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ゲーム感想-『ゴーストトリック』

2011年03月08日 | ゲーム
~概要~
ある夜。街の片隅で、主人公・シセルは一発の銃弾によって命を奪われる。
タマシイとなって目ざめた彼は、命とともに、その記憶を失っていることに気づく。
自分は誰だったのか? 自分はなぜ殺されたのか?
命と記憶を奪われたシセルは死によって得た"死者のチカラ"を使って自分の死の真相を追うことになる。シセルは、さまざまなモノに"トリツク"ことができ、とりついたモノは自由に"アヤツル"こともできる。また、シセルは死者にとりつくことで、その死の4分前に戻ることができる。"トリツク&アヤツル"で、人々の死の運命を変えることで、自分の死に関する謎が明らかとなっていく。
シセルのたった一晩の孤独な追跡劇が始まる!

~感想~
どういうゲームか一言で説明するとピタゴラスイッチである。
その場にあるタイヤやボール、シーソーなどに次々と乗り移り、たとえばボールを転がしてシーソーに乗せ、シーソーでボールを跳ね飛ばし、天井の換気扇に近づけて換気扇に乗り移る……といったピタゴラ装置を作り、目的に向かって進んでいくのだ。
小さな仕掛けを連動させて、殺人事件や大事故を未然に防ぎ、そうして助けた人々の協力を得て最大の謎である「自分はいったい何者なのか」に迫っていく、そのストーリーがまた綿密にできている。
「逆転裁判」シリーズを手掛ける作者だけに、キャラ立ちしまくった登場人物と、軽妙な会話はそれだけで面白く、またミステリバカをもうならせる意外な展開も目白押しで、読み物としてもすばらしい。
特にあるキャラが主役を食わんばかりの活躍を見せ、それだけでもおいしいのに、全てが終わってみれば実は……という意表をつく真相も最高。
悲劇的な未来を書き直す、という手法は大好物の時間SFとも捉えられ、「あの時もしもこの事件が起きなかったらどうなっていたか」という流れは、ピタゴラ装置をあやつるゲーム本編にもつながる。
さらにゲーム史上でも最高峰かも知れないくらいに滑らかなキャラの動きも特筆もので、なんでもモーションキャプチャーで実際に役者の動きを取り込み、それをポリゴンで置き換えた後に、2Dに落とすという何重もの手間を掛けたそうで、実写と見紛うばかりに違和感ない、キレのある動きは必見。「ヌルヌル動く」とはこういうことか。
小ネタとして「逆転裁判」のパロディも多々あり、ストーリーを離れて寄り道しても、豊富なお遊びが隠されておりと、まさに隙のない構成ぶり。
すこしでも興味があればぜひ手にとってほしい。まずは動画サイトでその滑らかすぎる動きだけでもご覧あれ。すっごいヌルヌルするよ!


評価:★★★★★ 10


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