もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

矢田稚子氏が総理補佐官に

2023年09月16日 | 野党

 前参議院議員で国民民主党副代表の経歴を持つ矢田稚子氏が総理補佐官(賃金・雇用担当)に任命された。

 不勉強の所為で矢田氏について知らなかったのでWikipediaにお願いしたが、軟弱化した現在には珍しい「苦学力行」の方とお見受けした。
 矢田氏の総理補佐官受諾に対しては、野党分断の狙い、連合(電機連合)の取り込み、国民民主党の連立参加布石、と喧しいが、矢田氏個人の政治活動の延長線上の必然と見るべきであるように思える。
 先の通常国会の予算委員会では、予算に関する質疑は20%に満たず、それ以外は閣僚・与党議員の資質や不正疑惑の追及で占められていたとされるが、本会議で反対票を投じた立民の公式見解は「審議が尽くされていない」であったとされている。予算審議の場にあって「閣僚の箸の上げ下し」を国家の一大事と攻撃する作戦は、政権運営と内閣支持率維持に苦悩する政府から多くの譲歩と来年度予算の修正を勝ち取ったであろうかと思いきや、政府原案から1円の修正も成し得ていない。
 野党の政治家を大別すれば、空理・空論に近い思想を玉条として意に添わぬ政権・政策を全否定する理想派と理想実現のためには政権の意思決定にも関与する実務派に大別できるのではないだろうか。政治家個人の労度・負担を考えると、理想派は攻撃材料を発見(週刊誌等で十分)して委員会の場で火を点ければ仕事の大半は終わったも同然で、後はメディアや世上の沸騰に委ねることで使命は果たせる。一方、実務派は現状の問題点と原因を調査・考察して改善策を見つけ出すことを出発点とし、法制化に当っては党内・政党間・官僚の根回し・説得が必要となることから、実務派の活動Mhは理想派に数倍するのではないだろうか。

 既に政界から距離を置いている矢田氏であるが、来し方・主張をWikipediaで見る限り、今回の補佐官受諾からは実務家として「主張の一部でも実現したい」、「問題点の一部でも解決したい」、との心情・熱情が窺い知れる。
 外交辞令・永田町言葉であるかもしれないが、矢田氏と行動を共にした経歴を持つ国民民主党の榛葉幹事長の「政局で捉えるのは矢田氏に申し訳ない」とのコメントが一面の真実を伝えるものと思いたい。
 矢田氏にあっては、外野の思惑・中傷に迷うことなく、所掌する賃金・雇用に関して実務経験に根差した提言を期待したい。


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