セ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)、ファースト・ステージ第2戦が昨日行われ、レギュラー・シーズンで2位のタイガースが同3位のカープと「0対0」で引き分け、「勝ち星が同じ場合は、レギュラー・シーズン上位のチームが勝者となる。」というルールにより、通算成績を「1勝1分け」としたタイガースが、ファイナル・ステージへの進出を決めた。
ジャイアンツ・ファンの自分としては、ファイナル・ステージで闘うのがタイガースにしてもカープにしても、非常に嫌な相手なのは変わらない。でも、「強いて言えば、何方が“より”嫌か?」と問われれば、「タイガース。」と答える。
短期決戦を勝ち抜くには色々な要素が必要となるが、一番重要なのは「投手力」だと思っている。「総合的な投手力の良さ」というのも在るが、其れ以上に「『此の投手が先発した時は、九分九厘勝てる。』と味方に思わせ、逆に敵チームには『勝つのは九分九厘無理。』と思わせる様な絶対的な投手が居るかどうか。」が重要。昨年で言えば、ゴールデンイーグルスの田中将大投手がそうだったし、嘗てのジャイアンツならば全盛期の斎藤雅樹投手や上原浩治投手がそんな存在だった。
ファイナル・ステージで闘う相手として、より嫌なのが何故タイガースなのか?其れは、タイガースのランディ・メッセンジャー投手が、そういった絶対的な投手だからだ。「そんな事は無い。」と言われる方も居るだろうが、少なくともジャイアンツ・ファンの多くは、彼に対してそういうイメージを持っていると思う。ジャイアンツに“1勝分のアドヴァンテージ”が与えられているとはいえ、メッセンジャー投手が先発した試合にジャイアンツが負けを喫する可能性が非常に高い事を考えると、ジャイアンツのアドヴァンテージは在って無きが如し。
ジャイアンツの先発投手で、メッセンジャー投手と伍せるとしたら、其れは菅野智之投手だろうが、右肘靭帯部分損傷で戦列を離れており、「復帰出来たとしても、日本シリーズから。」というのが最短で、其れすらも希望的観測に過ぎない。兎にも角にも、ファイナル・ステージで勝ち抜かなければ、日本シリーズへの進出自体が不可能なのだし。
(ジャイアンツ・ファンの自分の)トラウマになっているのは、「2007年のセ・リーグのクライマックス・シリーズ」だ。此の年にリーグ優勝を決めたジャイアンツが、同2位だったドラゴンズに第2ステージ(今のファイナル・ステージ)で敗れ、日本シリーズ進出を逃した。「2010年のパ・リーグのクライマックス・シリーズ」でも、「リーグ優勝を決めたホークスが、同3位のマリーンズにファイナル・ステージで敗れ、日本シリーズ進出を逃す。」という“大逆転劇”が在ったけれど、大逆転を食らわした方は“天国”だが、食らった方は“地獄”以外の何物で無い。