福一原発事故前の2010年12月~11年1月、たいへん寒がりの我が家は関電に26,000円以上払っていた。それが事故後2011-12年同期:12,000円台となり51.2%減。それを今年2012-13年同期:6,178円まで削減できた。前年比48.6%減。原発事故前から比べると、76.5%減という結果となった。原発の電気は使いたくない。しかし、寒いのは勘弁してほしい。そこで、こんな脱電化対策を取りました。
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原発事故前には、アナ恐ろしや、約1100kwhと、堂々4桁の電力消費であった我が家の最大消費もとは、言わずと知れたエアコンによる暖房だった。台所のガスファンヒータ以外、うちの主要暖房機はみなエアコンだった。昨年冬、これを何とかしたいと、ガス栓のある居間(ここのエアコンの電気使用がもっとも多い)に、ガスファンヒータを入れた。さらに、廊下や階段の仕切りに断熱カーテンを垂らし、ガラス戸だらけの玄関や、室内のふすまの仕切りに発泡スチロールを張って断熱を図った。電気こたつを導入し、絨毯の下にはアルミコーティングの断熱マットを敷いた。これだけの対策で50%を超える節電。むろんその分ガス代は上がったが、半減以上となった電気料金で十分おつりが来た。今年の冬はこれをさらに削減したくなり、いろいろ考えた。
居間のエアコンがものすごい量の電力を消費していることが分かったが、エアコンは、まだ二つの個室でがんがん使っていた。これをやめよう、ということで、ガス栓がないから、石油ストーブを導入した。うちはエアコン依存になる前は、石油ストーブを使っていた。それをやめた主な理由は、灯油買い出しの時の『重さ』だった。それを何とかするために、20Lではなく、半分サイズ10Lのポリタンを買った。
これで灯油の補給はがぜん楽になった。そして、うちから関電の原発電力で動くエアコンの稼働が消えた。ザマーみやがれ!原発関電!
それから火鉢を買った。
小さくて軽い『手あぶり』を友人宅で見せてもらって、がぜん気に入り、実際にやり始めてみると、素晴らしい。居間に置いているが、昨年導入のファンヒータを、今までは決してなかったことだが、一番寒いときでも一時的に切ることができる。正月のおもちもこれで焼いた。鍋も、具を次々に入れるタイプでないなら、これで十分いける。何よりあたたかい。室温をあげるというより放射熱でポカポカする。赤いおき火を見ているのもあたたかい。おかげで、アルミ掛けシートまで買って強化を図ったこたつはほとんど使う必要がなくなった。
火鉢の教訓は、局部的に熱を体に受けると、室温が低めでもとてもあったかいということだった。それなら、ということで、次にハッキンカイロを買った。これも大正解。使い捨てカイロは、中が金属でもったいな~い、とずっと思っていたので、常時使用はしたくなかった。ハッキンカイロのようなジワリとゆっくりしたあたたかさのおかげで、部屋が温まって暖房を切ってからかなり長い時間そのままでいられる。冷えでおなかをこわすことがよくあったが、その対策にもなった。
それから湯たんぽ。いろんなのが出ているが、うちは昔懐かしい波波ブリキの金属製。これを布団の中に入れるが、おかげで寝室暖房(これはデロンギヒーターで電気使用)がだいぶ節約できている。さらに、昼間はこれを机の下において、足元暖房に使う。これもあたたかいし、昨年まで使っていた電気のパネルヒーター(200wもある!)を入れる必要がなくなったので、節電効果は絶大。湯たんぽに入れるお湯は石油ストーブで沸かす。エアコンにはできない芸当だ。
体の一部をじわっとあたためるのは、エアコンで暖房した部屋の温度差のある環境より、負け惜しみではなく快適であるのがわかった。暖風を高いところから吹き付けるエアコン暖房ではどうしても足元が寒い。なら、サーキュレータを回そう。それでもいまいちなのは、きっと乾燥しているからだろうから、加湿器も入れよう。やっぱり直接、足元をあっためるにはパネルヒーターがいい、というわけで、暖房機器がこれまでエスカレートしていた。そしてそのすべてに、デンキ・デンキ・デンキ!がかかった。原発の電気が。原発がないとあなたの快適な生活は終わりです、それどころか基本的な生活も脅かされます、というおどしがきくのは、私たちが電気依存症の悪循環に陥っていたからだ。
暖房方法の見直しとともに、がんばったのが家の断熱化である。まず、友人に勧められた『床下換気口ふさぎ』をやった。12月にやった当初は確かに暖房効率がよくなり、暖房を切るまでの時間が短縮された。床面があたたかいのだ。寒さが1カ月を超えた現在では、さすがに床下まで冷え切ったのか、効果は減少したようだが、それでも、朝一で暖房機をオンにするときの気温は、昨年までより1-2度高い。
それから、これ、『簡易二重窓』の制作である。
窓枠のところに4-5ミリの角材を並べて両面テープで張り、溝をつくる。そこに、窓枠の大きさに切ったPPプレートを差し込む。これを北側窓のある寝室、踊り場、トイレ、脱衣所に作った。ついでに、窓の上の換気口(格子の向こうは開閉式のプラスチック1枚のみ)にも、同じ素材、もしくは発泡スチロールを張り、二重化した。これによって、大粒の水滴が垂れるほどだった寝室窓の結露は、うっすらと曇るくらいになり、同じく結露のひどかった脱衣所は、ほとんど結露しなくなった。トイレには毎晩パネルヒーターを入れていたが、今年はまだ2回しか使っていない。これは簡単にできてお安い。PPプレート大判1枚500円を切る。これ二枚で寝室の腰高窓と小窓二つが処理できた。半透明のものを使えば、暗くもならない。障子を閉めるのより明るいくらいだ。
二重窓にできなかったところには、障子を復活させた。これもバカにならない。それもできないところには、発泡スチロールのパネルを置いたが、これだけでも床面の隙間風は画期的に減少する。
Last but not least.もちろん、寒さ除けの服装も決定的だ。この点でお勧めなのが、家族に大好評な「防寒スカート」である。私はアウトドア用の安いのがバーゲンで1000円ほどになっているのを買った。スカートだからって、これはもちろん男女兼用。というか、そんなことどうだっていいだろう。大変あたたかく、効果抜群である。
前フランス大統領のサルコジは、「脱原発なんてありえない、ロウソクで暮らす気か?」と脱原発派をおちょくったが、ロウソクで済むところならロウソクで暮らした方がいい。その方がはるかに快適だったりする。こんな脅し文句を並べながら国民を原発依存症に落とし込んでいったフランスは、原発を支えるアレバのウラン鉱山を守るため、つまり植民地防衛のために、いよいよ軍隊を派遣した。
そして、わが国の自民党はアルジェリアでの『企業戦士』の名誉の戦死を大義名分に自衛隊を海外に送って、『悲願』の『任務遂行のための武器使用』をさせようとしている(毎日)。
20世紀の帝国主義の時代と同じように、わが国の富国強兵論者は、21世紀にも、米・英・仏に後れを取ることなく、本物の戦争、本物の植民地獲得に乗り出したいのだ。逆走老人・石原慎太郎は、例によって近隣アジア諸国への人種的蔑視をあらわにして、日本をアジアで唯一の「近代国家」だと言ったそうだが、この「近代国家」とは、ご立派なお手本の旧世界帝国が示す如く、文明の行き届かない遅れた土地の頑迷なテロリストや取るに足りない愚民たちを、近代的かつハイテクに洗練された軍隊によって容赦なく支配し、爆撃し、銃撃する国家のことだ。その土地にある自分たちの利権を獲得し、守るために。
一方、幕末・明治初期、軍国ファシスト日本が定着する前に日本を訪れた外国人が驚嘆した「近代国家」以前の日本には、『プリミティブでインティメットな』(小津安二郎:『お茶漬けの味』)とでも言うべき、スローで高度な文明が存在していた(『逝きし世の面影』)。これを破壊したのは、言うまでもなく、今の自民党議員の何代か前のご先祖、同じ帝国主義的富国強兵論者、西洋コンプレックスにまみれた脱亜入欧の権力者たちだ。
すでに、最悪ともいうべき無残な結末に終わった極東の小国の精いっぱいの張ったり背伸び。ツヨーイ牡牛に負けてなるものかと腹ふくらませたカエルの滑稽な悲喜劇。原発から脱却することは、こういう体制から、わが「近代国家」を抜け出させる第一歩になるはずだ。そして、原発の電気を使わないで原発マフィア企業を干上がらせるのは、いかに個々の成果はそれだけでは小さいとはいえ、原発リセットへの確実な抵抗手段だ。さらにそれは、選挙に圧勝した自民党が涎を垂らして憧れるホンモノの軍事的先進国による好戦的な擬似植民地拡張にたいしても、車軸に砂粒を入れるような抵抗となるだろう。ドイツに続いて、日本が原発をやめられたら、ウランのために戦争することがますます正当化できなくなるからだ。
原発の電気を使わないことは、だから、いわば『世界史的意義』がある。
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原発事故前には、アナ恐ろしや、約1100kwhと、堂々4桁の電力消費であった我が家の最大消費もとは、言わずと知れたエアコンによる暖房だった。台所のガスファンヒータ以外、うちの主要暖房機はみなエアコンだった。昨年冬、これを何とかしたいと、ガス栓のある居間(ここのエアコンの電気使用がもっとも多い)に、ガスファンヒータを入れた。さらに、廊下や階段の仕切りに断熱カーテンを垂らし、ガラス戸だらけの玄関や、室内のふすまの仕切りに発泡スチロールを張って断熱を図った。電気こたつを導入し、絨毯の下にはアルミコーティングの断熱マットを敷いた。これだけの対策で50%を超える節電。むろんその分ガス代は上がったが、半減以上となった電気料金で十分おつりが来た。今年の冬はこれをさらに削減したくなり、いろいろ考えた。
居間のエアコンがものすごい量の電力を消費していることが分かったが、エアコンは、まだ二つの個室でがんがん使っていた。これをやめよう、ということで、ガス栓がないから、石油ストーブを導入した。うちはエアコン依存になる前は、石油ストーブを使っていた。それをやめた主な理由は、灯油買い出しの時の『重さ』だった。それを何とかするために、20Lではなく、半分サイズ10Lのポリタンを買った。
これで灯油の補給はがぜん楽になった。そして、うちから関電の原発電力で動くエアコンの稼働が消えた。ザマーみやがれ!原発関電!
それから火鉢を買った。
小さくて軽い『手あぶり』を友人宅で見せてもらって、がぜん気に入り、実際にやり始めてみると、素晴らしい。居間に置いているが、昨年導入のファンヒータを、今までは決してなかったことだが、一番寒いときでも一時的に切ることができる。正月のおもちもこれで焼いた。鍋も、具を次々に入れるタイプでないなら、これで十分いける。何よりあたたかい。室温をあげるというより放射熱でポカポカする。赤いおき火を見ているのもあたたかい。おかげで、アルミ掛けシートまで買って強化を図ったこたつはほとんど使う必要がなくなった。
火鉢の教訓は、局部的に熱を体に受けると、室温が低めでもとてもあったかいということだった。それなら、ということで、次にハッキンカイロを買った。これも大正解。使い捨てカイロは、中が金属でもったいな~い、とずっと思っていたので、常時使用はしたくなかった。ハッキンカイロのようなジワリとゆっくりしたあたたかさのおかげで、部屋が温まって暖房を切ってからかなり長い時間そのままでいられる。冷えでおなかをこわすことがよくあったが、その対策にもなった。
それから湯たんぽ。いろんなのが出ているが、うちは昔懐かしい波波ブリキの金属製。これを布団の中に入れるが、おかげで寝室暖房(これはデロンギヒーターで電気使用)がだいぶ節約できている。さらに、昼間はこれを机の下において、足元暖房に使う。これもあたたかいし、昨年まで使っていた電気のパネルヒーター(200wもある!)を入れる必要がなくなったので、節電効果は絶大。湯たんぽに入れるお湯は石油ストーブで沸かす。エアコンにはできない芸当だ。
体の一部をじわっとあたためるのは、エアコンで暖房した部屋の温度差のある環境より、負け惜しみではなく快適であるのがわかった。暖風を高いところから吹き付けるエアコン暖房ではどうしても足元が寒い。なら、サーキュレータを回そう。それでもいまいちなのは、きっと乾燥しているからだろうから、加湿器も入れよう。やっぱり直接、足元をあっためるにはパネルヒーターがいい、というわけで、暖房機器がこれまでエスカレートしていた。そしてそのすべてに、デンキ・デンキ・デンキ!がかかった。原発の電気が。原発がないとあなたの快適な生活は終わりです、それどころか基本的な生活も脅かされます、というおどしがきくのは、私たちが電気依存症の悪循環に陥っていたからだ。
暖房方法の見直しとともに、がんばったのが家の断熱化である。まず、友人に勧められた『床下換気口ふさぎ』をやった。12月にやった当初は確かに暖房効率がよくなり、暖房を切るまでの時間が短縮された。床面があたたかいのだ。寒さが1カ月を超えた現在では、さすがに床下まで冷え切ったのか、効果は減少したようだが、それでも、朝一で暖房機をオンにするときの気温は、昨年までより1-2度高い。
それから、これ、『簡易二重窓』の制作である。
窓枠のところに4-5ミリの角材を並べて両面テープで張り、溝をつくる。そこに、窓枠の大きさに切ったPPプレートを差し込む。これを北側窓のある寝室、踊り場、トイレ、脱衣所に作った。ついでに、窓の上の換気口(格子の向こうは開閉式のプラスチック1枚のみ)にも、同じ素材、もしくは発泡スチロールを張り、二重化した。これによって、大粒の水滴が垂れるほどだった寝室窓の結露は、うっすらと曇るくらいになり、同じく結露のひどかった脱衣所は、ほとんど結露しなくなった。トイレには毎晩パネルヒーターを入れていたが、今年はまだ2回しか使っていない。これは簡単にできてお安い。PPプレート大判1枚500円を切る。これ二枚で寝室の腰高窓と小窓二つが処理できた。半透明のものを使えば、暗くもならない。障子を閉めるのより明るいくらいだ。
二重窓にできなかったところには、障子を復活させた。これもバカにならない。それもできないところには、発泡スチロールのパネルを置いたが、これだけでも床面の隙間風は画期的に減少する。
Last but not least.もちろん、寒さ除けの服装も決定的だ。この点でお勧めなのが、家族に大好評な「防寒スカート」である。私はアウトドア用の安いのがバーゲンで1000円ほどになっているのを買った。スカートだからって、これはもちろん男女兼用。というか、そんなことどうだっていいだろう。大変あたたかく、効果抜群である。
前フランス大統領のサルコジは、「脱原発なんてありえない、ロウソクで暮らす気か?」と脱原発派をおちょくったが、ロウソクで済むところならロウソクで暮らした方がいい。その方がはるかに快適だったりする。こんな脅し文句を並べながら国民を原発依存症に落とし込んでいったフランスは、原発を支えるアレバのウラン鉱山を守るため、つまり植民地防衛のために、いよいよ軍隊を派遣した。
そして、わが国の自民党はアルジェリアでの『企業戦士』の名誉の戦死を大義名分に自衛隊を海外に送って、『悲願』の『任務遂行のための武器使用』をさせようとしている(毎日)。
20世紀の帝国主義の時代と同じように、わが国の富国強兵論者は、21世紀にも、米・英・仏に後れを取ることなく、本物の戦争、本物の植民地獲得に乗り出したいのだ。逆走老人・石原慎太郎は、例によって近隣アジア諸国への人種的蔑視をあらわにして、日本をアジアで唯一の「近代国家」だと言ったそうだが、この「近代国家」とは、ご立派なお手本の旧世界帝国が示す如く、文明の行き届かない遅れた土地の頑迷なテロリストや取るに足りない愚民たちを、近代的かつハイテクに洗練された軍隊によって容赦なく支配し、爆撃し、銃撃する国家のことだ。その土地にある自分たちの利権を獲得し、守るために。
一方、幕末・明治初期、軍国ファシスト日本が定着する前に日本を訪れた外国人が驚嘆した「近代国家」以前の日本には、『プリミティブでインティメットな』(小津安二郎:『お茶漬けの味』)とでも言うべき、スローで高度な文明が存在していた(『逝きし世の面影』)。これを破壊したのは、言うまでもなく、今の自民党議員の何代か前のご先祖、同じ帝国主義的富国強兵論者、西洋コンプレックスにまみれた脱亜入欧の権力者たちだ。
すでに、最悪ともいうべき無残な結末に終わった極東の小国の精いっぱいの張ったり背伸び。ツヨーイ牡牛に負けてなるものかと腹ふくらませたカエルの滑稽な悲喜劇。原発から脱却することは、こういう体制から、わが「近代国家」を抜け出させる第一歩になるはずだ。そして、原発の電気を使わないで原発マフィア企業を干上がらせるのは、いかに個々の成果はそれだけでは小さいとはいえ、原発リセットへの確実な抵抗手段だ。さらにそれは、選挙に圧勝した自民党が涎を垂らして憧れるホンモノの軍事的先進国による好戦的な擬似植民地拡張にたいしても、車軸に砂粒を入れるような抵抗となるだろう。ドイツに続いて、日本が原発をやめられたら、ウランのために戦争することがますます正当化できなくなるからだ。
原発の電気を使わないことは、だから、いわば『世界史的意義』がある。