妻と夕陽

ゴルフの帰り道　
妻はかなりの割合で寝ています　
富士山が見えたり、
夕陽がきれいだと起こしますが、
そんなことは年に何回もありません　

先日、都内に入った途端、
がばっと起きて、
慌ただしく何かをしていました。
カメラを取り出していたのです。
夕陽を撮ろうとしていました　

首都高速は、防音壁が多いので
夕陽を見るのは困難です　
こういう場合、狙ってシャッターを
切るのではなく、
とにかくシャッターを押しまくるのが
奇跡の１枚を撮る最適の方法です　

僕はコースの写真を撮るときに
失敗したくないと思ったら、
何枚も何枚も撮ります　
妻にも話しましたが、
あまり理解できなかったようです。
「失敗した……
撮れなかった」
とうなだれていました　

帰宅して確認してみたら、
３枚だけ画像がありました。
そのうちの１枚がコレです　
なかなかムードある画像です　

ゴルフの後の夕陽は、
心に染みますね　
この日も、染みまくって、
泣きそうになりながらハンドルを
握っていました。

妻が撮ったものだと思うと、
画像は別の意味を持ちます　
色々なところがチクチクします。
なんとも幸せな気分になります　

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遠く滲む影

雪が残る谷底に自分の影が……
思わず撮った１枚です　

この日のコースは、
全体的にゆっくりペースでした。
遅い組がいると、全体に影響するという
典型的なパターンです　

前について並んで行進するのと
ゴルフのラウンドは同じです。
たった１人の愚行が
全ての人に影響するのです　

終了後、全ての元凶になっていた
若い人たちのグループを見ました　
３組で、９７がベストグロスは
ないわけでもないですけど、
先頭の組の３人の最も良いスコアが
１１７で、他の２人は
１３０台と１４０台……　
２組目は上手い人の組で
（こういう組み分けをする時点で
頭が悪いというか、
ゴルフがわかっていない証拠です）
ベスグロの人以外は　
絶不調で１２０台。
最終組も１１０台と１２０台のようです。

こういう人たちが集まって、
ゴルフをするようになったのが
大衆化なら勘弁して欲しいです　
彼らは我流の極みで、
誰１人として、本当のコンペを
知らないのでしょう　
ベストグロスという言葉も、
ニアピンやドラコンという言葉も
全く聞きませんでした　

それでも……
彼らは集まって
「ゴルフは楽しい」と
その日の楽しさをいつまでも
報告し合っているのです。
集計をしていたのではなく、
ただ、クラブハウスの１角で
１０人ぐらいで
立ち話をしているのです　
みんなが満面の笑顔で……

遠くに見える自分の影を
見る機会はあまりないものです。
雪の上に滲むように見える
自分の影の画像を見ながら、
複雑な気持ちになりました　

ゴルフが楽しいとわかる時点で
ゴルファーになれる可能性は
十分にあります。
同じレベルか
それ以下のレベルを
１０人動員する結束力は
大したものです。
長い目で見るべき……
なのでしょう　

この日は、他の組でも
バッグにパーシモンが
入っている人を複数見ました　
特別な１日だったのかもしれません　

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