安倍消費税発言

2006-10-11 05:34:08 | Weblog

 舌足らずではあるが、国民に公約した

 「消費税を言うことが正直なことなのか。消費税から逃げるつもりはありません。しかし消費税に逃げ込むつもりもありません。ムダ遣いを削減する方が先ではないか」

 安部センセイ、威勢がよいまでに歯切れよくキッパリと言ってのけた。常に断固とした姿勢を見せること。それが有能な政治家をイメージさせると信じているような歯切れのよさである。それとも器質的なものか、舌が引っかかるときがあるようだから、引っかからないよう、そこに神経を集中して歯切れよくいこうと口に力を入れるあまり、ついつい歯切れのよさが制御不能の状態に陥ってしまって、考えてもいない言葉まで飛び出してしまうのか、論理的合理性といったことにまで考えがまわらないようだ。

 「消費税を言うことが正直なことなのか」という言葉は「言うことが」必ずしも〝正直なことではない〟という意味を持たせたものだから、自分が〝言わない〟ことがどう〝正直なことなのか〟を説明しなければ、総理大臣としての説明責任を果たさないばかりか、言葉の点に限っても、舌足らずそのものとなる。
 
 ところがその説明はなく、説明を省く舌足らずを見せたまま、「消費税から逃げるつもりはありません。しかし消費税に逃げ込むつもりもありません」と一気に突っ走る。

 ここでも〝消費税から逃げているわけではない〟ことと、消費税を上げることがどうして「消費税に逃げ込む」ことになるのかの説明がない。説明がないから、言葉の威勢が威勢だけの印象を与えるだけとなる。

 安部センセイはいわば消費税増税は財政再建策としては〝安易な方法〟だと言っているのだろう。消費税増税といった〝安易な方法〟を取らず、〝ムダ遣い削減〟という、いわば〝安易な方法〟ではない政策を取ると宣言したのである。具体的に言うなら、〝ムダ遣い削減〟を果してから、不足分は消費税増税で賄う財政再建策を取ると公約したのである。そうでなければ、言っていることの整合性が取れない。

 ではなぜ竹下内閣は消費税導入といった〝安易な方法〟を政策として選択したのだろうか。政治家・官僚の「ムダ遣い」は今に始まったことではなく、自民党政権下で延々と続けられ、積み重ねられてきたことなのである。〝ムダ遣い削減〟は難しいから、「消費税に逃げ込」んだと言うことになる。

 また橋本内閣にしても〝ムダ遣い削減〟政策は取らずに消費税を3%から5%に増税するといった〝安易な方法〟を選択した。だから自民党政治と官公庁のムダ遣いは歴史となり伝統となり文化となって、継続されることとなった。

 その尻拭いを安倍内閣で行う。〝安易〟さを捨て、より困難な政策を取る正常な政治の姿に戻すということなのだろう。何と立派な公約だろうか。国民思いの公約である。

 但し、〝ムダ遣い削減〟と言っても、各省庁の随意契約といった天下り官僚の私腹を肥やすだけのムダ遣いにしても(公正取引委員会という不正な取引を監視し取締まる役所でさえ随意契約が行われていた)、問題が起きてから、随意契約を少なくし、複数入札制に変えると言い出したことだし、社保庁の自分たちや天下った元官僚を含めた縁故者が甘い汁を吸うだけの不正な金銭操作にしても、防衛施設庁の談合にしても、その他各省庁の裏ガネ問題にしても、発覚してから対策を取り出したことで、政府や官公庁自らが、どのような不正・ムダ遣いがあるかをそれぞれに洗い出して、是正に動いたわけではない。一般常識を超える高額高級施設・低家賃の国家公務員宿舎対策にしても、同じ轍を踏むものである。

 言ってみれば、自らが洗い出さないことによって、発覚するまで不正・ムダ遣いを温存し、増長させてきたのである。そういった体質を抱える自民党政府・官庁が自らが洗い出して是正に動く、これまで期待できなかった不正の排除・ムダ遣い削減が今後期待できる方向に転換できるのだろか、その効果の程ははなはだ疑問である。また公務員自体の非能率・怠慢・怠惰がつくり出すムダ遣いの問題も解決しなければならない重要事項であろう。

 「消費税を言うことが正直なことなのか」云々が来年夏の参院選までの賞味期限付きの宣言でないことを願う。〝ムダ遣い削減〟優先を公約したのと同じなのである。安倍内閣が存続する限り、消費税増税は〝ムダ遣い削減〟を果してからということにしてもらわなければ、公約違反である。

 例え賞味期限付きであったとしても、来年の参院選までの既に1年を切った間に徹底した〝ムダ遣い削減〟を成功させて、効率・公正な政府機構・官庁機構とすることができたなら、公約は果たしたことになる。但し、戦後自民党政治の60年余をかけて積み重ね、垢を洗い落とさないまま汚れるに任せてきた政治家・官僚の不正・ムダ遣いである。1年そこそこでどのような荒療治・大手術でムダ遣い削減の膿が摘出できるか、安倍劇場は見所満載、眼が離せないものとなる。

 安倍内閣が消費税増税を言い出したとき、どれ程のムダ遣い削減を行い得たか、検証されなければならない。ムダ遣い削減が不徹底なまま、消費税増税を言い出したなら、安部センセイは自らの宣言を裏切るウソつきと化す。消費税逃げ込み内閣と名づけなければならなくなる。

 尤も、「あのときと状況が変わった」とか、「政治は生きものだから」とか言い逃れするだろうことはこれまでのゴマンとある政治家の逃げ口上の前例からして分かりきっていることだが。

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