現場で歌っていてよく思うのですが、
「大きな音(声)と通る音(声)は違う」
いわゆる「歌う声」が出るようになるまでには、
地道に練習を続ける時間が必要です。
人によって何か月か、何年か、いろいろですが。
私は先生についたこともなく、地声が大きいほうでもありませんが、
マイクを持って普通に歌って「聞こえないのでは?」という不安は
あまり持ちません。(よほど音響が悪いかウルサければ別)
カウンター越しにおしゃべりする時には、たとえそれが演奏中で
なくても、相手の方が「え?」と聞き返されて少し身を乗り出して
下さる程度の声しか出さないようになりました。
声を張ってしゃべれば、もう少しは聞き取りやすくても、
歌う時の声がなぜか出にくくなります。
つまり、強靭な喉の持ち主ではない歌手の防御本能なワケ
それにね、 会話というのは隣か目の前の相手とだけするもので、
みんなに聞こえるようにお話するのは講演の時だけでよろしいのでは?
と思っています。
届けばいいのよ。声も、心も。
それに細くても遠くに届く声を出せることこそが、歌手の大命題だと
思っていますので。大音量は馴染みません。
そんな私の好みに合う(僭越ながら)演奏者の下間哲さん。
本日ひと月ぶりに深澤芳美さん(P)とのペアでご出演
そもそもエムズのハコは、管楽器奏者が3人いても、なぜかあまり
うるさいと思わない現場です。もっとも出演者が名手ばかりですがね
雨上がりの金曜日の夜、心に染み入るトランペットの音に
ゆったりと耳を傾けにおいでください