セ・リーグでの優勝に直走る今季のジャイアンツだが、前半に関して言えば、“足のスペシャリスト”として活躍した増田大輝選手は、チームの勝利に大きく貢献した選手の1人だ。「彼が代走で送り出されると、盗塁に成功して得点に繋げる。」というのが当たり前の光景だったので。記憶違いで無ければ、「10数回の盗塁を成功させ、失敗は2回だけ。」という状況も在った。
ところが、最近は盗塁失敗が続いている。10月6日の試合終了時点では、「盗塁成功:17回、盗塁失敗:5回、盗塁成功率:.773」となってしまった。盗塁成功率が7割を超えるというのは凄い事なのだけれど、「盗塁すれば、成功は当たり前。」という感じの前半と比べてしまうと、「どうしたのかなあ?」と思ってしまう。「盗塁する際の癖が見破られてしまった。」等の理由が在るだろうけれど、早い段階で盗塁を試みるのが普通だった増田選手にしては、試みるタイミングが遅くなっている様なのも気になる。
「10月6日の試合終了時点で、セ・パ両リーグ其れ其れで、今季の盗塁数が上位20位迄の選手。」を対象に、盗塁成功率ベスト9を調べてみた所、次の様になった。
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「今季の盗塁成功率ベスト9」(10月6日の試合終了時点)
1位: 佐野皓大選手(盗塁成功:15回、盗塁失敗:0回、盗塁成功率:1.000)/島内宏明選手(盗塁成功:8回、盗塁失敗:0回、盗塁成功率:1.000)
3位: 周東佑京選手(盗塁成功:30回、盗塁失敗:3回、盗塁成功率:.909)
4位: 西川遥輝選手(盗塁成功:28回、盗塁失敗:4回、盗塁成功率:.875)/和田康士朗選手(盗塁成功:21回、盗塁失敗:3回、盗塁成功率:.875)
6位: 福田周平選手(盗塁成功:10回、盗塁失敗:2回、盗塁成功率:.833)
7位: 荻野貴司選手(盗塁成功:14回、盗塁失敗:3回、盗塁成功率:.824)/堂林翔太選手(盗塁成功:14回、盗塁失敗:3回、盗塁成功率:.824)
9位: 上林誠知選手(盗塁成功:8回、盗塁失敗:2回、盗塁成功率:.800)/藤岡裕大選手(盗塁成功:8回、盗塁失敗:2回、盗塁成功率:.800)/吉川尚輝選手(盗塁成功:8回、盗塁失敗:2回、盗塁成功率:.800)
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盗塁成功率100%の佐野&島内両選手が凄いのは言う迄も無いが、倍近くの成功回数を記録して、尚且つ3位と4位に入った周東&西川両選手は本当に凄い。
因みに増田選手は、12位の近本光司選手(盗塁成功:22回、盗塁失敗:6回、盗塁成功率:.786)に次ぐ13位となっている。
“盗塁王”と言えば自分の世代は、“世界の盗塁王”と呼ばれた福本豊氏の名前がぱっと思い浮かぶ。盗塁王獲得回数「13回」と通算盗塁数は「1,065回」は共にNPBで1位だが、盗塁成功率は「.781」(盗塁失敗:299回)と8割を割っている。イメージ的にはもっともっと高い率の様に思っていたので、意外な事実だった。(通算盗塁ランキングでは2位のイチロー氏が「盗塁成功:708回、盗塁失敗:150回、盗塁成功率:.825」と、盗塁成功率では福本氏を上回っている。)
ジャイアンツ・ファンの自分にとって、“足のスペシャリスト”と言って思い浮かぶジャイアンツOBは柴田勲氏(盗塁成功:579回、盗塁失敗:193回、盗塁成功率:.750)、松本匡史氏(盗塁成功:342回、盗塁失敗:103回、盗塁成功率:.769)、そして鈴木尚広氏(盗塁成功:228回、盗塁失敗:47回、盗塁成功率:.829)といった所だが、鈴木氏は別にして、柴田&松本両氏はもっと高い率(8割越え)かと思っていた。
盗塁失敗が続いている増田選手。其の事が原因で、盗塁を試みるタイミングが遅くなっているのだろうか?失敗を恐れずに、ガンガンと試みて欲しい。