ダッカ邦人等テロ事件:安倍晋三は「テロの根絶に向けて」などと、責任逃れとなる聞こえのいい約束をするな

2016-07-08 08:45:32 | 政治

 安倍晋三が7月5日、「バングラデシュにおけるテロ事案に関する関係閣僚会合」を首相官邸で開いた。
  
 会議の冒頭、出席者全員が犠牲者に黙祷を捧げたという。

 安倍晋三「先程、亡くなられた7名の方々の御遺体が、御家族に伴われ、帰国されました。『バングラデシュの人々のために』という、崇高な志を持って日本を発った時、このような形で帰国することは、想像すらできなかったと思います。

 犠牲となられた方々の無念さ、御家族の皆様の御心痛はいかばかりか、察するに余りあります。改めて、政府として心から哀悼の意を表し、お悔やみを申し上げます。あわせて、負傷された方の一日も早い快復をお祈りします。

 事件発生以来、政府として、対応に全力を尽くしてきましたが、このような結果となったことは、痛恨の極みであります。この非道かつ卑劣極まりない、許し難いテロに対し、改めて、心の底からの強い憤りを覚えるとともに、断固として非難します。

 御家族のお気持ちに寄り添い、引き続き『為し得ることは全てやっていく』という姿勢で、あらゆる支援を行ってまいります。

 我が国がテロに屈することは決してありません。先日、我が国は、安保理の議長国として、テロを強く非難するステートメントを取りまとめ、国際社会としてテロの脅威と闘っていくとの明確なメッセージを発出しました。

 今後、テロの根絶に向けて、国際社会との連携を一層深めるとともに、内外の日本人の安全を確保するため、情報の収集・分析、安全情報の提供の徹底、水際対策を始めとする国内のテロ対策を強力に推し進めてまいります。

 各大臣は、一層の緊張感を持って、被害者・御家族の支援、事件の捜査、テロ対策の強化など、必要な対策に全力を挙げていただきたいと思います」(以上)

 「テロの根絶に向けて、国際社会との連携を一層深める」・・・・・

 政治的な過激主義を抱えた者による国家権力に対する国民を巻き添えにしたテロ(=テロリズム)のみならず、国家権力による民主主義に則らずに国家権力を維持するための国民に対する様々な暴力的措置たるテロは世界のいずれかに歴史と共に存在し、今後共存在し続けるだろう。

 そして政治と経済と文化の、あるいは宗教のグローバル化によって、グローバル化を受けた側の地域内のそれらの利害が複雑に絡み合い、ときには激しく衝突するようになるに応じて国家権力に対するテロは大規模化し、国家権力によるテロは巧妙化していっている。

 あるいは国家権力がそれを構成する者の利益のみを考え、一般国民の利益を考えずに貧富の格差を生じせしめる国家と国民の関係がこの世界に常に存在し、そこで国家と国民の間に利害の対立を恒常的に潜在化させていた場合、そのことが国民の一部による国家権力に対するテロの土壌として存在し続け、ときには臨界点に達したマグマのように実際にテロの形で噴出し、噴出自体が恒常化することもある。

 病気で言えば人間を死に至らしめる様々なガンが治療はできてもその発生自体は抑えることができないような、こういったテロの性格ゆえに一定程度抑えることは可能であっても、根絶は不可能であろう。

 だから、「テロの根絶」とは言わずに 「テロの根絶に向けて」と言う。

 「根絶」ではないから、再び日本人の犠牲者を出すことになるテロが起きても、間違ったことを言った責任は生じない。再び「テロの根絶に向けて、国際社会との連携を一層深める」と言っていれば、その場は片付く。

 聞こえはいいが、聞こえがいいと言うだけの国民に対する責任を伴わせずに済む公約に過ぎない。

 安倍晋三はこの他にもテロに関して聞こえがいいだけの責任を伴わない、それ故に責任逃れができる言葉を何度となく発している。文飾は当方。 

 2015年2月1日午前5時過ぎ(日本時間)、 「イスラム国」は拘束し、身代金を日本政府に要求していた後藤健二さんを殺害したとする動画を声明文と共にインターネット上に投稿した。

 後藤さん殺害の動画を受けて同日午前7時過ぎから首相官邸で開催の関係閣僚会議で、安倍晋三が挨拶している。

 安倍晋三「湯川さんに続いて、後藤さんを殺害したとみられる映像が公開された。ご家族のご心痛を思えば言葉もない。政府として全力をあげて対応してきたが、誠に無念、痛恨の極みだ。このような結果になり、本当に残念でならない。非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。許しがたい行為を断固非難する。

 テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるため、国際社会と連携していく。日本がテロに屈することは決してない」(NHK NEWS WEB/015年

 日本人が10人犠牲となった2013年1月16日のアルジェリア邦人等殺害テロ事件を受けた安倍晋三の訪問先ベトナムでの対記者団発言。

 安倍晋三こうした行為は断じて許すことはできない」(NHK NEWS WEB
 「テロリストたちを絶対に許さない」にしても、「こうした行為は断じて許すことはできない」にしても、殺人がなくならない人間の犯罪でありながら、「殺人は断じて許すことはできない」と言うのと同じく、テロの根絶ができないままに「許さない」と言っているに過ぎないのだから、責任が伴うことはない聞こえがいいことを言っているに過ぎない。

 同じアルジェリアテロ事件当時の2013年1月19日の午前6時からの対策本部会合後の対記者団発言。

 安倍晋三このような卑劣な事件は断じて許されない。今後とも、私が陣頭指揮をとって、政府一丸となって全力で事件に対処していく」――

 テロ集団との直接的な交渉当事国ではないにも関わらず、「今後とも、私が陣頭指揮をとって、政府一丸となって全力で事件に対処していく」と勇ましいことを言っている。

 勇ましい言葉に過ぎないことは人質となった日本人10人が犠牲となったことが証明している。

 2015年11月13日のパリ同時多発テロ事件8日後の2015年11月21日の「ASEANビジネス投資サミット」でも同じ発言を繰返している。  

 安倍晋三「先ず冒頭、先日パリで発生したテロによって犠牲となった方々に、皆さんと共に、心からの哀悼の意を表したいと思います。そして、私たちアジアの人々は、今、困難に直面しているフランスの人々と共にある。強い連帯を表明します。

 テロは、断じて許すことはできません。これは、平和と繁栄を願う、私たちの価値観に対する挑戦であります。

テロとの戦いに、国際社会がしっかりと手を携えていく。その明確なメッセージを、G20、APECに続き、この東アジア・サミットでも、しっかりと打ち出していく。その決意であります」――

 2016年6月12日未明にアメリカ合衆国フロリダ州オーランドにあるゲイナイトクラブで発生した銃乱射事件。

 安倍晋三(6月13日大分県で)「米国民に強い連帯の意を表する。卑劣なテロは断じて許せない。強く非難する。米国や国際社会とテロ根絶の取り組みをしっかり進める」(日経電子版

 テロが起きるたびにテロの被害を受ける側が「卑劣なテロは断じて許せない」と繰返し言い、その言葉が実効性を持たないままにテロが繰返される悪循環を我々は目の辺りにしている。

 このことからも、責任が伴うことはない聞こえがいい言葉に過ぎないことを証明することになる。

 聞こえのいいというだけの言葉ではなく、責任を持たせた言葉とするためには、「テロの根絶に向けて、国際社会との連携を一層深める」ではなく、「在外日本人を二度とテロの巻き添えにはしない、テロの犠牲者にはしない」と約束すべきであり、そのように約束して初めて責任を問われる言葉とすることができる。

 もし約束していたなら、アルジェリア事件を受けた2013年1月21日の対策本部会議で述べたのと同じような言葉を、記事冒頭掲げた「バングラデシュにおけるテロ事案に関する関係閣僚会合」で繰返さずに済んだはずだ。

 安倍晋三「アルジェリアでのテロ事件について、現地の城内外務大臣政務官より、現地イナメナス所在の病院に安置されているご遺体と対面した結果、安否確認中の日揮の社員のうちの7名であるとの報告を受けました。

 世界の最前線で活躍する日本人が、何の罪もない人々が、犠牲となり痛恨の極みです。残されたご家族の方々のご気持ちを思うと、言葉がありません。

 各位にあっては、亡くなった方々が、一刻も早く、ふるさと日本へ戻り、ご家族と会えるよう政府専用機の活用、現地でのサポート等、政府としてできる限りの支援を行っていただきたい。

 今なお、3名の方の安否がわかっていません。

 各位にあっては、さらなる情報収集、安否の確認に全力を尽くしていただきたい。

 無辜の市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為は、決して許されるものではなく、断固として非難します。

 我が国は引き続き国際社会と連携して、テロと戦う決意であります」(以上)

 (アルジェリアテロ事件)「世界の最前線で活躍する日本人が、何の罪もない人々が、犠牲となり痛恨の極みです」

 (ダッカテロ事件)「事件発生以来、政府として、対応に全力を尽くしてきましたが、このような結果となったことは、痛恨の極みであります」

 (アルジェリアテロ事件)「無辜の市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為は、決して許されるものではなく、断固として非難します」 

 (ダッカテロ事件)「この非道かつ卑劣極まりない、許し難いテロに対し、改めて、心の底からの強い憤りを覚えるとともに、断固として非難します」

 (アルジェリアテロ事件)「我が国は引き続き国際社会と連携して、テロと戦う決意であります」

 (ダッカテロ事件)「我が国がテロに屈することは決してありません。先日、我が国は、安保理の議長国として、テロを強く非難するステートメントを取りまとめ、国際社会としてテロの脅威と闘っていくとの明確なメッセージを発出しました。

 今後、テロの根絶に向けて、国際社会との連携を一層深めるとともに、内外の日本人の安全を確保するため、情報の収集・分析、安全情報の提供の徹底、水際対策を始めとする国内のテロ対策を強力に推し進めてまいります」

 実効性のない聞こえのいい言葉を発信するだけでは、日本人がテロの犠牲となるたびに似たような言葉を繰返し発信することになるのだろう。

 繰返して、時間が事件を風化するのを待つ。

 今回のテロ事件を受けて安倍晋三の指示で政府の「国際テロ情報収集ユニット」を増員する方向で検討に入ったと言うことだが、事件発生以降の経過をアルジェリア事件のように長期戦になると、そのことだけを学習材料に限定した超マニュアルな危機管理対応に支配されて、菅義偉は暫くの間は動きはないだろうと踏んで人質日本人の安否よりも選挙応援を優先させて官邸を留守にした危機管理に関わる柔軟性を欠いた想像性が問題であって、そこに気づかなければ、聞こえのいい言葉の発信同様、いくら増員しても、責任を取らないままの変わり映えをしない状況が繰返されるはずだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダッカテロ:菅義偉のNSC欠席、新潟選挙遊説が明らかにする超マニュアル主義な安倍内閣の危機管理

2016-07-07 09:31:54 | Weblog

 ――菅義偉は複数の日本人が事件に巻き込まれている可能性を7月2日朝6時頃把握していたなら、尚更に日本人の安否を気遣って官邸にとどまらなければならなかった――

 7月4日の当「ブログ」でダッカ人質邦人等殺害テロ事件発生中に官房長官の菅義偉が午前11時半からの国家安全保障会議(NSC)を欠席、新潟県内2カ所で予定していた参院選自民党候補応援の街頭演説のために午前10時前に新潟に向けて官邸を留守にしたことを人質となっている日本人の安否よりも選挙応援を優先させたと書いたが、安倍内閣の超マニュアル主義な対テロ危機管理がそうさせた菅義偉の新潟選挙遊説なのを次の記事が教えてくれている。  

 以下の解釈の妥当性を判断して貰うために記事全文を参考引用することにする。

 《人質情報、2日早朝には入手=邦人安全確保に限界も-政府時事ドットコム/2016/07/05-17:31)  
  
 バングラデシュの飲食店襲撃テロ事件の日本人犠牲者7人の遺体が5日、帰国した。日本政府は事件発生直後から、邦人人質の有無など迅速な情報収集に全力を挙げた。2013年のアルジェリア事件以降、テロ対策の強化を図ってきた政府。しかし、海外で活動する邦人の安全確保の難しさも浮き彫りになった。今回の政府対応を検証した。

 ダッカの襲撃テロ事件は日本時間2日未明(現地時間1日夜)に発生。邦人が巻き込まれた可能性があるとの情報について、政府は同日午前6時頃には把握していた。菅義偉官房長官と杉田和博官房副長官はひそかに首相官邸に入り、陣頭指揮に当たった。

 「日本人8人が戻ってこない」。一報は、被害者らが使った車のドライバーからもたらされた。政府関係者は「朝の時点で、5、6人の氏名は入ってきていた」と証言する。複数の邦人が巻き込まれたことはほぼ確実と判断したため、菅長官は同午前8時半ごろに首相官邸で記者会見。人質に日本人がいる可能性を明らかにした。

 政府は、日本人10人が死亡した13年のアルジェリア人質事件などを受け、テロ対策を強化。省庁横断でテロ関連情報の収集・分析に当たる「国際テロ情報収集ユニット」などを創設した。

 今回の事件で、政府は同ユニットメンバーを現地に派遣したが、現地入りする前に既に特殊部隊が突入。政府関係者は「アルジェリア事件のような長期戦に備え、ユニットをまず送り込むことが重要だった」と振り返るが、日本側がバングラデシュ側の情報機関などと接触し、状況分析に当たるには至らなかった。

 テロ集団の武装が高度化し、犯行が凶悪化する中で、在外邦人の安全確保が難しさを増していることは間違いない。外務省は短期旅行者らに、最新の安全情報などをメールで知らせる「たびレジ」などを運用しているが、テロ回避は各個人の判断に頼らざるを得ない面が強い。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも、テロ対策は主要議題となったが、策定した対テロ行動計画は即効性に欠けるのが実情だ。

 首相官邸の危機管理の在り方も、議論となった。安倍晋三首相は2日に予定していた参院選の北海道遊説を取りやめたが、菅長官は新潟で遊説を行い、一時官邸を不在にした。政府関係者は「菅長官がいなくても、対応が遅れたことは一切なかった」と強調するが、野党からは「官房長官は危機管理の要だ。のんきに街頭演説していて本当にいいのか」(岡田克也民進党代表)などと批判が出ている。政府内からは「こんなに早く突入するとは思っていなかった。もっとこう着状態が続くと思っていた」との声も漏れた。

 記事を纏めてみる。

 (1)日本時間7月2日未明(現地時間7月1日夜)にダッカ人質邦人等殺害テロ事件発生。

 他の記事は日本時間7月2日午前0時半頃、(現地時間7月1日午後9時30分頃)となっている。
 
 (2)安倍政権は事件発生から5時間後の日本時間7月2日午前6時頃には複数の日本人が事件に巻き込まれた可能性を把握。
 (3)省庁横断でテロ関連情報の収集・分析に当たる「国際テロ情報収集ユニット」メンバーを現地に派遣。

 「国際テロ情報収集ユニット」とは「Wikipedia」によると、組織の本部は外務省に設置、外務省、警察庁、防衛省、公安調査庁、内閣情報調査室から派遣対象国の語学や地域情勢に詳しい約20人をスタッフとして選抜、北アフリカ、中東、西南アジア、東南アジアの4班に別れて現地の大使館に赴任、情報収集と各国情報機関との連携を図る目的で2015年12月8日に発足したとなっている。

 この4個所の海外拠点は別記事によると、エジプトのカイロ、ヨルダンのアンマン、インドのニューデリー、インドネシアのジャカルタとなっていて、上記記事が「同ユニットメンバーを現地に派遣した」と書いてあるのはインドネシアのジャカルタからの派遣なのだろう。

 2015年12月8日付発足の対テロ対策組織は外務省設置の「国際テロ情報収集ユニット」だけではない。《国際テロ情報収集・集約体制の強化》(内閣官房・外務省/平成27年12月8日)のページには既設の「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」(本部長内閣官房長官)に「国際テロ情報収集・集約幹事会」(議長:内閣官房副長官)を新設、さらに内閣官房に「国際テロ情報集約室」(室長内閣官房副長官)を新設して、二重三重のテロ対策網を構築している。 

 そしてこの記事には、「邦人が犠牲となった国際テロ事案等」の欄の最初に、〈2013年1月 在アルジェリア邦人に対するテロ事件。邦人10名が死亡。AQIM(イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ)関連組織が犯行声明。〉とあり、最後に、〈2015年10月 バングラデシュ・ロングプール,邦人1名が射殺。「イスラム国バングラデシュ」と称する組織名が犯行声明。〉と記述されている。

 当然、バングラデシュも安倍内閣の既設・新設を問わないテロ対策機関の情報収集と現地情報機関との連携の対象国となっていたことになる。

 尤も日本の対テロ組織用の情報機関がいくらバングラデシュの情報機関と連携を図ろうと、バングラデシュの情報機関が今回のテロ事件を把握していなかったのだから、その情報が日本側に回ってくるはずはないが、しかし襲撃現場に派遣された治安部隊は事件発生後の経過を刻々とバングラデシュ政府内の治安本部に連絡するだろうから、犯人側から何らかの要求があったのか、なかったのか、人質解放を優先させるのか、アルジェリア邦人等人質殺害テロ事件のように武力制圧を優先させるのか、本部に無線や携帯電話等を使って情報を求めていいはずだが、「国際テロ情報収集ユニット」メンバーを多分、インドネシアからダッカへ派遣したが、何の情報も得ることができないままにメンバーが現地入りしたものの、その前に治安部隊が武力制圧の作戦を開始、突入に間に合わなかった。

 この日本の「国際テロ情報収集ユニット」とダッカの情報機関、あるいは治安機関との連携はどうなっていたのだろうか。どのような内容の連携だったのだろうか。

 そして何よりも問題なのは、長期戦になることだけを想定していたことである。政府関係者等の発言がそれを証明している。

 政府関係者「アルジェリア事件のような長期戦に備え、ユニットをまず送り込むことが重要だった」

 政府関係者「こんなに早く突入するとは思っていなかった。もっとこう着状態が続くと思っていた」

 要するにアルジェリア事件の経過のみを学習対象として、その学習をマニュアル(=学習材料)とし、今回のダッカ事件に備えるための対テロ危機管理を構築していた。

 この構築を裏返すと、ありとあらゆるケース・展開を想定して、その中から今回のダッカ事件の進行に応じてケース・展開を絞っていく、柔軟で臨機応変の危機管理方法を採っていなかったことになる。

 採るためにはレストラン内部の犯人側の動きは知ることができなくても、バングラデシュ政府側の動きを知るためにその情報機関か治安機関と同時併行的に密に連絡を取り合わなければならない。

 だが、取らなかったために武力制圧に出るのか出ないのか、その動きすら情報として把握することができなかった。

 どう見ても最初からアルジェリア事件の長期戦を想定・マニュアルとした、そのことだけに限定した、いわば超マニュアル主義な対テロ危機管理に陥っていたようだ。

 だから、官房長官の菅義偉は急には大した動きはないだろうと踏んで、国家安全保障会議まで欠席して午前10時前に首相官邸を留守にして新潟県の自民党候補の参院選応援に駆けつけることができた。

 外務省や内閣官房に二重三重のテロ対策機関を設置し、海外の4個所に現地拠点を築いてテロに関わる情報収集と各国情報機関との連携を図るテロ対策を打っていながら、日本人を人質としたテロ事件がいざ発生すると、現地の情報(=動き)を参考にしないままにアルジェリア事件をマニュアルとした危機管理限定で対応する。

 柔軟な想像力(創造力)をどこにも窺うことができないと言うことだけではない。テロ対策機関そのものが機能不全の状況を呈していた。

 菅義偉がダッカテロ事件が進行中でありながら、国家安全保障会議を欠席して新潟へ自民党候補選挙応援のために出かけたことが危機管理を見誤ったためだとしても、事件が進行中であることに変わりはないのだから、内閣の要たる官房長官が官邸を離れたのは、例えその間に日本人を含めた人質が殺害されなくても、あるいは殺害されていなくても、何事も、特にテロ事件は不測の事態を想定、そのことに備えなければならないのだから、人質となっている日本人の安否よりも選挙遊説を優先させた事実に何ら変更を加えることはできない。

 安倍晋三がテロとの戦いを言い、テロには屈しないと言っている裏で安倍政権のテロ対策機関は機能不全に陥り、硬直した超マニュアル主義な対テロ危機管理に侵されていた。

 事件終了後に政府専用機で遺族を乗せて現地に飛び、遺体を日本に運ぼうと、あるいは遺族に高額な弔慰金を支払おうと、こういったことで帳消しにできる政府のヘマではないはずだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダッカ邦人等殺害テロ事件:安倍晋三のエジプト演説がターニングポイントとなった日本人の攻撃対象入り

2016-07-05 08:38:51 | Weblog

 今回の7人の武装集団によるダッカ邦人等殺害テロ事件は20人の犠牲者を出した。国籍別内訳はイタリア人9人、日本人7人、バングラデシュ人3人(1人は米国との二重国籍)、インド人1人となっている。 

 バングラデシュは長らく日本人に親近感を持つ親日国だと言われていた。だが、日本人を攻撃対象から除外する意思はなかったようだ。逆に日本人を7人纏めて殺害したということは明確な意志を持って敵視対象に含めていたということなのだろう。

 「イスラム国」7月3日、「イタリア人を含む十字軍(対IS有志国連合)22人を殺害した」と犯行声明を出したのに対してバングラデシュのカーン内相は襲撃犯は国内の過激派グループで過激派組織「イスラム国」とは無関係としている。その情報分析に妥当性があったとしても、日本人が7人も殺害されたということはイスラム過激派から攻撃対象としての烙印を押されたも同然であろう。

 バングラデシュでは昨年2015年10月3日に60代の在留邦人が何者かによって射殺され、「イスラム国」が犯行声明を出したが、バングラデシュ政府はそのときも関連性を否定している。

 しかし今回の邦人殺害で、少なくともバングラデシュ国内のイスラム過激派からは日本人は親日国の国民という評価から外されて、自分たちの主義・主張を誇示するための攻撃対象に格上げしたことは確かだ。

 例え「イスラム国」と直接関係なくても、精神的に傾倒すれば、テロの規模に憧れて大きなことをしてやろうという野心が湧き、見習うことになって、その挑戦を以て自らの正義とすることは否定できない。

 バングラデシュ国内のイスラム過激派が「イスラム国」と最低でも精神的な繋がりを持っているとすると、日本人を攻撃対象に加えることになたターニングポイントはやはり安倍晋三が2015年1月17日に行った中東政策スピーであろう。

 このことは前出のバングラデシュでの国内イスラム過激派による60代の在留邦人殺害(2015年10月3日)を扱った当ブログ――《バングラデシュ邦人殺害は安倍晋三の中東政策スピーチが遠因の「イスラム国」指令の忠実な実行と援護射撃 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》でも扱ったが、改めて安倍晋三の中東政策スピーチを見てみる。  

 「スピーチ」そのものは首相官邸サイトに載っている。 

 安倍晋三「中東の安定を、私たちがどんな気持ちで大切に思い、そのため力を尽くしたいと念じているか、意欲をお汲み取りください。

 2年前、私の政府はこの考えに立って、中東全体に向けた22億ドルの支援を約束し、これまでにすべて、実行に移しました。本日この場で皆様にご報告できることは、私にとって大きな喜びです。

 ・・・・・・・・・・・

 イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと戦う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」――

 このとき既に湯川遥菜さんと後藤健二さんの二人の邦人がイスラム国に拘束されていて、「イスラム国」は後藤健二さんの妻に身代金を要求、日本の外務省が対応していた。

 「ISILと戦う周辺各国に支援を行う」、「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです」

 この発言を以って「イスラム国」が自らに対する挑戦、もしくは宣戦布告と取ったとしても不思議はない。

 中東スピーチから3日後の2015年1月20日、インターネット上に人質2邦人の姿を写した動画を掲載、日本政府に対して身代金要求の声明を掲載した。要求対象を後藤健二さんの妻から日本政府に変えたのである。

 「日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、イスラム国に対する十字軍に進んで参加した。我々の女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した。だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる。

 日本国民へ。日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。2人の命を救うため、政府に2億ドルを払う賢い決断をさせるために圧力をかける時間はあと72時間だ。さもなければ、このナイフが悪夢になる」

 この時点で日本政府は「十字軍」の一員に加えられた。

 そして2015年1月24日午後11時、後藤さんの写真が映った静止動画がインターネットに流れ、湯川を殺害したというメッセージが表示されて、「イスラム国」は日本政府が身代金を払わないと見たのか、2005年にヨルダンの首都アンマンで発生した爆弾テロ事件の実行犯としてヨルダンに収監中の死刑囚サジダ・リシャウィと後藤健二さんの1対1の交換釈放と、ヨルダン政府が要求に応じなければ、ヨルダンが解放を求めているヨルダン空軍F16戦闘機パイロットのムアズ・カサースベ中尉]を後藤さんより先に殺害すると警告した。

 ヨルダン政府は中尉の生存証明を求めたが、「イスラム国」は応じず、結局のところ日本時間の2015年2月1日午前5時過ぎ、「イスラム国」は後藤健二さんを殺害したとする動画を声明文と共にインターネット上に投稿した。

 「日本政府はおろかな同盟国や、邪悪な有志連合と同じように『イスラム国』の力と権威を理解できなかった。我々の軍はお前たちの血に飢えている。安倍総理大臣よ、勝てない戦争に参加した向こう見ずな決断によってこのナイフは後藤健二を殺すだけでなく、今後もあなたの国民はどこにいても殺されることになる。日本の悪夢が始まる」――

 日本政府に対してだけではなく、日本人に対しても宣戦布告を行った。

 安倍晋三のエジプトスピーチが「イスラム国」によって脅迫の口実されたとしても、そういう指摘があるが、この声明文が「イスラム国」のテロに心酔する同類の中東内外のイスラム過激派にとっては、あるいは「イスラム国」に精神的な繋がりを見ている中東内外のイスラム過激派にとっては日本人を攻撃対象に加える学習を行い、それを自らの正義としたとして、妥当性はないとは言えないはずだ。

 中東でもアジアでも親日国となっていて評判が良かった日本人を攻撃対象に加えることになったターニングポイントを求めるとしたら、安倍晋三が2015年1月17日に行った中東政策スピーを措いて他にはないはずだ。

 そしてそのことが2015年10月3日にバングラデシュでイスラム過激派によって60代の在留邦人が射殺されたときに既に始まっていたということではないだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダッカテロ事件中の菅義偉の官邸留守は日本人の安否よりも選挙応援優先の、安倍晋三のゴルフ優先の繰返し

2016-07-04 08:54:37 | 政治

 安倍政権で再び同じ事例が起きた。前後同じ事例であることを示すために、“前”の方は後まわしにして、“再び”の方から見てみる。

 バングラデシュの首都ダッカでラマダン(イスラム教の断食月)最後の金曜日の現地時間7月1日午後9時30分(日本時間2日午前0時半)頃、7人の武装集団がレストランを襲撃。客を人質に建物内に立てこもった。

 約10時間後の現地時間7月2日午前7時40分前後、治安部隊約100人が突入。銃撃戦は約1時間続き、突入作戦は現地時間7月2日午前8時半前後(日本時間午前11時半前後)に終了。

 各マスコミ記事を纏めると、以上のようになる。

 安倍晋三は7月2日は北海道での参院選遊説を予定していたが、急遽取りやめて、午前9時過ぎに官邸に入り、記者からの質問を受けてから、午前11時半から国家安全保障会議を開始している。

 終了したのは午前11時44分。たった14分間の会議である。

 安倍晋三が自然災害等を含めて国家安全保障会議を開く場合にいつも行うように情報の収集、事実関係の確認の指示、さらに関係省庁、あるいは出先機関と、今回の場合は関係各国と緊密に協力して人命第一・人命優先で対応すること等の指示を行った程度なのだろう。

 ところが国家安全保障会議の関係閣僚の一人である内閣の要の官房長官である菅義偉が新潟県内2カ所で予定していた自民党候補応援の街頭演説のために午前10時前に新潟に向けて官邸を出発、午前11時半からの国家安全保障会議を欠席、午後6時過ぎまでの約8時間、官邸を空けたと「東京新聞」が伝えている。  

 午前10時前と言うと、治安部隊約100人が突入作戦を開始した日本時間午前11時半前後(現地時間7月2日午前8時半前後)の1時間か1時間半前ということになる。

 勿論、菅義偉にしても安倍晋三にしても他のどの閣僚にしても、治安部隊が突入する時間を知る由もなかったろう。

 だが、菅義偉は7月2日午前8時半の臨時記者会見で人質に日本人が含まれている可能性に言及している。午前8時半の段階で菅義偉はその情報を既に把握していた。 

 上記「東京新聞」は菅義偉のこの欠席に岡田民進党代表が「危機管理への正常な感覚が失われている。官房長官としてきちんと責任を取らないといけない」と問題にしたことを伝えている。

 官房長官の午前と午後1回ずつの恒例となっている記者会見の7月2日午後の記者会見は官房副長官の萩生田光一が代理を務めていて、記者からこの危機管理の問題について質問を受けている。  

 記者「危機管理態勢で伺う。先ほどの記者会見でも危機管理態勢に全く問題なかったと説明していたが、官房長官自らも対応に当たるべきだという意見も出ている。官房長官は先ほど参院選のために新潟に行ったが、批判の声も出ているが」

 萩生田光一「朝に事件の概要等々の第一報を受けてから、その対応を相談し、国内でできることの確認をした上で現地からの報告を待って、その後の対処をすることになっていたので、その時点ではその事態の中身についての詳細は分からなかった。その上で今朝も説明したが、内閣法で定める官房長官の出張時の手続きを踏んで私が官房長官の代行として官邸に残っているし、また、安倍首相自らも日程を変更して、官邸におり、外相もいるので、官房長官の出張は何の問題もないということ、お出かけいただいたところだ」――

 後段の「内閣法で定める官房長官の出張時」云々は手続きの問題に過ぎない。手続きさえ規則通りを踏んでいれば何も問題はないとすることはできない。そのときに代理を置いて官邸を離れる・離れないの判断の適否の問題が残る。

 その適否は前段の発言によって証明されることになる。

 「朝に事件の概要等々の第一報を受けてから、その対応を相談し、国内でできることの確認をした上で現地からの報告を待って、その後の対処をすることになっていたので、その時点ではその事態の中身についての詳細は分からなかった」――

 要するに日本政府は交渉当事国ではないから、現地では直接的には何もできないという非交渉当事国として担わされている制約を前提に、「国内でできること」は現地から送られてくる情報を追認して、そのことに応じて「国内でできること」を行うことのみで、その後のことにしても、その後の情報に応じて「国内でできること」をすることを確認していたが、菅義偉が新潟遊説に向けて官邸を離れる7月2日午前10時前の時点では、「その事態の中身についての詳細は分からなかった」のだから、「国内でできること」が限られている点も踏まえると、何ら問題はなかったとしている。

 このことは木走正水(きばしり・まさみず)なる人物が、どんな人物か知らないが、岡田代表の危機管理上問題があるとする発言を批判して、「民進党」が抱える集団的”病理”を象徴する岡田代表の無理筋な政府批判」と題した8月3日付の「BLOGOS」でも同じことを言っている。

 「まず今回のバングラディッシュで発生したテロ事件において、日本政府がこのタイミングで取れる対応は実に限られていたわけです、安倍首相がバングラデシュのハシナ首相と電話会談し「人命最優先で対応を」と要請いたしましたが、他に具体的なすべは何もなかったことでしょう。

 これは別に日本政府だけではない、今回犠牲者を出した国ではイタリア人9人、米国人、インド人も犠牲になられたわけですが、このようなソフトターゲットを狙った海外で起こった突発的なテロ事件に対しては、情報収集以外はどの国も事実上打つ手はなかったわけです」――

 要するに非交渉当事国の制約に言及して、菅義偉の官邸留守を擁護している。

 但し萩生田光一と木走正水の菅義偉擁護論は実務上の妥当性からのみ見た偏った擁護論となっている。内閣法に則って副官房長官を代理として官邸に残した、国内でききることは限られている、官房長官が官邸を離れる「時点では事態の中身についての詳細は分からなかった」等々、実務面からのみ適否を判断している。

 国民の生命財産を与る内閣の一員である以上、テロ集団に拘束され、人質とされてその生命の危険が差し迫った状況に置かれているであろう、それゆえに殺害される可能性も危機管理上想定しなければならない日本人の安否を伝えることになるあらゆる情報に全神経を集中させなければならないときに官邸を留守にした。

 日本人の安否よりも選挙応援を優先させたのである。

 このような危機管理が、あるいは政府要人としても、存在するだろうか。

 最初に安倍政権で再び同じ事例が起きたと書いたが、ブログ題名が「安倍晋三のゴルフ優先の繰返し」となっているから、既にお分かりであろう。何度もブログに書いてきた。

 2014年8月20日午前3時頃から40分にかけて広島市の安佐北区や安佐南区を襲った局地的な短時間豪雨は大規模な土砂災害を誘発、災害による死者は関連死3名を含む77名に上った。

 8月20日午前3時20分頃には広島市安佐南区山本の住民から住宅の裏山が崩れて、2階建ての住宅の1階部分に土砂が流れ込み、5人家族のうち子ども2人の行方が分からなくなったと消防に通報が入ったという。

 広島市消防局は子ども2人のうち1人が午前5時15分頃心肺停止の状態で発見されたと発表。

 心肺停止後、4~5分程度で脳は回復不可能な障害を負うと言われているが、2時間近くも土砂に埋まっていていたのだから、既に死んでいたにも関わらず、医師に限ってできる死亡宣言を待つための便宜的な心肺停止だったはずだ。

 その後8月20日8時47分発信の「NHK NEWS WEB」が、〈消防が捜索した結果、午前5時15分ごろ、このうち2歳の女の子が見つかり、心肺停止の状態になっていましたが死亡が確認されました。〉と伝えている。

 8時47分発信だが、それ以前の死亡確認であるものの、死亡宣言を待つための便宜的な心肺停止だと考えると、心肺停止で発見された時点で最初の死亡者と想定しなければならない。

 政府は8月20日4時0分に首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置、情報収集に当たった。

 当然、広島県を通して広島市消防局の最初の死亡者情報を把握していなければならない。

 その後、各地で同時多発的に土砂災害が発生、土砂崩れが起きた、住宅が土砂に流されたといった、押しつぶされたといった通報が広島市消防局にもたらされた。

 午前6時半、こういった災害発生の通報を受けてのことだろう、広島県は陸上自衛隊に災害派遣の要請を行った。

 そのとき安倍晋三は夏休みで山梨県の別荘に滞在、8月20日午前7時26分に富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」に向かい、ゴルフを開始した。

 勿論、官邸に設置した情報連絡室から安倍晋三に土砂災害の経過を知らせる情報を入れている。

 ゴルフを中止したのは午前9時19分。

 古屋防災担当相(当時)「最終的に死亡者が出た8時37分とか8分に総理にも連絡をして、その時点ではこちらに帰る支度をしてます」

 情報連絡室は8月20日午前3時20分頃に子ども2人が土砂に飲み込まれて、そのうちの1人が約2時間後の午前5時15分頃心肺停止の状態で発見され、そのご死亡が確認された情報は把握していたはずであるし、それ以後も多くの住民が土砂災害に遭遇している情報も把握していなければならないはずで、広島県の午前6時半の自衛隊派遣要請からも、犠牲者が出る可能性を想定しなければならなかったはずである。

 だが、古谷が「最終的に死亡者が出た8時37分とか8分に総理にも連絡をして」と、安倍晋三がゴルフを切り上げる時間を最初の死亡者が出る時間としていたかのように言っていることは安倍晋三自身が最初の死亡者が出る時間までゴルフのプレイを猶予させていたからであろう。

 それとも、古屋の方から既に死者が出ていることを伝えて、官邸に戻るよう促していたが、安倍晋三の方で8時半までゴルフをさせてくれと要求、仕方なく古屋が最初に死亡者が出たとする時間を安倍晋三がゴルフ場を切り上げる「8時37分とか8分」に無理やり合わせたか、いずれかであろう。

 安倍晋三は国民の生命財産を与る内閣のトップに位置している以上、広島市の住民の多くが土砂災害に現在進行形で遭遇し、その生命が危険に曝されているかもしれない刻々の瞬間に於けるそれぞれの安否に情報連絡室に構えて全神経を集中させなければならないときに富士河口湖町のゴルフ場でゴルフクラブを握っていた。

 広島住民の安否よりも趣味のゴルフを優先させたのである。

 この事例と同じことが今回のダッカ人質邦人等殺害テロ事件で菅義偉によって繰返された。

 何と言う生命財産に関わる国民に対する立派な危機管理であることか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三はダッカ飲食店テロ事件で「人命第一に」と指示、「人命第一」に二重基準があってはならない

2016-07-03 10:14:10 | 政治

 また悲惨なテロ事件が発生した。イスラム教のラマダン期間の最後の日となる現地時間7月1日夜(日本時間2日未明)金曜日、バングラデシュの首都ダッカの飲食店をイスラム過激派武装勢力が襲撃、客を人質にとって立てこもり、襲撃から約10時間後の午前8時前に治安部隊約100人が店内に突入、人質のうち13人は救助されたが、20人が死亡したという。

 犠牲者の中に日本人が含まれていなかったなら単なるテロ事件の一つとして報道されるのみで、さして関心を集めずに遣り過ごされていたのではないだろうか。

 それ程にも世界の各地で市民の中から少なくない、あるいは多くの犠牲者を出すテロ事件が発生している。武装した3人の男がトルコ・イスタンブールのアタテュルク国際空港で41人の犠牲者と200人以上の負傷者を出した自爆テロ事件はたった3日前の今年6月28日に発生したばかりである。

 トルコのテロ事件では幸いなことに犠牲者の中に日本人は含まれていなかった。

 但しこの「幸いなことに」という感想は他の外国の犠牲者に対しては失礼な感想になるが、同じ日本人の立場にあることと国内的にのみ許される思いであろう。

 事件後にトルコで、「幸いなことに日本人の中から犠牲者は出なかった」と言ったら、「日本人以外なら、犠牲者が出ても構わないことなのか」と反発と顰蹙を買うに違いない。

 もし日本人が犠牲者の中に含まれると、当然なことだが、日本国内では繰返し取り上げられることになって情報量と情報の反復回数が違ってくる。

 今回のバングラデシュのテロ事件では一人が救出されたのみで日本人犠牲者を7人も出した。

 次の「産経ニュース」(2016.7.3 01:27)が事件の経緯を詳しく伝えている。
  
 1.2016年7月1日午後9時半(日本時間2日午前0時半)頃武装集団が飲食店を襲撃、客を人質に立てこもる。
 2.約10時間後の2016年7月2日朝、治安部隊100人が現場に突入、日本人男性1人を含む13人を救出。
 3.その後、同国軍関係者が実行犯6人を射殺、1人を拘束、人質20人が死亡したと発表。
 4.7月2日夜、官房長官の菅義偉が記者会見で日本人男性5人と女性2人の死亡を確認したと発表。

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)系メディアが犯行声明を出したが、真偽は不明としている。

 記事は激しい銃撃戦となったということ、安倍晋三が6月2日、バングラデシュのハシナ首相と電話会談し、「非道な行為は、いかなる理由でも許されず、断固として非難する」と述べ、同国への連帯を表明したことなどを伝えている。

 人質のうち20人死亡、救出13人となっている。合計33人が人質となったことになる。

 日本人以外の犠牲はイタリア人9人の犠牲、バングラデシュ人、韓国人、インド人等となっている。 

 事件を伝え聞いた安倍晋三は6月2日午前9時過ぎに首相官邸に入っている。例の如く記者が取り囲む。

 安倍晋三「バングラデシュのダッカで発生したレストランにおける武装グループの襲撃・人質事件に日本人が巻き込まれている可能性があり、私から、情報収集と事実関係の確認、バングラデシュをはじめ、関係各国と緊密に連携して人命第一に対応するよう指示した」(NHK NEWS WEB

 「人命第一」を指示した。

 だが、日本は交渉当事国ではない。今回はバングラデシュ政府が交渉当事国であり、治安部隊、もしくは警察の対テロ集団対応と共にテロ集団の人質に対する扱いが人質の生殺与奪の権を握ることになるから、皮肉な言い方をすると、安倍晋三は「人命第一」を言っていればいい。

 もし日本人の犠牲者が出たなら、「人命第一の対応を指示したが、願いが叶わなかった」と言えば、済む。

 2013年1月16日にアルジェリアの天然ガス精製プラントをイスラム過激派集団が襲撃、多数の外国人従業員と共に日本人11人を人質に取り、そのうち10人が犠牲となったテロ事件でも、交渉当事国はアルジェリア政府であり、安倍晋三はアルジェリア首相と2度電話会談し、人命最優先(=人命第一)を申し入れている。

 だが、5日後の1月21日、アルジェリア軍の特殊部隊がテロ集団制圧の軍事作戦を決行、軍のヘリコプターまで使って突入、8カ国合わせて37人が死亡、そのうち日本人が4分の1近い10人が犠牲となった。

 交渉当時国でなければ、手も足も出ない焦りはあっても(安倍晋三に焦りがあったとは思えないが)、自国民から何人の犠牲者を出そうと、非交渉当事国の国家権力者としては突入の結果そのものについては一切の責任を免れることができる。

 このことは今回のバングラデシュのテロ事件についても同じことを言うことができる。そして現実にもそうなった。

 それ以外の責任を指摘するなら、外務省が自身の「海外安全ホームページ」で2016年5月30日の日付で、《イスラム過激派組織によるラマダン期間中のテロを呼びかける声明の発出に伴う注意喚起》と題して在外邦人に警戒を要請している点に手抜かりはなかったか検証しなければならない。  

 文飾は当方。

 次のように警戒を要請している。〈5月21日,イスラム過激派組織ISILは,ラマダン期間中のテロを広く呼びかける声明をインターネット上に公開しました。同声明では,特に欧米諸国におけるテロの実行を呼びかけており,民間人を対象としたいわゆる一匹狼(ローンウルフ)型のテロの発生も懸念されます。本年については,6月6日頃から7月5日頃までが,ラマダン月(イスラム教徒が同月に当たる約1か月の間,日の出から日没まで断食する)に当たります。また,ラマダン終了後には,イードと呼ばれるラマダン明けの祭りが行われます。〉

 そして、〈ISILは,昨2015年のラマダン月(6月18日頃~7月17日頃)においても,同様の声明を発出しています。〉と2年続きであることを伝えると同時にその声明が決して“狼と少年”ではないことの証明に2015年のラマダン期間中のテロ事件を列挙している。

 ・フランス:東部リヨンにおけるテロ事件(6月26日)
 ・クウェート:シーア派モスクにおける自爆テロ事件(6月26日)
 ・エジプト:カイロ郊外における検事総長殺害テロ事件(6月29日)
 ・マリ:北部における国連車列襲撃テロ事件(7月2日)
 ・ナイジェリア:北部及び中部での連続爆弾テロ事件(7月5日~7日)
 ・エジプト:カイロ市内のイタリア総領事館前での爆弾テロ事件(7月11日)

 以上のテロ事件を見ると、〈特に欧米諸国におけるテロの実行を呼びかけており〉と注意喚起している欧米諸国はフランスのみである。 

 外務省がもし欧米諸国のみへの注意喚起に重点を置いていて、バングラデシュのような中進国を問題外とし、ダッカの日本大使館に在留邦人に対してラマダン期間中の外出の注意や、あるいはバングラデシュ政府に直接ラマダン期間中の人が集まる場所のいつも以上の警戒を呼びかけていなかったとしたら、注意喚起に手抜かりがあったことになって、その責任は検証されなければならない。

 今回のバングラデシュ首都ダッカのテロ事件に於ける日本人の7人の犠牲は、日本政府高官が「バングラデシュ政府の説明では、7人は治安部隊の突入前に殺害されており、突入時の被害ではない」と明かしたと「時事ドットコム」が伝えている。

 これが事実としたら、突入を強行した治安部隊にも責任はなく、殺害の一切の責任はテロ集団にあることになる。

 別の「時事ドットコム」が店の従業員が英紙ガーディアンに語った話として、「実行犯は2階に上がり、そこから乱射した」こと、パニックで逃げ切れなかった客ら30人以上が残され、人質となったことを伝えている。  

 そして人質の扱いとして、〈地元紙デーリー・スターによると、娘の誕生日を祝うため家族で店を訪れ、事件に遭遇した男性は「実行犯はバングラデシュ人には丁重だった。(イスラム教聖典)コーランの一節を暗唱できるか1人ずつ尋ね、できた人質は難を逃れた」と証言した。〉と解説している。

 と言うことは、日本人7人は暗唱できなかったために治安部隊が突入する前にその場で殺害されたことになる。

 では、負傷で救出された日本人1人はコーランの一節を暗唱できたのだろうか。それとも暗唱できずに襲撃されたが、一命を取り留めることができたということなのだろうか。
 
 疑問が残るが、国家権力が自らを正当化するために事実をデッチ上げるということもある。突入の指示の間違いないことの証明のために突入前にテロ集団に殺害されていたとすれば、全て都合よくいく。

 今回のテロ事件は交渉当事国は日本政府ではなく、バングラデシュ政府にあったが、例え交渉当事国が日本政府であろうとなかろうと、邦人人質事件で「人命第一」に二重基準があってはならないはずだ。

 2015年6月にシリアで行方不明となり、その後国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線に拘束されていることが判明し、日本政府に身代金を要求しているとされているフリージャーナリスト安田純平さんに関しては交渉当事国は日本政府である。

 今年に入って3月16日に安田さんの映像がインターネットに公開され、拘束している過激派の名前は出さなかったが、囚われの身であることを英語で伝えている。

 翌6月17日午前の記者会見で菅義偉は「身代金の要求は承知していない。接触については事柄の性質上控えたい」と発言している。

 だが、6月17日付の「共同47NEWS」記事が映像をネット上に公開したシリア人男性は、〈イスラム過激派「ヌスラ戦線」が、身代金を求めて日本政府に交渉を要求し、約4カ月前から接触を繰り返していたと語った。共同通信の電話取材に対して述べた。犯人側が映像公開に踏み切ったのは、日本側が安田さんの「生存証明」を求めたためだという。〉と伝えている。    

 だが、1年が経つというのに、日本政府と「ヌスラ戦線」との間でどう交渉が行われているのか、交渉がどの程度進展しているのか、あるいは交渉が行われているのかどうかも一切見えてこない。

 一方で同じ「ヌスラ戦線」に拘束されたスペイン人ジャーナリストが2016年5月に約10カ月ぶりに解放された。「スペイン政府が身代金約370万ドル(約4億円)を支払ったとの報道がある」との「毎日新聞のインタビュー」に対して「知らない」と答えたという。  

 もし身代金を支払わずに解放されたなら、安田純平さんも解放されていいはずである。

 もし身代金を支払わずに解放されたなら、なぜスペイン人ジャーナリストは10カ月もの間拘束を受けていたのだろうか。安田純平さんを1年も拘束している意味も失う。ネット上に安田さんの映像を公開したことも意味を失う。

 どう考えても、安倍政権はテロ集団と身代金交渉をしない姿勢でいるとしか見えない。

 だとしたら、邦人人質事件で「人命第一」に二重基準を設けていることになる。

 安田純平さんはトルコからシリアに入ったそうだが、外務省が渡航手続きを受けるとき、その人名と職業から把握していた経歴に関わる情報に基づいて、例え過激派集団に拘束されたとしても政府は身代金交渉に応じませんと伝え、その確認として念書でも取っていたのだろうか。

 念書を書かなければ、渡航を許可しないと。そしてこの念書にはこのことを口外しない約束も書かせていたとでもいうことなのだろうか。

 と言うことなら、安田さん拘束から1年も経過するのに政府と「ヌスラ戦線」との間の交渉が一切見えてこないことも納得がいく。

 だとしたら、邦人人質事件が起こるたびに安倍晋三は「人命第一」と言い、「人命最優先」を言うが、そこに二重基準のゴマカシを隠していることになる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロ下院議長は安倍晋三との会談でもオバマ広島謝罪なしを非難したのだろうか、した場合どう応じたのだろうか

2016-07-01 08:34:11 | Weblog

 半月も前の記事の話になるが、6月16日、プーチンの側近ナルイシキン下院議長が日本を訪問、その夜安倍晋三と会談した。マスコミは会談内容をナルイシキンと安倍晋三が9月に極東ウラジオストクで開催が予定されている日ロ首脳会談や首相が打診した地元山口県への大統領訪問に向けて調整したのではないかと憶測している。

 安倍晋三の対ロシア関係進展の一つ一つがウクライナに対するロシアの力による現状変更を容認し、米EUの対ロ制裁破りとなっている。

 こういった裏切り行為が北方四島が返還されるなら国内向けには許されもするが、返還されることはないだろう。

 プーチンは学んでいるはずだ。広大な領土と強大な国家権力を持った旧ソ連を偉大な存在と崇めて、そこへの回帰を目指す大ロシア主義に取り憑かれたプーチンがその領土的野心を満たし、ロシアの大国化を目指せばアメリカと衝突するということを。

 衝突した場合の太平洋側の軍事的備えとして、北方四島は必要不可欠な存在となっている。そのための軍事基地化の進めであり、1ヘクタールの土地を無償で提供し、5年間、農地等として使えば、正式に所有を認めるとする2016年5月2日成立の北方領土を含めた極東の土地贈与法を用いた北方領土への入植のススメであろう。

 ナルイシキンは翌6月17日、東京都内で記者会見を行った。既に記事が削除されている「NHK NEWS WEB」記事から発言等を拾ってみる。

 6月16日の安倍晋三との会談で、終戦直後にソビエト軍が広島と長崎の被爆地の状況を撮影した映像を手渡したことを明らかにしたうえで、広島を訪れたアメリカのオバマ大統領が原爆投下を謝罪しなかったことを非難したという。

 安倍晋三との会談でも、オバマの謝罪なしを非難したのだろうか。した場合、安倍晋三はどう応じたのだろうか。

 ナルイシキン「原爆投下によって数十万人が犠牲になったことは誠に遺憾だ、被爆者に謝罪しなかったことに驚いている。アメリカの軍人と政治家は犯罪の責任がある」

 この言葉はそっくりナルイシキンに返さなければならない。日本と旧ソ連との間で締結し、1941年4月から1946年3月まで5年間有効とした日ソ中立条約を一方的に破棄、1945年8月9日未明に満州に侵攻、対日参戦を敢行した。

 この戦闘による双方の死者は1万人を超えていないが、「Wikipedia」には次のような記述がある。

 〈満州からの引き揚げ者の犠牲者は日ソ戦での死亡者(筆者注:民間邦人のこと)を含めて約24万5000人にのぼり、このうち8万人近くを満蒙開拓団員が占める。満州での民間人犠牲者の数は、東京大空襲や広島への原爆投下、さらには沖縄戦を凌ぐ。〉

 犠牲者は引揚者ばかりではない。日本軍捕虜50万人のソ連内の捕虜収容所へ移送・強制労働が行われ、多くの犠牲者を出した。

 この犠牲者数についての「Wikipedia」の記述を見てみる。
 
 〈日本側の調査による死者名簿には約5万3千人が登載されている。ソ連側(現ロシア政府)はこれまでに約4万1千人分の死者名簿を作成し、日本側に引き渡している。従来死者は約6万人とされてきたが、実数については諸説ある。

 近年、ソ連崩壊後の資料公開によって実態が明らかになりつつあり、終戦時、ソ連の占領した満州・北鮮・樺太・千島には軍民あわせ約272万6千人の日本人がいたが、このうち約107万人が終戦後シベリアやソ連各地に送られ強制労働させられたと見られている。アメリカの研究者ウイリアム・ニンモ著『検証-シベリア抑留』によれば、確認済みの死者は25万4千人、行方不明・推定死亡者は9万3千名で、事実上、約34万人の日本人が死亡したという。〉――

 日本軍が満州や朝鮮在留の邦人保護を放棄したことも日本国家の犯罪だが、ソ連が中立条約を破棄して満州を侵攻したことを間接原因とした引揚げ中の民間邦人犠牲約24万5000人、シベリア抑留者軍民合わせて約34万人の犠牲は明らかにソ連による国家犯罪である。

 ロシアのエリツィン大統領が1993年10月に訪日した際、「非人間的な行為に対して謝罪の意を表する」と表明したということだが、歴代国家権力者は謝罪の意思を引き継いでいなければならない。

 当然、ナルイシキンはオバマの広島での謝罪表明がなかったことを批判するなら、旧ソ連の日ソ中立条約の一方的破棄、満州や朝鮮からの邦人引揚者の犠牲、シベリア抑留の日本軍民犠牲を旧ソ連の国家犯罪と認め、「ロシアの軍人と政治家は犯罪の責任がある」と、その責任を国家権力の立場にある者として引き継ぐ意思を示して謝罪することが前提となる。

 ナルイシキンは安倍晋三との会談で、旧ソ連の日本に対する国家犯罪を謝罪したのだろうか。謝罪せずにオバマを批判したのだろか。 

 もし謝罪せずにオバマだけを非難したなら、安倍晋三はどう応じたのだろうか。

 それともオバマ非難は17日の記者会見の中だけのことだったのだろうか。

 日米分断の意思がないわけではないから、安倍晋三に直接オバマ非難を伝えなければ意味はない。

 その非難に対して安倍晋三は大戦時の旧ソ連の日本に対する国家犯罪を引き合いに出して、「あなた方も謝罪を引継いで貰いたい」とでも穏やかに諭したのだろうか。

 諭したとしたら、安倍晋三も国家権力を引き継ぐ立場の人間として日本の戦前国家が侵略戦争を引き起こし、日本国民ばかりか、多くの外国の国民を犠牲にした日本の国家犯罪を謝罪する意思を受け継がなければならないことになる。

 だが、安倍晋三は侵略戦争と認めていないのだから、謝罪する意思を受け継ぐべくもない。

 かつての満州の日本軍は邦人保護を放棄して、多くの犠牲者を出した。現在の自衛隊にしても、窮地に陥ったなら、邦人保護を放棄しない保証はない。邦人保護のために自衛隊が更に窮地に陥る事態を覚悟して保護できるか、自分たちだけが窮地を脱することを選択するのか、どうも戦前同様に後者に見えてくる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする