もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

IS戦闘員家族の行方

2018年04月04日 | 軍事

 イスラム国の敗走が続き組織の壊滅も近いとされているが、EUでは戦闘員の妻子の取り扱いに苦慮していることが報じられた。

 EU諸国からは5000人が戦闘員もしくは戦闘員の妻としてISに加わったとされている。死刑制度の無いEU諸国は、基本的に成人の戦闘員やその妻は現地での裁判に委ねるものの死刑には反対としているが、既に戦闘員の妻がテロ幇助で死刑判決を受けたケースもあるらしい。旧IS支配地域の妻からは、後悔と帰国を希望する声が母国に寄せられているそうであるが、現在のところ当該政府が無言を貫いていることは、政府の勧告を無視してISに加担した彼等に対して究極の自己責任を果たすことを求めていることの表れとも見ることができる。しかしながら、子供に罪は無いという洋の東西を問わない倫理観から、子供は受け入れるべきとする意見がEU内では大勢を占めており、既にフランスでは68人の子供を受け入れて入るが、その大半は9歳から受ける戦闘員としての訓練を受けていない8歳未満の子供であり、一旦戦闘員としての訓練を受ければ西側の価値観を受け入れるのは難しく、テロ予備軍になりかねないとの判断にたっているものと思う。日本人がISに直接加担していることは報じられていないが、日本もいつそのような事態に直面するかもしれない。今回のIS関係者に対するEU諸国の対応は、政府が渡航禁止や渡航自粛勧告とした国で遭遇した個人の厄災に対しては国の保護が及ばないことを周知する事例として、もっと活用と広報を行うべきではないだろうか。

 数年前に、渡航禁止の国で拘束された青年が国の努力で解放されたにも拘らず、その措置を当然とするかのような態度に終始した事案があった。価値観がが多様化しISの活動を支援する大学教授まで存在する時代。政府の責任と自己責任の範囲を明確にする必要があると思う。政府の責任といっても、邦人救出のために自衛隊を派遣することはできないのだが。


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