銀座ジャズバーエムズのブログ

 生演奏のある小さなバー・・・「大人のくつろぎ空間」をお探しの方にご案内申し上げます。

お釈迦様でも・・・

2014-02-20 15:17:09 | 日記

 子供のころから聴き慣れたフレーズっていろいろありますが、
意味もわからずに口ずさんでいたことが多いモノ。 時として物凄い勘違いのまま
大人になっていて、ひょっとしたところで恥をかいた・・・
という経験は、多くの方がお持ちでは?

 先日、国立演芸場の中席(なかせき;ひと月を三つに分けてその真ん中の10日間)
恒例の「鹿芝居(“はなしか”の芝居という意味から)」を観に(聴きに)行きました。
もともと落語は歌舞伎から題材を取っているものも多く(「芝居噺」とも)
この中席を預かる座長の金原亭馬生さんの一門には、当代きっての歌舞伎通;
林家正雀さんを始めとする芸達者が多く、チームワークも素晴らしいことから、
毎年の恒例行事にもなっているのです。

 ご縁があって何度か観ていますが、今年の演目は
『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』
「御新造さんえ、女将さんえ、お富さんえ・・・・いやさお富ぃ!久しぶりだなぁ」
「そういうお前は・・・・?」
「与三郎だ!ぬしゃあオレを、見忘れたかぁ」
・・・「しがねえ恋の情けが仇・・・・」

 ま、時代的なモンですからね、このブログをご覧になる方の中では、
ご存知の方のほうが少ないかも、ですが。

 普通は歌舞伎でも、この「源氏店(げんじだな・・・オリジナルの地名は
“玄治店(げんやだな)”)」の場だけをピックアップして演じることが多く、
そもそもどうしてそういう成り行きになったのかは不明でしたが、今回の中席では
まず正雀さんが馴れ初めを語り、引き継いで馬生さんが二人が引き裂かれた事情を
語って、しかる後にこの有名な場面をお芝居で演じたので、観客はみんな
急に「お富与三郎通(つう)」になりました。

 これに題材を取った春日八郎のナンバー;
「粋な黒塀 見越しの松に 婀娜(あだ)な姿の洗い髪
死んだはずだよお富さん 生きていたとはお釈迦様でも知らぬ仏のお富さん
 ・・・この冒頭の歌詞を
「黒兵衛」って人だと思っている人が続出(昔の話ですよ。)
さらには「神輿の材料になる松を植えているのかな?」とか、疑問だらけの歌詞
なんですけど調子のいい歌なもので、口ずさんでいるうちに覚えてしまいます。
で、後日トンデモナイ恥をかいたりするワケ。ま、大勢に影響はありませんけどね。

 ちなみに現代語に訳しますと
「シャレた黒板塀の風情のある一軒家、庭の松越しに垣間見ると
ちょうど湯屋帰りで洗って束ねた髪のたいそう色っぽい年増が、
鏡を覗いて化粧をしているところ。 
ややあれは元カノのお富じゃないか
木更津の海に飛び込んで死んだと思っていたのに、こんなところで
優雅な囲われ者になっているなんて、こりゃあお釈迦様でもご存知なかった
ことだろうよ。(チキショー このままで済ますもんか)」
・・・背景やら登場人物の心情やらを織り込まないと見えてこないので
英語のスタンダードよりよほど訳し甲斐があります。ん

 ちなみにこの日(14日昼)は正雀さん演じるお富さんが、
帰って来た現在の旦那を迎えるところで
「まあ旦那様、お早いお帰りで」と言うと、金原亭世之介さん演じる旦那が
「うむ、思いのほか男子フィギュアが早く終わった」などとおもむろに答え、
客席は大いに沸きました。 
本歌舞伎でもアドリブは腕の見せ所ですが、噺家さんたちの方は、日頃鍛えた
こういうシャレ(地口)のほうがエスカレートしてしまい、
本当のセリフがどこかに行ってしまうことも。 世之介さんブログ

 いや~~、落語やお芝居は本当に楽しいですねえ。
 
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そう言えば

2014-02-19 13:42:21 | 日記


 テレビというものを殆んど観ないのですが、先日たまたまアイスダンスを
いくつか観ました。 今ではやっていませんが、もともと私は踊りのキャリアの方が
歌うキャリアよりも先で、観るのはなんでも好きなもので

 フィギュア・スケートも、飛んだとかたくさん回ったとかいうことには
さほど興味がなくて、踊りとしてのほうが楽しめています。
で、いろいろな曲が使われていますが、アイスダンスで興味深かったのが
かなりの割合でスウィング・ジャズが使われていたこと。
'ステキな貴方'
'Dream A Little Dream Of Me'
'Sing,Sing Sing'.....etc...
 
 私達にとってはいわば耳タコのスタンダードナンバーですが、
実際に演じている10~20代の選手たちにとってはクラシックの一つなのかな、と
思ったり。
 でも、ダンスのジャンルとしては、あの時代の音楽に合わせて踊る
「スウィング・ダンス」とか「リンディー・ホップ」というものがあって
今の社交ダンスでいうと、ジルバなんかの原型のものです。
 私は一人で踊るものしか経験しませんでしたが、二人で組んで踊るのも、
ピッタリ合ったときの快感はジャズのセッションのように強烈にうれしいものだろうと
理解できます

 聴き入るジャズも良いけれど、自然に身体が動く演奏のスタイル(時代ですね)の
ジャズもやはり素晴らしいと改めてうれしくなりました。
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遭難!?

2014-02-17 15:17:46 | 日記


 イヤ~~ スゴかったですね
前回の土曜日は「夜が明けてみたら」雪国だったわけですが、今回は
14日(金曜日)のゴールデンタイムから本格的に降り出して、予報のように早くは
気温が上がらなかったものですから、土曜日の朝にかけて「雪国の深夜」を
満喫(とは言わないか)する羽目に
 たくさんの帰れない人たち、死傷者まで出て、週が明けた今日になっても
交通も物流も十分に回復・機能していない状態ですが、銀座のバレンタインも
例を見ない悲惨な状況になりました。 タクシーも走れないから引き揚げてしまい、
積雪の上にまた降る雪の音はしないから、外はしいんと静まり返って
バーで飲んでいても「雪見酒」ではなく「籠城」状態でした

 昔はこういうときも酔狂な方々がいて「ヨッシャ朝まで盛り上がろう」と
なったものでしたが、万事に余裕のない昨今は「とにかく無用なお出かけは控えて」
などと繰り返し天気予報が言うものですから、バーでの会話は
「どこが“無用”なんだよムカつく
「そんなこと言うなら天気のいい日には『みなさん、今日はどんどん
無用なお出かけに励みましょう』くらい言ってみろっ
と不満の嵐

 せっかく手作りチョコ持って来てくれた方もいたのに。
まさに「Lost Valentine Weekend」でした。 そう言えば今年も歌わなかったな。
'My Funny Valentine'

 そんな過激な状況で疲弊したものですから、14日午後に行った国立演芸場の
金原亭馬生一門の落語と「鹿芝居」の話やら、雪の坂道をものともせず決行された
15日(土)の『初・モダン亭出前』のお話は次回に、ということで・・・


 今週の低気圧は、もう少し穏便に切り抜けられますように
本日2月17日(月)エムズはお休みです
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お知らせ

2014-02-11 15:16:06 | 日記
 「立春」(2/4~2/19「雨水」まで)の期間は本当に油断のならない気候に
振り回されますね
大雪お見舞い申し上げます。 
まだまだうっかり滑って転んだりなさいませんよう
気をつけてお過ごしください

3月のスケジュールをアップしました。

3月2日【ジャズひな祭り】チケットは
本部;【ジャズひな祭り公式サイト】へ直接お問い合わせください。

2月19日(水)[P.S.Clinic]
(小谷さんによるボーカリストのためのクリニック)は、ご予約が定員(6名)に
達しましたので、札止めとさせていただきます。 なお、当日の1stステージ;
17:45-20:30の[A.C.Session]には一般の方もご参加いただけます。(要ご予約)
 次回{P.S.&A.C.]は3月18日(火)です。

2月22日(土)[♥Standards]
16:30開場 17:00~、18:30~ \3,000(1drink)お持ち込み自由
小林洋(P)&影山ミキ(Vo)
今回は[F]で始まる曲の数々をお送りします。 ご予約お待ちしております

もうひとつ
2月25日(火)初めてソロで登場
熱いギタリスト&ヴォーカリスト;辻邦博さん
 ピアノがメインの演奏をお届けしているジャズバーエムズですが、
この日はギターとボーカルのみの演奏
二人でどんなことができるか、新しいユニット誕生なるか
本人たちもワクワク(おっかなびっくり)の試みです
どうぞお楽しみに
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選曲について思うことなど

2014-02-10 14:30:54 | 日記


 先日、学生時代に楽器をやっていたという方に
「どんな曲がお好きですか?」と何気なく聞きました。
私としては、その時の演奏家と自分とで、何かリクエストにお応えしたいな、と
思って曲名をお聞きしたつもりだったのですが、
「アート・ファーマーとかその辺よくやっていましたね」というお返事。

 なるほど、つまりジャズを好む人というのは、曲そのものは題材というか
ネタであって、それをどのように料理し、どんなやり方で演奏して聴かせるか、
というほうにより興味があり、熱心である、ということなんだ、と納得。

 もちろん、歌だって「どんな声で歌うか」「どんな間の取り方をするか」
「どんなコブシをきかせるか」「どうやってスウィング感を出すか」というような
要素でずいぶん違ってしまい、それが好き嫌いにもなり、面白さでもあるのです。

 が、歌の場合は特に、詩の言葉をいかに伝えるか、で聴く人を説得する、
という要素があるので、何の曲(詩)を歌うか、というのは大きな意味が
あります。 自分の得意なコブシが回せるから、という理由で同じ曲ばかりを
歌うことには興味がわきません。

 カッコイイな、と思うフレーズは真似して使ってみたいけど、すっかり真似して
その人以上にカッコよくなれるものでもなし(カラオケで楽しむ分にはいいんですよ)
願わくは、オシャレな要素をさりげなくちりばめて、季節やその場に合った詩を
自分らしく表現し、聴く人をいい気分にさせたい・・・・これが歌手としての
究極の(って日常的なものなんですけど)目標だと私は思っているのです
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