福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

女にも原発の利権をよこせ!:毎日オバサンのちょっとお下劣な現実まやかし主義

2011-06-26 00:03:29 | 新聞
新聞委員の容子ちゃんが、学級会でいつものよい子のご発言。今日も先生にほめられました。「止まっている原発を動かそうとしても、おバカな住民の方たちが反対してうまくゆかなくて、ゆうだい君のおとうさんたちが困っています。みなさんの中にはこれで『国民投票なんかしなくたって脱原発』って騒いでいるケーハクなお友だちもいるけど、わたしは『それでいいの?』って言いたいんです・・・。」
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毎日新聞の発信箱で『日本も何かの時すぐ「この人」と推せる女性を育てておかないとね』とあたかも自画自賛する女性論説委員・福本容子(敬称略)は、原発反対・脱原発の非現実的軽薄さを告発する。・・・この暑さです、この電力不足です、電気料金の値上げです。こんな時にこともあろうにノーテンキな文学者は『「非現実的な夢想家」になり原発を排除していこうと呼びかけ』たりしている、と。とはいえ、お上品な容子ちゃんのことです。まずは『村上春樹さん、夢のない卑しい現実主義者でごめんなさい』と、大新聞の権威を女の媚にまぶして誇示し、侮蔑たっぷりにへりくだって見せる。その容子ちゃんご自身の「現実」とは何か。

『3.5兆円--。これは、原発が欠けた分を火力発電で補った場合、追加の燃料費として日本中の電気代に上乗せされる1年分の額。「標準的な家庭」だと年間1万2588円、月当たり1049円のアップ。・・・大きな工場などを抱えた大口さんは、・・・乗せ率が36%と家庭の18.2%より重くなる。・・・今より石炭や石油の値段が上がったり、円安になったりすれば、もっと高くなる。原発事故の賠償金は入っていない。』

、とアメリカで鍛えたやり手ヨーコは、女の武器を振りかざしてあなたの経済的劣情に訴える。私は知っています、文明の選択だの、子どもたちの健全な成長だのきれいごとを並べても、あなたの心が私と同じく『金勘定の話』で満ちていることを。あなたが10の3乗オーダーの値上げでもビビってしまうくらい、お見通しよ。そうして、毎日新聞の論説委員であるところの成り上がり容子は、自分が、愚昧な読者大衆にかわって彼らのために「現実」というものを定義する資格がある、と主張する。

『この夏以上の節電も必要になりそうだ。企業は耐えきれずに外国に出ていっちゃう? 雇用はどうなる? 税収は? 毎年の予算は? 10年後の高齢者の生活は?』


優等生・容子の現実には、たとえば「愛知県産その他」とまとめられた絹さやのセクションにこっそり福島県産を紛れ込ませる「組合員の生活と健康を守る」我らが生活協同組合などは含まれない(風評被害でごめんなさい、でも、私はそんな店では買い物しません)。容子の現実には、たとえば、福島県民は耐え切れずに県外に出て行かざるを得ないの?その人たちの雇用はどうなる?県外移住をじゃまするのは税収のためか?補償や事故処理のためにまともな予算は?10年後の子どもたちの健康被害は?などという問いを発する余地もない。容子の現実とは、要するに、電力ピークの夏前に何とか原発再開を勝ち取ろうという策略にもとづいて、操作された『数字の入った真剣な議論』をまぬけな大衆の現実とするように現実をかすめ取ることなのだ。

若くして原発推進防国婦人会報道部論説委員の地位にのぼった容子がホントーにイヤーなこと、ホントーに困ること、がまんできないこと、それは、よい子のキャリアウーマンが体を張って成り上がってきた現実を『なし崩し』に否定し、ご幼少からのオヤジロジックへの女房役的忠誠をあざ笑う現実、すなわち、厚顔無恥無知な大衆が突きつける『国民投票なんかしなくたって脱原発』という何とも『夢のない卑しい現実』なのだ。

容子がよい子らしく『原発には事故以外にも廃棄物処理とか長期的なコストがある。そういうのも全部含め、数字の入った真剣な議論を始めないと』と、生徒会会長のはつらつ女生徒のように言うのにだまされてはいけない。脱原発が非現実的な夢である以上、結論は最初っから決まっている。そこに『数字を入れる』なんて、デタラメ委員長やダマシタ博士やその後継者(容子のお友達にも候補者たくさんいることよ!)に声をかければわけのないこと。

ところでイケイケ容子には、もう一つほしいものがある。
若年にしてジャーナリストのキャリアを駆け上がったヨーコは、当然のことながらエリート・フェミニストだ。自分と同じように、マヌケでスケベなオヤジたちの壁を破ってトップを目指すインテリジェントでビューティフルな女たちの味方だ。しかしヨーコは、文科省官僚に向かって福島の校庭の土をなめろ、と言った悲壮な母親の味方ではない。殺処分になる牛を撫でさすりながら「牛飼いをいやだとおもったことは一度もない」と穏やかに言った酪農家の妻の味方でもない。原発で働いて白血病で死んだ息子のことを、怒りと悔恨を込めて語る老母の味方でもない。要するに、MITのマスターも持ってなくて、産業的に金にならない女の味方ではないのだ。容子のフェミニズムは『金勘定の話』にほかならない。

女にも原発の利権をよこせ!

セレブ・フェミニストのヨーコの言いたいことはこれに尽きる。




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