敵基地攻撃能力(反撃能力)保有を明記した防衛3文書改訂に対する伴う韓国の対応に興味を持った。
この問題に対して、韓国外務省は「朝鮮半島の安全保障および我々の国益に重大な影響を及ぼす事案は、事前に韓国との緊密な協議および同意が必ず必要だという立場だ(ハンギョレ新聞)」とし、韓国軍は「日本が有事の際に北朝鮮を攻撃する場合は韓国の承認が必要。北朝鮮は韓国の領土を「朝鮮半島とその付属島嶼」と明記した憲法第3条に基づき、韓国の領土となっている。このため、韓国の承認を得ず北朝鮮を攻撃することはできない(ソウル聯合ニュース)」とそれぞれ伝えている。
「成る程。北朝鮮は韓国の一部であったのか?」と改めて思う一方で、「そろそろ韓国も現実を直視すべき時期にあるのではないだろうか?」とも思った。
朝鮮半島の分断固定化を阻止しての南北統一は韓国・朝鮮族の悲願であるかもしれないが、既に、北朝鮮が国連に議席を持ち、多くの国が国家として承認している現実、なにより北朝鮮が統一を望まない現状見る限り、「自国の憲法に規定しているから北朝鮮は韓国」と主張するのは少々の無理筋と思える。
北朝鮮が韓国の一部であるならば、拉致・核開発等の諸々も韓国が責任を負うべきとなるので、建前を貫かざるを得ない立場の韓国外務省も痛し痒しの状態であろう。
軍事的に考えれば、ミサイルによる北朝鮮軍事施設攻撃の場合、飛行経路が韓国の領海・領空を経由するケースも有るので韓国のミサイル防衛システムで撃墜されることを防ぐためにも韓国の了解は不可欠である。もし韓国が北朝鮮攻撃に賛成しない場合は、北朝鮮への飛行(攻撃)経路は東海岸方面からの侵入に限定されるため、北朝鮮にとっては経空防御が比較的容易になってしまうが、韓国の政情・民情を考えると日本に打撃を与えるために攻撃に同意しない危険性は常に覚悟しておく必要があると思う。
韓国軍が「憲法に規定されているから北朝鮮も韓国」とする意見を聞いて、「いずこも同じ」と感じた。
憲法は自国内においてのみ効力を持つもので、国連憲章さえ無力な国際関係の現状に憲法規定を振りかざすのは、日本だけではないようである。
Wikipediaによると韓国はこれまでに9回の憲法改正を行っているとされるが、日本憲法前文・9条規定と同じように、韓国憲法の領土規定は韓国民にとって「一丁目一番地」の聖域なのだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます