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「患者等の暴行・暴言、医師・看護師の4割超経験」(3月30日、読売新聞)
東京都内の11の私立大付属病院に勤める医師や看護師等約2万人の内、2011年12月迄の1年間に、患者や其の家族等から暴行や暴言等の「院内暴力」を受けた人が4割に上る事が、私立大学病院医療安全推進連絡会議の調査で判った。
同会議は「診療の妨げになり兼ねない。院内暴力への対応体制の充実が急務だ。」としている。
調査は2011年12月、慶応大病院や慈恵医大病院等都内11病院の本院に勤務する全職員2万9,065人を対象に行い、2万2,738人から有効な回答を得た。
「院内暴力」を受けた人は1万79人(44.3%)に上った。暴力の内容(複数回答)では、「暴言」が41.5%で最も多く、「身体的暴力」(14.8%)、「セクハラ」(14.1%)が続いた。院内暴力に不安を感じる人は、86.3%に上った。
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此の元記事、見出しをサラッと流し読みした際には、「医師や看護師による患者への暴行&暴言が4割超え」なのかと勘違いした。「我が儘言いたい放題だったりと、手を焼かせる患者が少なく無いので、暴行&暴言に及んでしまう医療関係者が、こんなにも多くなってしまったのかなあ?」と思ったりしたのだが、善く善く内容を読めば全く逆で、「患者から暴言&暴行を受けた医師や看護師が4割超え」という事だった。
別の記事によると、「50~70代の患者に、院内暴力を振るうケースが多く見られる。」のだとか。以前にも書いたけれど、「何の落ち度も無い駅員に暴行を働く輩には、中高年も少なく無い。」という話を見聞した事が在る。病で気が滅入っているのは判らないでも無いが、だからと言って憂さ晴らしで、医師や看護師に対して暴行&暴言に及ぶ事が許される訳は無い。
院内暴力の中には「患者が振り回した松葉杖で、医師が殴り倒された。」とか「患者が刃物をちらつかせ、脅された。」なんてケースも在ったそうで、こういうアホは警察に委ねるべき。医師や看護師の安全を守るという点でもそうだが、他の患者達の安全を守るという点でも、警察を絡ませないと無理。
知り合いが以前、余りに非礼で小馬鹿な対応を医師からされ、悔し涙を流していた事が在る。程度の差は在ろうが、「真面なコミュニケーション能力を有さず、患者を虫螻の様に扱う医師や看護師。」は確かに居る。そんな連中に対して腹立つ患者の気持ちは理解出来るけれど、だからと言って彼等に暴行&暴言で返すとなると、其れは同じ穴の貉だ。誰で在ろうと、理不尽な行為は許されない。
病気に罹患した際、其れも程度が重かったり、原因が判らなかったりすると、患者がイラついたりするのは理解出来ます。特に真っ当な対応が出来ない医師や看護師に出くわしたりしたら、本当に腹が立つし。
でも、だからと言って暴力に及ぶ等、“度を越した言動”は許されない。患者も人間ならば、医療従事者も同じ人間。互いに最低限の節度を有し、応対しないと社会は成り立ちませんから。
セクハラやパワハラなんぞは、相手の立場が弱い事を悪用した、実に卑劣な行為。此れも、絶対に許される事では無い。
俺も血小板が正常値が130000に対して5000まで減少しました(結局最後まで原因不明)
この時は目に見える症状では無いし原因が分からないしイライラしてました
しかしセクハラはイカンですね
こう言う人は難病とか軽症に関係無く本能の赴くまま行動するんでしょうね(ある意味羨ましいです)
「御客様は神様です。」とは、三波春夫氏の有名な決め台詞ですが、近年は「客」で在る事を“悪用”し、店員を奴隷の如く扱ったり、常識外の要求をしたりする輩が目に付きます。こういう輩は仮にリピーターになったとしても、店に対してプラスよりも遥かにマイナスを与えると思うし、自分が雇用主の立場だったら、「こういう輩は客では無いので、摘み出しても構わない。」と店員に指示したくなる。
マスメディアを中心に、「教師=全て悪」といった論調が一時期は盛んでしたよね。其の結果、生徒も親も教師に対する理不尽な言動が多くなり、教師は教師で“世間の目”が厳しいから反論すら出来なくなった。そして“心”を病んだ教師が辞めたり、長期入院したりする問題が。
教師の中にも、勿論“質”の悪い者は居る。そういう連中は厳しく非難されて然るべきだし、辞めたりしても自業自得。でも、必死で頑張っている教師は、きちんと守られなければいけない。
一方、教師に対して文句を言う親を、十把一絡げにして「モンスター・ペアレント」と称し、全てを排除しようとするのも問題。おかしな事に対しては毅然と文句を言うべきだし、そういう人を排除するのはおかしいから。
今回の記事を読んで、今の教育界の問題とダブる部分を感じました。仰る様に「一定の線引き」は絶対に必要だと思います。
医療機関側も「ここまでは快くさせていただく。ここからここまではケースバイケース、こういう要求は毅然とした対応をする」という具体的な線引きというかガイドラインのようなものを作って職種を問わず共有し、外部にも公表すればよいのではないかと考えます。4割もの医療関係者が暴言・暴力を受けたということは、もはや個人の対人スキルまかせにしていて済むレベルではない。医療関係者や他の患者の安全を守るため、悪質な場合は警察への通報もアリだと思います。ただ、医師の説明に対して納得いかない点を質問してくる“都合の悪い患者”を隔離するために悪用されないよう注意は必要ですが。一方で、訴訟に対する萎縮が救急受け入れ拒否の要因ともなっているので、患者に配慮しすぎても医療者側を萎縮させ、医療の規模を縮小させかねない。この記事に出てくる医療安全推進連絡会議のような団体がイニシアチブを取らなくてはならないかもしれません。