もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

真子内親王の会見に思う

2021年10月28日 | 天皇・皇室

 秋篠宮真子内親王が結婚され皇族からお離れになった。

 今様には「結婚」であり「皇族を離れる」であろうが、自分としては「臣籍降下・皇族離脱」の方がしっくりする。閑話休題。
 本日のテーマは、御結婚に際しての会見に関してである。
 会見は、御結婚に対する両人の所感や抱負の後に、報道機関等から寄せられた質問に対し口頭で回答される形式であったが、日本雑誌協会から提出された質問書にはがっかりした。真子さまも「恐怖を感じる」と述べられるように、協会から出された質問は「小室氏の母親に関する疑惑報道の裏付け取材」に他ならず、雑誌の「覗き見趣味」に基づくものでしかなかったからである。
 一般社団法人日本雑誌協会を調べて見ると、会員は88社で全雑誌発行部数の約80%を占める団体であることを知った。HPでは《「雑誌」の出版を通じて文化の発展を期するため、出版倫理の向上を図り》としているが、《その他「雑誌」共通の利益を擁護することを目的とする。殊に最近は、雑誌倫理の確立、重要なる業界取引の合理化と改革、税制問題等々、業界内外にわたる諸問題に対して業界4団体の中枢として、その任に当たっている》と続いていることから、倫理の自浄よりも組織・業界防衛を優先する存在であるように思える。
 また、協会の内部規定である「雑誌編集倫理綱領」には、《文化の向上と社会の発展に寄与すべき雑誌の使命は重大であり、国家、社会、及び基本的人権に及ぼす影響も大である。この社会的責任により、雑誌は高い倫理水準を保たなければならない》《われわれ雑誌編集者は、自ら戒めて編集倫理の向上を図る》《真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名誉やプライバシ-をみだりに損なうような内容であってはならない》と神妙であるが、筆禍による名誉棄損・慰謝料請求が引きも切らない現実を見ると、自分が望むような「報道者としての公正中立に努力する組織」ではなく、他業種の協会・利益団体と変わらぬものであるように思える。

 古来、慶事の場では呉越同舟が美徳規範であると思う。小室氏の母親問題は、結婚の背景としては大きなファクターであろうが、当人同士には直截の責任が及ばない事柄であり、そのことを粘液的執拗さで下着の中まで明らかにせよと迫ることが協会の掲げた高邁な目的に合致するのだろうか。
 キリスト教徒の結婚式では、「この結婚に疑義ある物は今すぐ申し出よ。さもなくば永久に口を閉ざせ」と司祭が云うそうである。本来は、男女間の相克を解決する口上であろうが、雑誌協会も「鞘に収めるべき時期」や「控えるべき場所」について常識的であって欲しいものである。


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