立読ブログ

立読師による一人語りのブログ 今後ともよろしう

読了報告 ~ハガレン~

2010-12-11 09:10:53 | 
さて ついに完結!

鋼の錬金術師 荒川弘 スクウェア・エニックス

うまー…く まとまりましたねぇ
フラスコの中の小人とのラストバトル
伏線やこの物語世界の錬金術という存在が
きれいに歯車を噛み合わせて
きれいに着地したな と
立読師的には 大ピンチで繰り出された
アルフォンスの決意に唸りました
よくできたB級映画の「起死回生の一手」ってやつです
こういうのがたまりませんなヌフフ(笑)

以前からけいにも書いたんですが
この物語を読了して振り返ってみると
あの世界の「真理」て なんだったんでしょう?
等価交換というキーワードがありますが
それが必ずしもすべての基本原理ではなさそうです
つか ハガレンを読んでいる僕らの世界では
等価交換で済んだ話って 少ないほうじゃないかなぁ
と思うんですよ
だから「真理」⇒「等価交換」は
偽の証明だよなぁ
でもハガレンにどっぷり使っていたころは
肌感覚で「真理」とか「一は全、全は一」とか
なんとなくすっきり分かっていたし
そういう思想で世界を見ていたわけです
んで 考えたんですが
真理ってのはつまり…あの世界で言うところの
錬金という自然現象そのものなんじゃないかな と
ちょっとやいこしいんですが
錬金術というのは現代の科学に通じちゃうんで
自然現象を近似するものが錬金術なんじゃないの?て
いえちゃうんですが
この物語世界の中に関して言えば
錬金術は科学というよりも自然現象に近い感じがします
錬金現象を操る術って感じかな うーんうまく伝わらないんだけど(笑)

この漫画は思想的にも子供の原体験になるものかもしれないし
この漫画には生まれて産んで死ぬみたいな人間の営みを包括しているとも読めるし
いろんな生き方の吟遊詩とも読めます
懐の深い作品だったなぁ


書店で「ユリイカ 12月号」が飾ってあって
もちろんハガレン特集号だったんですが
まぁいろんな読み方ができる漫画だったなと
改めて思ったわけです
うーん…こんな浅いブログの感想じゃなくて
文章のプロが書いたハガレン論を読んだ方がいいっすよ
つか オレは読みたい ユリイカハガレン特集号
あの書店に飾ってあったやつ
買えるのかな…なんか書店員さんが
自分のをもってきて飾ってるみたいな感じなんですよ(困笑) 

読了報告~守り人シリーズ大詰め~

2010-12-11 08:30:52 | 
会社で読んでいた本を読了したんだけど
感想書くのをすっこり忘れておりました

蒼路の旅人(新潮文庫) 上橋菜穂子 新潮社

ラストに っええぇぇぇぇぇ~…となりました
先が楽しみです
国とか民を守るとか皇子様も大変やねって話です
自分が正しいと思って決めたことに
一直線に進めるってのは 確かに若さの特権かもしれません
チャグム皇子の行動はナイフの刃の上を
バイクで突っ走るようなスリルと興奮と
前方の光しか見えない幸福があります
しかし一方で思うんですよ
若くなければそれはできないものなのか? と
愚か者とののしられてもやらずにおれないものってのは
歳を取ったご同輩よ ありますよね?(笑)
たしかに闇雲につっこむことは難しくなりました
おびえますし 怖いですし 失敗は嫌です 周りからの評価とかもね 怖い
無理をしないで遠回りをしても全然OKってことも
結構あるってことも学習済みです
でも一本橋を目隠ししてダッシュするようなことを
それもよりによって人生のターニングポイントで
やっちまうってことも結構ある
おいらはチャグムの行動を
「若いっていいわね」とか100%引かないで
結構共感しちゃったりして読みました

「こうなることは嫌だ」「じゃあどうすればいい?」「考えろ」
「動け」
チャグムを含めて僕らの思考の力学ってのは結構シンプルで
福岡伸一だったらきっとこれを指して
線形的な発想っていうんだろうな
それもいいもんだ とか そんなんじゃだめだ とか
そういう裁きは必要なくて
今は そういう発想法なんだ ってことが分かっていれば
それでいいや
閑話休題

さー これで天と地の守り人三部作かぁ…
なんかわくわくするなあ(笑)
オールスター総出演の八面六臂の大活躍を期待しちゃうね