もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

テレビ朝日のガバナンスに思う

2018年04月21日 | 報道

 財務省の福田次官のセクハラ問題が報道されて1週間余が経過した。

 当初は、セクハラの有無と麻生大臣を含めた財務省幹部の責任追及一色であった報道も、ここにきてヤヤ良識を感じさせるものも含まれるようになった。それは、マスコミの取材の在り方とテレビ朝日のガバナンスに対する考察についても僅かながら触れられるようになったことである。指摘されるのは、テレ朝が社員が受けたセクハラ被害を背極的に報道することができなかった背景には、報道すれば今後の取材活動に悪影響を及ぼすかもしれないという財務省に対する阿り・忖度があった点と、取材内容を他社に漏らすというマスメディアでは不文律とされる掟破りを看過若しくは奨励した点についてである。テレ朝には「今、国民・視聴者が何を知りたいのか」を推し量る能力が決定的に不足していると思われる。それは、アメリカでのG20終了後の麻生大臣に対してテレ朝記者が「次官の任命責任と大臣の引責辞任」について質問したことである。世界各国が対米貿易に危機感を持っている状況下でのG20、米国の保護主義容認か?貿易協定の枠組みは2国間協議に委ねるのか?・・・国民の知りたいことは幾らでもあり、引責の有無など二の次・三の次であることを全く理解していないかのようである。喫緊の問題ではあっても視聴率には繋がらないであろう経済問題よりも、ワイドショーに使用できる映像造りを優先しようとする姿勢はテレ朝の報道姿勢を如実に示したもので、メディア・ジャーナリストというよりも出歯亀に近い存在に堕していると感じた。ニュースの質を落とし、取材先に最大限阿り、自社の社員すら守れない、取材内容とニュースソースを暴露する、これらがテレ朝のガバナンスの本質の一部とすれば、信頼できないメディアとさえ考えられるのだが。

 慰安婦強制連行に関する朝日新聞の虚報に追随・増幅したにも拘わらず真摯な検証を怠ったテレ朝が再び起こした失態。官房長官の定例会見で理解力不足の社会部記者に質問させて大方の失笑をかった東京新聞の例を含めれば、大手マスメディアのガバナンスを不安に思うところである。不完全な組織からは良質な情報は得られないと思うからである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿