もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

日韓関係の半歩前進

2023年03月07日 | 韓国

 韓国経済団体が元徴用工に肩代わり弁済するという徴用工問題の解決策を韓国政府が提示したことで、日韓関係の正常化は半歩前進したかのように思われる。

 この前進のために日本が譲歩したのは、韓国のホワイト国再指定と、求償権の放棄請求凍結であるとされるが、嫌いな言葉で言えば「落としどころ」としては、まァまァとすべきであろうと思うものの、政権交代の度にゴールポストを動かし続けた過去を思えば、徴用工問題の完全解決、日韓関係の好転・修復とは呼べないと観ている。
 日韓併合はともかく、戦後における日韓関係悪化原因の一つが「李承晩ライン(李ライン)」の設定であるように思うので、Wikipediaで勉強した。
《李承晩ラインは、1952(昭和27)年1月18日に韓国初代大統領・李承晩が大統領令「隣接海洋に対する主権宣言」を公表して設定した海洋境界線である。
戦前の朝鮮総督府時代、朝鮮の漁業保護のために朝鮮半島の周囲に機船トロール禁止区域線及び機船底曳漁業禁止区域線が設けられて日本本土からの漁船の侵入を防止する漁業規制が講じられていた。
大東亜戦争終結後の1945(昭和20)年9月27日に、GHQが日本漁業の操業区域として所謂「マッカーサー・ライン」を設定していたが、サンフランシスコ平和条約発効によって廃止されることが確実となったために韓国がマッカーサーラインを李ラインとしたものであり、日本はもとよりアメリカも李ラインを認めることはできないと通告したものの、韓国政府はこれを無視・強行したものである。李ラインは、日韓基本条約が締結された際の日韓漁業協定成立(1965(昭和40)年)で廃止されたが、李ラインが存在した13年間で韓国に拿捕された日本漁船は233隻、抑留された漁船乗組員は2791人(死者は5人)を数えた。》
 李ラインが現在にまで影響を残しているのに竹島問題がある。
 マッカサー・ラインでは、米軍の空爆演習区域だった竹島が含まれていたために、李ラインによって竹島も囲い込まれてしまった。その後、1953年7月に竹島で漁業を行っていた韓国漁民に退去を要求した海上保安庁巡視船が漁民援護中の韓国官憲から発砲される事件が発生し、1954年6月には韓国が沿岸警備隊を竹島に常駐させて現在に至っている。現在、竹島の帰属に関して韓国は、歴史的にも韓国領であると発信し続けているが、マッカーサー・ライン⇒李ラインが無ければ韓国が竹島を韓国領と主張することは無かったではないかと思っている。

 ともあれ、文政権下の反日助長を目途とした無策放置で暗礁に乗り上げ悪化していた日韓関係が、尹錫悦政権で動き出したことは評価すべきと思うし、今回の発表を日本はもとより、韓国内においても評価する意見も少なくないとされている。
 しかしながら、レーダ照射事件・慰安婦像問題・GSOMIA問題・日米韓の軍事同調・・・等々、日韓の亀裂は多く・深いので、関係修復には多くの曲折が予想される。
 韓国が今回設定・設置したゴール・ポストが、次期政権によって動かされないことを祈るのみである。


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2 コメント

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ゴールポスト (onecat01)
2023-03-08 23:08:19
 管理人殿

 韓国とは仲良くすべきと思いますが、これまでの経緯を思いますと、眉に唾をつけてしまいます。

 「日帝への恨みは、1000年経っても消えない。」

 そう言ってアメリカで日本の非を訴えたのは、朴槿恵大統領でした。その計算で行きますと、韓国はまだ、ゴールポストを動かしそうですが・・・?
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遅くなりました (管理人)
2023-03-09 09:32:48
onecat01様
韓国の次期政権下で再び「卓袱台返し」があるかもしれませんが、振れ幅が小さくなることを祈るのみです。
韓国にも「日本に勝った・買った」と喜んでばかりはいられない事情もあるように思いますので、今後は河野談話的行動はとって欲しくないと願っております。
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