もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

下の句を考える

2021年10月27日 | 野党

 一昨日の産経新聞「正論」欄で、東洋学園大学客員教授で元空将の織田邦男氏が「「下の句の無い公約は欺瞞」と寄稿されていた。

 本ブログでも、「一人でも反対すれば橋を架けない」や「ペンは剣より強し」を挙げて、下の句を故意に隠す手法に悪態をついてきたが、教授も今回の各党の選挙公約が上の句の羅列であり、有権者に幻影を抱かせるだけのものと述べておられる。
 短歌に無知であるので的外れかもしれないが、お笑いに例えると上の句は下の句の真意・オチ・下げを際立たせるための前振りに過ぎないと思っている。小倉百人一首3番・柿本人麿「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」で見ると、上の句は枕詞の羅列であり、下の句に至って始めて真意が解けるようになっている。
 政権を窺う立憲民主党の選挙公約の幾つかを上の句として、下の句を推測してみたが、上の句の作者は欺瞞巧緻のプロ集団であるために、素人の自分には思いもよらない下の句が用意されているだろうことは覚悟している。
・「公立・公的病院の統廃合や病床削減を進める地域医療構想を抜本的に見直す」⇒「公立・公的病院の採算性を追求した舌は乾いていませんが過去は忘れて下さい」
・「消費税減税、持続化給付金の増額・継続、税等の負担の減免」⇒「財政再建は次代に先送りしますので、青少年は頑張って下さい」
・「賃金の底上げ」⇒「当然インフレとなり、昼食代もワン・コインからオン・ビル(お札)になります」
・「高校教育無償化」⇒「憲法を拡大解釈して高校も義務化しますので、一芸に専念するために高校中退した藤井九段のような生き方は出来なくなります」
・「大学助成強化」⇒「誰でも大学に行けます。ただし、卒業しても大卒者に相応しい職や地位は期待しないで下さい」
・「原子力発電から自然エネルギーへの転換」⇒「電気料金の高騰と不意の大規模停電は覚悟して下さい」
・「ベーシック・サービスの質・量を充実」⇒「地方公務員数は増加しますので必然的に住民税は上がります」
・「差別に対応するため国内人権機関を設置」⇒「ネットなどの報道監視を強化しますので場合によっては表現の自由を制限する場合もあります」
・「辺野古新基地建設を中止」⇒「普天間周辺住民は今後とも危険を覚悟して下さい」
・「在沖米軍基地のあり方を見直すための交渉を開始」、「抑止力を維持しつつ日米地位協定の改定を進める」。これには下の句が多く
  ⇒「米軍に頼らなくても良いように自衛力を強化します」
  ⇒「在日米軍を縮小しますので、有事・最悪の場合は死ぬこともありますが諦めて下さい」
  ⇒「米軍の支援が無くなるので、場合によって尖閣・先島諸島を放棄するかも知れません」

 下句の省略は全ての政党の公約に言えることである。
 今回は、立民の目ぼしい公約に下の句を付けたためにネトウヨの妄言と一笑されるかも知れないが、全ての有権者が「借り物でない自分なりの下の句」を考えて投票して欲しいと願うところである。


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