福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

福島の子どもたちに被曝を強制する「安全」基準撤回要求の署名:締切4月30日土曜日せまる!必須)

2011-04-26 15:30:35 | 新聞
学校の放射線基準を「年20ミリシーベルト」にすることの問題はすでにいろいろ指摘され、撤回署名も広がりつつあります。親たちや住民の声、そしてこの署名運動があることを報じたのは毎日新聞のみでした。毎日は、日弁連がこの基準の不合理性を指摘し抗議していることも伝えています。

私からは二点だけ付け加えさせてください。
 1.福島を無視するな!、福島を孤立させるな!、福島を見捨てるな!
福島の人たち、子どもたちや親たちがこんな状態に置かれているとき、日本の他の地域ではおとなしい日常生活が続いています。原発事故を「大げさ」にしたくない人々、「めんどくさいこと」をしたくない官僚や政府、全国の人々が原発事故を共有し、福島の人々の過酷状況に少しでも近づくことがもたらす帰結、すなわち、原発にたいする国民の感受性・意識の変化を恐れる人々が、原発事故を福島に押し込め、福島の人々にだけ犠牲を強いている気がします。子どもたちが暮らす環境の安全基準をまともなものにすれば、何千人、何万人の子どもたち疎開させねばならなくなるかもしれません。無論、簡単なことではありません。しかし、福島以外のところにいる私たちは、誰でも協力を惜しまないでしょう。少子化の影響で空いている学校施設はどこにもあまるほどあるはずです。避難先となる住居もきちんと探せば出てくるはずです。ホームステイを受け入れようという人も数限りないでしょう。必要なのは、だから、リーダーシップ、「やるぞ!」という音頭をとり、行動や方策を組織することだけではないでしょうか。「子どもたちをあちこち動かすわけにはいかない」と文科省は言ったそうです。どうしてでしょう。子どもたちの負担を考えてくれたとはとても思えません。それなら、あぶない放射線量の環境下に平気で放置するわけはないでしょう。自分たちがやらなければならない仕事の大変さに思い当たっているのでしょうか。日常的な「学校秩序」で子どもたち親たちを管理・掌握できなくなることを恐れているのでしょうか。そうしたこともあると思います。しかし、私が上で言ったことも、大変重要です。彼らは、原発から何百キロも離れている私たちが福島の人々とつながり、福島の人々と一体になって感じ、考え、行動することが困るのです。しかし、そんな妨害工作は許されることでも、可能でもありません。日本中が福島にならなければいけない。福島の人々とつながれるかどうか、という問題は離れたところにいる者にとっても自分たちの現在と未来を決定づける大事な大事な問題です。「負けねどー!」と叫ぶのは私たちです。

2.放射能は健康を害するだけではない。心をむしばみ、人々のつながりをこわす。
文科省の被曝強制キジュンは、地域の人たちを引き裂いています。当然のことながら、そんな基準を安心して受け入れられない人がいる、そのわきに、恐れを抱く人たちの「神経質」を憎み、何事もない日常生活への、この状況では過剰にならざるを得ない固執を、自分を説得するためにも振りかざす人がいます。「国家」の判断をかさに着て、めそめそと弱気の者、ぐだぐだと不平不満の者・反抗する者たちを排除し、押しつぶすことに自分の「あいでんちちー」をかける地域ボスやボスママもいます。こうした「号令」さんたちを励ますように、行政やメディアは「りすくまねーじめんと」だの、放射能安全キャンペーンだのをします(テレビで、長崎大学の教授が「放射能は健康に良い」といったそうです。原爆犠牲者を自らの医学的権威に利用する本当に悪いやつです)。こういう状況では、政府・文科省批判はおろか、放射線に対する情報を集めたり、不安を表明したりすること、自分だけ(自分の子どもだけ)退避させようとすることなど、簡単にできることではありません。そして、この延長上に、現場で最も重要かつ決定的な点、子どもを学校に行かせない、という選択をすることの困難があります。「ご近所の目」や「学校の判断」に逆らって、うちだけそんなことをする、ということのしんどさがあります。そして子どもたち自身がそんな「うちだけ」を認めてくれないことも普通でしょう。放射能は、家庭内の葛藤も生みます。子どもの安全第一の母親と、共同体論理・企業論理を生きなければならない父親の意見が決定的に食い違うことも十分考えられます。問題が子どもの健康と将来ですから、誰も妥協できません。こうした状況で、いったいどのくらいの時間、生活するのが可能でしょうか。福島の人々を出口のないジレンマの中に放置してはいけない。人々の心や、人々のつながりが傷つき、失われてしまう前に、子どもたちを原発事故圏の外に出してやってください。

文科省の「安全」基準撤回要求の署名締切は4月30日土曜日です!

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