トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

Why not?

2007-11-30 | Weblog
早朝、仕事へ行く前にトニーの来学期の選択科目のことで担任と話してきました。

主要科目の他に受ける選択科目(音楽、美術、コンピューター、外国語、技術家庭など)は各学期に1クラスと決まっています。

トニーはずっとオーケストラを取っていますが、担任は来学期はコンピューターを取ってみては?と提案してきました。

もちろん賛成なのですが、そのためにはオーケストラを落とさなければいけません。

どちらも捨てがたいので“両方取らせたい”と言ったら、担任は「それは規則で出来ません」と目くじら立てて突っぱねました。

その後は、

選択科目に時間をとられると主要科目がますます遅れる(社会や理科は教室で教科書広げているだけでは身につかないにきまってるのに!)

エイドの賃金カットのために生徒達の時間割を調整しなければいけない(結局は自分達の都合じゃないか!)

挙句の果てに”音楽なんて取ってても将来何にもならないでしょうに”みたいなこと言われて、、、、人間性を疑いたくなりました。

私は普段から職場でモンスターペアレンツを目にしているので、自分の子の学校とはいつもいい関係でありたいと努力しています。

でも今回は担任のいい訳と言いぐさにカチンときたのでCan I make noise?(騒いでいいですか?)と精いっぱい冗談っぽく言いました。

担任は私がローキーであることを知っているので、私のきついジョークにあわてて“校長にきいてみましょう”と打診してきました。

トニーのような子は、好きな科目を伸ばしてあげるのが一番だと私は思っています。
NT(定型発達)の子供達とすべて同じにしなくてもいいのです。
そのためにIEP(個別教育プラン)があるのですから。

5分後、校長からwhy not?(いいよ)という寛大な返事がきました。



ケンカ

2007-11-29 | Weblog
トニーがアフタースクールでトラブったと報告を受けた。

原因はトニーと犬猿の仲の女の子、シャノンちゃんとケンカしたことかららしい。
とっくに納まっているシャノンの横で、いつまでも大声で叫んで物に当り散らし、他の子達はすっかりひいてしまったそうだ。

この二人のバトルは有名で、口達者なシャノンにいつもやり込められているトニーは彼女の言うことなすことすべて気に入らないよう

トニーは人をせめたり、ののしったり、攻撃的なことができるほど人と関われる子ではないので、シャノンに会うまで、友達から嫌われることはあっても、友達を嫌うことはありませんでした。

そういう意味では彼女はトニーにとってセンセーショナルな子なのです。

とはいえ暴力的な行動は許されないことなので、

・シャノンとケンカをしない
・落ち込んだらギターやドラムを弾く

と約束したそうです。

自分を落ち着かせるためにすることといえば、家では音楽だけでなく”歯を磨く”っていうのがあります。
これは何を思ったのかトニー自身がはじめたことです。

ここのところちょっと荒れているので、怒り心頭で歯を磨いている姿をよく見ます(苦笑)。
彼なりに努力してるんですよね。



謎の現金

2007-11-23 | Weblog
弁護士がリスナーの質問に答えるラジオのトークショーでおもしろい話を聞いた。

インターネットで買ったエクササイズ用の自転車のパイプの中から日本のお金が出てきて、銀行に持っていったら2000ドル(約20万円)相当だと
言われ、警察に届けた。2年後、落とし主が出てこなかったので自分のものとなり、ドルに交換するため銀行に行ったらこのお金はもう日本で発行していない古いお金なのでできないと言われた。

というリスナーの話に、この弁護士は「その通り。もう使われていないお金なのであきらめなさい」ときっぱり言った。

リスナーはあっさり承諾してトークは終わってしまったのだが、聞いていた私は
“えぇ~~?!それだけ?もっとなんとかできるでしょうに!!”と人ごとながら思わず力が入ってしまった。

これを聞いただけではどのくらい古いお金かはわからないが、この弁護士も日本銀行に問い合わせるとか、コレクターとか鑑定士に聞いてみるとか、もう少し興味深く取り扱ってくれてもいいのに、、、

そもそも自転車のパイプの中から現金が出てくること事態ミステリーで、誰かが隠していたのかもしれないし、怪しいお金かもしれない、、、、

考えれば考えるほど深みにはまるのは私だけでしょうか。

日本演奏ツアー

2007-11-22 | Weblog
友人から“息子のバーナルドが日本の曲♪スキヤキ♪を練習しているので教えて欲しい”とメールをもらった。

バーナルドは21歳の高機能自閉症、コンピューターの職業訓練を受ける傍らコミュニティーのバンドやカレッジでトロンボーン、ピアノ、歌のパートを担当している。

そのバーナルドが来春4月にバンド仲間と日本へ演奏ツアーに行くそうだ。

”スキヤキ”はその日本でのコンサートで歌うとのこと。

日本が生んだ”スキヤキ”のオリジナル”上を向いて歩こう”とは多少違った英訳とアレンジですが、バーナルドが日本に行って、日本の曲を歌うっていうことだけで私はすっかり応援団長の気分になりました

バーナルドと一緒にすきやき練習しようと思います。



ランチタイム

2007-11-14 | Weblog
ケニーが下校するなりトニーに向かって、
「トニー!今日、ランチの時ころんだ?」と聞いた。

トニーが「イエス」と答えると、

「サイモンから聞いたんだけど、ランチタイムのとき、トニーがある男の子にワザと足をひっかけられて転んで、持っていたランチを落としたんだって、それでトニーが大声で騒いでたって」

とケニーがいっきにまくし立てた。

「そうなの?」と本人に確認すると、トニーはまた「イエス」とうなづいた。

私: で、ランチ食べなかったの?
トニー: 食べた。
私: だって落としちゃったんでしょ?
トニー: 飲み物だけ落とした。ピザは大丈夫だった。
私: 飲み物は飲めなかったの?
トニー: 飲み物落ちちゃった!!飲み物返せ!!って叫んだらランチのおばさんが新しい飲み物くれた。

どうやら大声で叫んでいたのは、そういうことだったらしい。

ケニーとサイモンは、その足をひっかけた悪がきのことを校長先生に言いつけたそうだ。
校長先生は報告書に匿名と記して名前を公開しないことを約束したうえで、サイモンに彼が目撃した一部始終を書かせたそうだ。

トニーはというと、その悪がきに対して何の感情も持たず。
誰かが足ひっかけたから転んじゃったんでしょう?と聞いても、
「アクシデント(事故)だから」と言って、その悪がきを責めることなどもせず。

ただただ飲み物を落としたことだけがトラウマとなっていたのでした。


予期せぬ出来事

2007-11-11 | Weblog
トニーがCDの縁で目に傷を負った。
眼科は初めてで、連れて行った夫の話だと大暴れしたそうです。

そしてその翌日は期限切れだった破傷風の予防注射をするハメに。

この予期せぬ大イベントをどう乗り越えるか!?

いくつになっても自閉症は自閉症、”予期せぬ事”を理解させるのは一苦労なのです

注射はもちろん大嫌いなので、「なんで破傷風の注射をしなければいけないの?」「どのくらいの量、注射するの?」「ドクターがするの?ナースがするの?」などと質問攻撃が延々と続きました。

以前、MRI(あのトンネルです)へ入ったときには、病院から用意された練習用のビデオに従って説明したものの、ビデオに出ていた魚の水槽が実際には病院になくて焦ったことがあったので、今回はそのようなミスのないよう(笑)慎重に説明しました。

そして、
腕を出して、アルコールで拭きます。
目をつぶって、じっとしていたらちょっと痛いけどすぐ終わります。

と簡単なソーシャルストーリーを頭にインプットするよう言いました。

当日はこちらの心配をよそに、言われた通りに目をつぶって、あっという間に事を得ました

ここでまたオチがついたのですが、帰り道にトニーが「目をつぶって注射したからもう目は治ったね」と言ったのです。

注射をしたときに目をつぶったのは目をケガしたからだと思っていたようです。

怖いときとか我慢するときに目をつぶるでしょう?と言ったら、
?????全然わかっていないようでした。

アイヤイヤイ、、、、もし目じゃないところをケガしていたら、このソーシャルストリーは使えなかったわけね

感情コントロール

2007-11-04 | Weblog
このブログでうちの子供達もはれて留守番解禁になったことを報告しましたが、子供達はよく留守番してくれるようになりました。
法律上だけでなく、心身共に成長した子供達を家に残して出かけることにすっかり慣れてきた矢先に大変なことがありました。

事の起こりは、二人で留守番中に電話が鳴って、トニーが出ようとしたのをケニーが制止したことからだそうです。

”トニー!出ないで!と言ったらトニーがキレた”というのはケニーの証言ですが、多分ケニーはこの10倍ちかくイジワル、生意気モードでトニーにむかって怒鳴ったのだと思います。

罵倒されたトニーはカッとなり、受話器を投げたら窓ガラスに命中。

ここで二人は目が覚めたようで、直後にDaveが帰宅したときは、二人ともシュンとしていたそう。

普段からトニーの電話応対には手をやいていて、相手に失礼なことを言ったり、やたらと話したがったり、、、、

なるべく電話をとってもらいたくないのですが、何事もスローなトニーが電話のベルが鳴ったときにみせるパフォーマンスは超高速なのです。

ケニーとしては、責任感から本当にトニーに電話に出てもらいたくなかったのでしょう。

ケニーの典型的男の子乱暴口調に、言葉を返せず感情コントロールできなかったトニーの突発的な行動は、障害があるからではすまされないことです。

毎度のことながらヘコみます。
そのうえガラス修理代$150(約15000円)也とは、私のほうがキレそう

 おしゃべりパンプキン

2007-11-02 | Weblog
ハロウィンの夜は友人宅でパーティーでした。

この友人、毎年グレートパンプキン(巨大かぼちゃ)を玄関前に飾って、マイクをしかけ、家の中からモニターを通してTrick or Treatといってキャンディーをもらいに来る子供達とお話します。

この”おしゃべりパンプキン”は子供達に大人気で、近所だけでなく遠くから車を乗りつけて見に来る家族もいるそうです。

小さい子の場合は本当にパンプキンがお話していると信じていて、それはそれはかわいいです

3-4歳の男の子二人がスーパーマンとスパイダーマンに仮装して来ました。

パンプキン: ハロー!スーパーマン!!
スーパーマン: ハロー!パンプキン!!

パンプキン: ハロー!君はスパイダーマン?
スパイダーマン: 違う。僕はジョナサン。→スパイダーマンに仮装しているのに、自分の名前を言ってる(笑)。


続いて中学生の男の子の団体がスケートボードでワイワイやってきました。

Trick or Treat?!
大きな声で叫びました。

パンプキン: お前ら、スケートボードでどんなことできるの?
男の子達: Ollie back flip, Front flip, Three-sixty,,,,,
パンプキン: ふぅ~~ん、、、あのさあ、今日オレの誕生日なんだよね。ハッピーバースデー歌ってくれないかなあ。

男の子達が一斉に太い声で歌いだした。
Happy Bithday to you,,,

とまあこんな風に訪れる子供達を家の中から見て笑いのつきない楽しいパーティーでした。

地震

2007-11-01 | Weblog
昨夜、マグネチュード5.6の地震がありました。
この10年では一番大きかったと思います。
たくさん心配メールをいただき、ありがとうございました。
無事です。

今日は昨夜の地震のとき、どこで何をしていたか?という話題で持ちきりでした。
”ちょうど教会にいて、すごく揺れたからいつまで続くんだろうってすごく怖かった”と話した友達は、不覚にもそのとき思わず「オー マイ ガッド!!」と言ってしまったそう

教会でそれを言うとはなんという不届き者!!

「神様のそばにいたけど、神様のところへは行きたくなかったのよね」と冗談まじりになぐさめましたが(笑)。

地震といえば、トニーは日本で初めて地震を体験したとき、かなり衝撃的だったようです。
アメリカへ帰ってからみんなに、「地震の時はこうやって見えるんだよ」と言って自分の目の下(クマやシワができるところですね)を指で左右に動かしていました。