安倍晋三は自衛隊員が海外でテロ集団に拘束された場合、身代金要求に応じずにやはり見殺しにするのだろうか

2016-03-24 08:46:30 | 政治

 昨日のブログに続いて、今日も2016年3月21日安倍晋三の「防衛大訓示」の問題点を取り上げてみる。どうも口先だけの発言が多いように見える。 

 安倍晋三「北朝鮮が、核実験に続き、弾道ミサイルの発射を強行しました。挑発行為が繰り返されています。我が国の安全に対する直接的かつ重大な脅威であり、断じて容認できません。

 我が国の南西方面では、領空への接近や領海への侵入が繰り返されています。国籍不明機に対するスクランブルは、この10年間で7倍にも増加し、外国艦船の活動も拡大の一途にあります」

 日本を取り巻く安全保障環境の厳しさが増してきていることを訴えてから、続けて次のように発言している。

 安倍晋三「テロの脅威は、世界中に広がり、深刻さを増しています。昨年は、日本人も、その犠牲となりました」

 昨年の2人の日本人の犠牲に関してはこれだけしか触れていない。国民の生命・財産を与る政府のトップとして救出に力となることができなかったせめてもの済まなさ、そして2人の無残にも失われた命への惜しみを微塵も見せずに犠牲の事実のみを味も素っ気もなく機械的に伝えている。

 尤も機械的な簡単過ぎる文言で片付けたのは、テロ集団に対しては身代金要求には応じない姿勢で臨むことは一切国民に伝えず、そういった姿勢は見殺しにする選択肢も想定していただろうし、結果としてそうなったから、隠したいことが一杯あって、モノ扱いのような機械的な文言にならざるを得なかったのだろう。

 今年6月に取材でシリア国内に入ったあと行方不明となったフリージャーナリストの安田純平さんがイスラム過激派「ヌスラ戦線」に拘束されていることがその映像の3月16日のネット公開で判明、去年暮れ頃から身代金を要求して日本政府と交渉していることと、映像公開は日本側が安田さんの「生存証明」を求めたためだと仲介役のシリア人男性が語ったと「47NEWS」が伝えているが、身代金支払いの有無をカギとした交渉の過程が今以て見えてこないのは安倍政権に昨年の2人の日本人同様に身代金交渉に応じる意思がなく、実際にもそのような交渉に応じていないからであるはずだ。   

 事実その意思がないことを「asahi.com」記事が官邸幹部の発言を介して伝えている。  

 「向こうの要求に乗るようなことはない」

 当然、安田純平さんの場合も見殺しにするケースを選択肢の一つとしているはずだ。そのような選択肢を想定せずに身代金要求に応じない姿勢を示すことはできない。
 
 問題は今後海外活動の増加が予想される自衛隊員が活動の過程でイスラム過激派のテロ集団に拘束されて解放の条件に身代金を要求された場合の対応を安倍政権をどう想定しているかである。

 身代金要求交渉に応じた場合、応じるだけでも一般国民に対する扱いと二重基準を設けることになるが、カネを払って自衛隊員の解放を成功させたなら、自衛隊員(=軍人)を特別扱いすることになる。

 いや、一般国民の命よりも自衛隊員のそれを上に置くことになる。上に置いて、一般国民の命よりも国家にとってより価値ある命とすることになる。

 このような軍人の特別扱いは戦前日本なら許されただろうが、現在の国民は許しはしないはずだ。

 安倍晋三は自衛隊の最高指揮官として自衛隊員がテロ集団に拘束され、身代金を要求されるケースが生じる危機管理を想定していなければならないから(想定していないとしたら、指揮官としての資格を失う)、当然、国民と同様に扱うのか、二重基準を設けるのか、国民への説明責任を負っている。
 
 安倍晋三は同じ訓示の中で「いかなる状況にあっても、国民の命と平和な暮らしは、断固として守り抜く。これは、私たち政府にとって最も重い責任であります」と約束している。

 この「いかなる状況にあっても」「断固として守り抜く」と言っている「国民の命」とは有事が発生した場合の被害遭遇の国民全体(=被害者全体)の命に対する備えを言い、その備え通りに約束を果たすと言っているのか、例え被害遭遇が一人の場合でも、「断固として守り抜く」約束を意味させているのか、このことも明らかにしなければならない。

 前者の約束であるなら、一人残らずその命を守ることは不可能であることを歴史が証明している。後者であるとすると、テロ集団に拘束された2人の日本人を既に見殺しにしているのだから、その約束は既に破綻している。

 要するに安倍晋三は実際には出来もしないことを、あるいは実行する気もないことを国民への説明もないままに安請け合いして、口先だけで立派なことを言っていることになる。

 安倍晋三のこういった姿勢を踏まえると、我々国民の側にしても自衛隊員の命だけを特別扱いするのか、一般国民の命と同様に扱うのか、早急に知る必要があるはずだ。

 
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