ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

外交感覚

2008年07月10日 | 政治関連
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加藤氏『拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった』と発言 家族会・救う会が抗議声明」(7月9日、産経新聞

自民党加藤紘一幹事長拉致被害者5人に付いて国家と国家の約束だから北朝鮮に返すべきだった。と発言した事を巡り、拉致被害者家族会飯塚繁雄代表)と「救う会」(藤野義昭会長)は9日、「拉致被害者や家族の思いや不安を全く理解しようとしない加藤氏に強い憤りを覚える。」と抗議声明を出した。

加藤氏は7日夜のBS番組で、小泉純一郎首相(当時)が訪した平成14年秋、拉致被害者5人が帰国した際、政府が5人を北朝鮮に返さないことを決めた事を当時官房副長官だった安倍晋三前首相を中心に(拉致被害者を)返すべきでないと決めた事が日朝間で拉致問題を打開出来ない理由だ。返していれば『じゃあ又来て下さい。』と何度も何度も交流していたと思う。其処が外交感覚の差だ。等と発言。金正日総書記が拉致問題を認め、謝罪した事に付いても「天皇陛下みたいな人物だ。」と述べた。

「家族会」と「救う会」の抗議声明では5人が北朝鮮に戻されていれば『自分の意思で戻った。』と言わされた挙句『拉致問題は解決済み。』という北朝鮮の主張に利用されたで在ろう事は少しでも外交感覚の在る人には明らかだ。と指摘。「不見識極まりない発言だ。加藤氏の精神構造を強く疑わざるを得ない。」と批判した。
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加藤氏の今回の発言、正論は正論だ。国家間で取り決めた事柄をどちらか(乃至は双方)が破れば、全てが御破算になってしまう可能性は極めて高いだろう。だがしかし、正論だけでは通らないのがこの世の中。彼の主張は真っ当な国家を相手にした場合は正論だが、北朝鮮の様な国を相手には現実味を持たない。と思う。

加藤氏は又、「北朝鮮に拉致被害者を返すと殺されてしまうという意見も在るが、そんな事が出来る訳が無い。」とも主張したとか。世界的に注目されている事柄故、確かに殺される事は無いかもしれないが、強制収容所厳然と存在し、思想教育が日常的に行われているという国家では、それこそロボトミー手術で“生きた”にされてしまう可能性が全くゼロとは言えない。諸々を考え合わせると、拉致被害者を帰すべきでは無かったし、今回の主張に関しては加藤氏に外交感覚の無さを感じる。

唯、以前の記事でも触れた様に、勇ましく北朝鮮を責め上げ乍ら、裏ではの国(乃至は朝鮮総連)とベッタリの関係に在ると噂される政治家も居る事は留意しなければならないだろう。

あくまでも今回の主張に関しては全く同意出来ないが、これ迄の加藤氏の言動の中には同意出来る部分“も”無い訳では無い。「奴は左だから。」とからその言動を否定する姿勢は、総合判断を誤らせる結果にも繋がりかねない。どういう方向の主張で在れ、先ずは虚心坦懐に耳を傾け、その結果「それはおかしい。」とか「正にその通り。」といった様に判断するのがベターだろう。とは言え北朝鮮に対しては、穿った見方を取り除くのは難しいが。

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10 コメント

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>マヌケ様 (giants-55)
2008-08-06 22:19:13
書き込み有難う御座いました。

話には聞いていましたが、実際にこういった問い合わせってしてるんですね。一寸吃驚でした。でも仰る様に、相手が素直に答えるかどうかも極めて怪しい。又、社会保険庁の窓口の如く、厄介な仕事は全てバイトに丸投げといった感じもして、その辺も嫌~な感じがしたりも。
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今日の出来事 (マヌケ)
2008-08-06 21:17:50
今日の昼過ぎ、三井住友銀行から電話がありました。 海外送金37万円についての問い合わせらしく、部下が話すのを聞き耳を立てていました。 が、突然部下がキレて「なんでうちがチョンコロに金やらめぐんでやるんじゃ」?驚いて受話器をむしり取り、最初から話をうかがうと、金融庁の指導で外国送金が北朝鮮関係の送金かどうか電話で問い合わせをしているということでした。  バンコクにある駐在所に毎月送金する何らかの経費をこれから毎回毎回北朝鮮関係の送金ですか?違いますか?と問い合わせるのですかと逆に質問したところ、おそらくはパートさんだったのでしょう、申し訳ないような口ぶりで、国からの指導なんです・・・ということでした。 これがもしかして、いわゆる北への送金を厳しく取り締まるという例のあれ?なのでしょうか? こんなしょうもないことで厳しく取り締まれるのでしょうか? そもそも電話で問われてハイそうですなどと言うバカはいないでしょう。 あきれました。 そのあと、部下と、じゃあ今度電話があったら「えっ!」とか「やばっ!」とか言ってみようかなどとマヌケなことを言い合いました。 かっこだけクールビズで28度以上に設定されたぬる~いオフィスで、頭がぼ~っとしながらアホな会社におけるマヌケなひとコマになってました。
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言いたいことは分かるけど (Spa supernova)
2008-07-11 13:25:50
でもそうしたら、石川の寺越母子と一緒になっちゃうでしょと思います。ああいう生殺しかつ政治家のカードを増やすのは許さない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E8%B6%8A%E6%AD%A6%E5%BF%97

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Euro/1880/people_5.html

確かに外交は冷酷なものだと思うし、個人の生命財産人権を守るために全力をあげると表向きは言いつつ、な事柄は多過ぎるのは分かっていますが…。

多分、「永住帰国させる」ことをもっとハッキリさせる。帰国を焦らない。これが大事だったのかもしれないけれど、そううまく行けばこんなに苦労はしなかったのかもとも思います。

うーん難しい!

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融和主義なんてものではない。 (アラメイン伯)
2008-07-10 22:23:02
確かに一つの方向に世論がながれるのは危険な部分もあるでしょう。僕は賛成しませんが北朝鮮といえども妥協が必要な場合もあるかもしれません。しかし拉致された人達を返したほうがよかったというのは融和をとおりこして敗北主義です。まるで国家のために個人に犠牲になれと言ってるみたいです。これでリベラル派っていうんだから、あきれます。
一個人の生命財産人権を守るために全力をあげるのが民主国家のあるべき姿です。
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>ケリー様 (giants-55)
2008-07-10 15:24:10
書き込み有り難う御座いました。

他者の事をどうこう言えませんが(笑)、我が国の国民性の一つに「一方向に極端に流れてしまう思考」というのが在りますよね。「鬼畜米英」を国民の多くが唱え乍ら、敗戦となるとあっと言う間に欧米文化を嬉々として取り入れた。こういった極端な思考がまま見受けられるので、「勇ましい言動=全て正しい」という熱に浮かされた様な風潮には留意しなければと、自戒を込めて思います。

御紹介戴いたリンク先拝見しました。鈴木邦男氏、北朝鮮に乗り込んでおられたんですね。個人的に右翼だ左翼だと呼ばれる人にシンパシーを感じる事が皆無に等しいのですが、当ブログで過去に何度か記している(http://210.165.9.64/giants-55/e/02988eca4869f05a76ebb267c748051c)様に、彼の主張には頷ける部分が結構在るんです。端から自身の主張を押し通そうとするのでは無く、先ずは状況分析を冷静に行った上で、自身の主張を構築して行く。

どういうフィールドの人で在れ、拉致被害者の救出を真摯に願う人達の力で、事態が良い方向に進めばと願うばかりです。
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うーん、 (ケリー)
2008-07-10 14:04:54
天皇陛下とキムジョンイルが同じような性質の人とは思えないけれど、確かに冷静に考えれば、安倍氏一派のやり方はヒステリーすぎたろうなあ、と思うのも確か。
今、家族会からちょっと距離を置いているらしい蓮池透さんも反省の弁みたいなことを言っていたし。でもあの頃にその考えが皆にあったかどうかは疑問だなあ。一億総ヒステリーでしたから。

http://matutake-n.blogspot.com/2008/06/blog-post_15.html

今後はどうなるかわからないけど、意外とこういう「外様の人」の草の根努力が解決の一助になるということもあるから、無視できないですよね。

http://kunyon.com/shucho/080505.html

この人とかもね。

よく石原氏とかは「国が国が!」と連呼するけれど、こういう事案では結構アンダーグラウンド勢力が暗躍するもんだろうと思ってるので。
多分、昔の探偵物ドラマみたいに結局は国家権力の手柄になるんだろうけれど。



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>tak様 (giants-55)
2008-07-10 10:39:44
書き込み有り難う御座いました。

上で通りすがり様宛に書かせて貰ったのですが、「近年は勇ましい言動が、盲目的に支持される。」という風潮が強い様に感じられ、その意味では「それ一寸違うんじゃないの?」と異論を唱える存在は貴重の様に思います。芸能界やスポーツ界でなら未だしも、政治の世界で「勇ましい言動=全て支持」という風潮は何とも薄気味悪く、“今回の主張は同意出来ない”ものの、正論は正論として吐く加藤氏を自分は全否定出来ないでいます。或る事柄に対して賛意を唱える人間よりも、強く反意を唱える人間の方が実は100%賛意者だったなんてケースも在り得ますしね(苦笑)。
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>通りすがり様 (giants-55)
2008-07-10 10:32:40
書き込み有り難う御座いました。

訪朝団の団長を務め、帰国後は「俺を通さないと、北朝鮮ではビジネスが出来ないぞ。」と豪語したとされる大物議員を始めとして、自国民(拉致被害者)を売ったとしか思えない議員がこれ迄に多く居ました。加藤氏もそんな噂をしばしば耳にする議員の一人では在りますが、その言動が全て誤っているとも思えないんです。「勇ましい言動をすれば、全て正しい。」とされる風潮が全般的に在る近年、「それは一寸違うんじゃないの?」と異論を唱える存在は貴重とも言えます。(今回の主張には同意出来ませんが。)

「過去の責任を認め、謝罪した。」という点で、加藤氏は「天皇」という言葉を使用したのでしょうね。唯、この使い方も誤解を招きかねない事は確かかと。

今後とも何卒宜しく御願い致します。
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Unknown (tak)
2008-07-10 08:59:04
加藤さんのその言葉だけを取り上げてみるとそういう解釈も成り立ちますが、その前後ってどうなっていたんでしょう。。。それが彼の本意なのかしら?と思ってしまいます。
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加藤氏は正論 (通りすがり)
2008-07-10 03:25:33
金正日=天皇陛下

正に金正日こそ天皇に匹敵する人物である。
こういう認識を持った人が国会議員の中に
おられる事を知り、まだまだ日本も捨てたもの
じゃ無いと安心しました。加藤紘一氏の益々の
活動と、勇気ある発言を期待しています。
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