from a Kaikoh Takeshi's work

2006年05月24日 19時00分35秒 | 日本文学作品から
 この酒場にどんな常連客がついていて、何時頃にあらわれて、どんな話をして出ていくのか、まったく関心がなかったし、知ろうとも思わなかった。朝から明滅しつづけてあぶりたてる青い火は一杯のマーティニで消えるものではなく、むしろ、いよいよ深く沈んで炎のない熾火(おきび)のようにどこか手のとどかないところでくすぶりつづける。けれど、それはそうだとしても、最初の一杯の冷え切った滴がひとつ、ふたつころがり落ちていくうちに、あくまで見せかけとはわかっていながらもなかなかの出来と感じられる中和がじわじわとひろがって、無為の苦痛をやわらげてくれる。遠くの貨物駅で突放作業をやっているらしく一台の貨物の連結器がぶつかってしかり食いこむと、つぎからつぎへつながれた古鉄の箱が身ぶるいして響きをたてる。それが正確に一台ずつ小さくなっていくのを聞きながら、レモンの淡い香りのたつジンの冷えきった一滴一滴をすするのは、いことだった。(開高健、当人の遺作となった「珠玉」三編中の「掌(て)のなかの海」から)

開高は躁鬱をもっていた。鬱の時の事を書いているから、わからないことがあっても、それはそれでいいことかも。無為の苦痛とは、従って、鬱の際の苦しみである。突放作業は、ツッパナシ作業と発音するのだろうか。開高健は、文章は形容詞から腐ってくるといった作家である。見てのとおり、豊穣な形容詞群を操れる作家であったから、自戒の気持ちがあったと見える。箱が身震いして、その音が次第に小さくなってゆくさまなどは、なんともいえないところだと思う。

However, I saw it was so, but,while at the first sip, sharply cold a drop or another drop falling down my throat, a neutralization considered rather good spread throuh me and alleviated my pain of idleness although I realized it was nothing but superficial.Train-releasing works seemed to be lasting at a freight train station far away,and when a train joiner crashed into another and firmly conected with each other, old iron boxes ,connected to each other one after another, shuddered and sounded.
Hearing the sounds which were gradually declining one train after train with a high accuracy ,I thought it was good sipping a cold gin slightly flovored with lemon a bit and a bit.

65点位は取れているかな。勘でやってるところが多くて、英文の正確さは保証しかねます。だけどこういうレベルの日本語を訳せるようになりたいと思うのだ。恥をかかなきゃ成長しない。
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