそうです。

その他のクラスはすべて希望のクラスが取れて、鳩のことは自分で手紙を書いてケースワーカーに伝えていました。

トニーの報告によると、昨日は鳩を2匹キャンパスで見かけたそうです(笑)。

うれしかったのは、3年生のBUDDY(相棒)のJ君がトニーと一緒にいてくれるということ。

どうやら学校が用意してくれたトニーのお世話係ボランティアのようです。


出足好調の新学期、“二人ともだんだん私を必要としなくなってきているな”と感じたのでした

恐怖の鳩

2008-08-27 | Weblog
明日からトニーが高校生になります。

先日オリエンテーションに参加したので新しい環境への変化にそれほど動揺していなかったものの、さすがに今日は緊張していたようでした。

一日中、学校の地図をながめて自分の受ける教室に印をつけたり、クラス移動の順番を書いたり、着てゆく服を気にしたり、、、

"おお、、、少しは緊張したほうが注意深くなるからいいな"と以外にまともなトニーの態度を見守っていました。

夜は、「明日から高校だからもう寝る」と言っていつもより早くベッドへ行きました。
準備万端じゃない!うれしいなあ、、、、と思ったら、トニーが深刻な顔で部屋からまた出てきました。

そして思いつめたように言ったのです。

「高校に鳩がいる」

オー マイ ガッド!!!

「いつ鳩みたの?」と私。

「この前、オリエンテーションのとき見た。」とトニー。

やれやれ、、、、

鳩が目の前に現れたときのトニーのパニックぶりは誰がどこからみても普通ではありません。

キャンパスでトニーがパニクっている姿が頭に浮かんで、これは学校に伝えなければと母は意をけしたのであります。

トホホ、、、、



プライバシー守秘義務

2008-08-26 | Weblog
2ヶ月後にせまったスペシャルニーズコンサートの案内を作る準備がはじまった。

毎年のことながらギリギリになると厄介な問題が次々出てくる。

今年はフィルムフェスティバルで入賞した経験を活かしてメディア向けに子供達を紹介するPRを試みようと計画していたのだが、ここでまたフォトリリースやらプライバシー守秘やらと確認しなければいけないことがあって苦悩している。

障害のあるわが子を公開することに抵抗のある親もいるだろう。

離婚調停中で養育権を争っている親もいるだろう。

Restraining order(裁判所からの拘束命令)で行動制限のある親もいるだろう。

いろいろ考えると別にどうしても顔や写真を出さなくても、、、、と逃げ腰になる。

目のところを黒の四角いマスクで隠したら?
  犯人じゃあるまいし、、、、

了解を得た子だけを映せばいいんじゃないの?
  そう、それがいいかな。

まわりの声を背に決断が揺らぐ。

プライバシーって何?
マドンナか雅子妃殿下にでも聞いてみたい(笑)。

プライバシーというのは人それぞれ線の引き方が違うし、たとえ法律に反していなくても当事者にとっては大変苦痛なこともある。
相手のことを考える思いやりがあれば、紙の上での守秘義務など要らないのではと思う。


やっぱり主役の子供達が困るような事態は避けたいと決めた。



オリエンテーション

2008-08-23 | Weblog
来週からはじまる子供達の学校のオリエンテーションがありました。

アメリカの学校は入学式や始業式みたいなのがありません。
初日からいきなり授業が始まります。
そのかわりオリエンテーションというのが始業日の前にあります。

オリエンテーションは役員の在校生たちが仕切って進められ、ゲームや自己紹介、学校案内、質疑応答、、、、とダラダラ半日係りでキャンパス内に縛られます。

一人一人違う時間割りもこの日に配られ、教科別の先生や教室を把握するのに時間が要るのと大勢の人の中を歩くのが苦手なトニーみたいな子には、2000人もの生徒達が教室移動するキャンパスのどこを通ればあまり人ごみにあわないかをアドバイスしていただきました。

この時間割ですが、うちの子供たちの学校はクラス分けが能力別しかも定員があるのでクラス獲得合戦も起こるわけです。

昨日もたくさんの生徒達がクラス変更のためオフィスに詰め寄っていました。
理由はともかく、中高生が自分の学校のスケジュールを理論武装でゲットする姿にアメリカを感じたのでした。



マジックメーカー

2008-08-13 | Weblog
スペシャルニーズバンドの2回目の練習がありました。

この“バンド“ただものではありません。
たったの2回しか音合わせしたことのないメンバーがいきなりジャムったのです。

しかもメンバーは全員“自閉症”。
ぶったまげました

「とりあえずみんなが知っている曲からスタートしようよ」
というディレクターの指示でビートルズの数々を選曲。

まずはイエスタディ。

“今日だけどイエスタディ“とベースのバーナルドがつっこむと、

“明日弾いてもイエスタディ”とドラムのジョージが真顔で言った。

くだらない親父ギャクなのに、“自閉症にしては上等なジョークだ“とマジで感心

楽譜を見るわけでもなく、キーをあわせるでもなく、ドラムのカウントひとつで演奏がはじまって、誰からともなく音をハモり、リピートもコーダも能書きなしでマスターしている。

演奏レベルとは裏腹に、曲の間で誰かがクリスマス曲を弾くと「誰だあ~!8月なのにクリスマス弾いてるのは!!」と耳を押さえて怒鳴る子や、

「イマジンはビートルズの曲ではなくジョンレノンの曲だ」と頑固に言い張りストライキを起こす子がいて、

このギャップさすがだ(笑)!!

2時間ぶっ通しで演奏した彼らは一向に疲れる様子なし。
トニーだけが最後の15分を前に退場を申し出た。

「もう疲れた。今日は終わり」

と席を立つとディレクターが、

「勝手にどこ行くんだ?ユニオン(音楽家の労働組合?)に所属しているのか?」と笑わせてくれた。

ミュージシャンユニオンでは45分演奏して15分休憩というのがスタンダードらしい。

真に受けたトニーは、

「どこのユニオン?Berryessa?」

と自分の学校のユニオン(教職組合)と勘違いしていました(笑)。

練習後このバンドをマジックメーカーと命名。

マジックメーカーの今後の活躍に乞うご期待!!




イラクの自閉症

2008-08-12 | Weblog
昨夜のニュースでイラクの自閉っ子を紹介していた。
あたり前のことだけどイラクにだって自閉症はいるのだ。


“専門家が少ないために必要な療育が受けられない“と訴えているお母さんとその横で無鉄砲に動き回っている子供の姿はアメリカでも見かける自閉っ子ファミリーの風景。

ただ違うのは男の人の姿が全然見えないこと。
取材されている親もプレイセラピーのような療育映像の中の大人たちもみんなヴェールをまとった女性なのだ。

水や電気にさえ不自由している日常で、お母さんひとりで障害児を育てるのは大変な苦労があるだろう。


ヴェールをまとったお母さんが「もし私が爆弾で死んだらこの子はどうなるの?」と涙ながらに言った言葉があまりにも現実的で心に刺さった。

Recchiuti のチョコレート

2008-08-03 | Weblog
サンフランシスコにあるRecchiuti confectionという高級チョコレート店のユニークなチョコレートをいただきました。

正直言って私はそれほどチョコレート好きでもなく、高級と言われてもお店の名声度と値段の差ぐらいしかわかっていないのです。

”あなたが絶対に喜ぶと思って”と太鼓判を押されたこのチョコレートの正体は、、、、、、、

です。

チョコレートに描かれているこの絵は障害者の作品です。

Creativity Exploredという障害者アートセンターのアーチストたちの絵が起用されています。

私は障害者の社会参加を目にするととてもうれしくなります。
ステキなプレゼントありがとう!

詳細はRecchiuti confectionのウエブサイトで、
recchiuti.com/251.html?id=emdzuKfV


がんばったシール?!

2008-08-01 | Weblog
片づけをしていたら、昔の子供の算数問題集が出てきました。
'昔の’といっても中味はまっさら新品同様です(笑)。

そういえばまるでやる気のない子供たちに問題集などを買っては私ひとりで盛りあがっていたなあ、、、

私の押しが足りなかったのか、動機づけがヘタだったのか、子供達は全然のってくれませんでした。

結局はバカらしくなって私のほうがサジを投げてしまい、それでももったいないからって大事にしまっていたのでした(苦笑)。

そして母は今日もそれを捨てきれず、トニーに打診しました。

「ねえ、これ小さいときに私に怒られながらやったことあるよね?もう大きくなったから怒られなくても出来るんじゃない?やってみない?piece of cake(簡単)だよ」

小学校2年生の問題集ですから難しくないはずなのに、3-4ページやり終えると“疲れた”“もうできない”、、、などとブーブー言い始めました。

さすがにひとりでサッサとこなしたものの、やっぱりそこまでが限界なのねえ。
仕方ない、もうやめよう!

私が潔く降参するとトニーがひと言。

がんばったシールは?

がんばったシールって全然がんばってないじゃん!!

泣きべそかきながら勉強してはがんばりシールをもらっていた昔の出来事をしっかり覚えていた14歳でした。



結婚記念日

2008-08-01 | Weblog
結婚記念日でした。
ちょうどソウルオリンピックのときでしたから、もう20年です。

こちらでは20年目の結婚記念はチャイナ陶器をプレゼントする習慣があるそうで、夫は律儀にそれを実行してくれました。

“いただいておいて言うのもなんだけど別にいいのよ無理しなくても、、、、”
と私が言うと、

“25年後からの本格的な大金に比べたら序の口でしょ“
と言ってくれた(笑)。

25年=銀
30年=真珠
35年=珊瑚、翡翠
40年=ルビー
45年=サファイヤ
50年=金
55年=エメラルド
60年=ダイアモンド

、、、、と続くらしいです。