ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「義経」

2005年11月27日 | TV番組関連
タッキーを始めとして稚拙な演技の役者が目立つとか、ストーリー展開にメリハリが無い等、何かと酷評を見聞する大河ドラマ義経」。視聴率でもかなり苦戦している様なのだが、歴史好きという事も在って自分はずっと視聴している。今夜は、このドラマのクライマックスの一つになるで在ろう「安宅の関」の回だった。

兄で在る源頼朝不興を買い、その追っ手から逃れる為に都落ちする義経一行。そんな彼等が加賀国、今の石川県に義経を捕らえる為に設けられらた安宅の関で、関守の富樫泰家見咎められた際、従者の弁慶当意即妙機転で切り抜けた話は、歌舞伎の演目「勧進帳」でも有名だ。(自分は手塚治虫氏の作品で初めてその内容を知ったのだが。)又、義経ではないかと疑った富樫泰家に対して、その疑いを晴らさんが為に、「おまえのせいで疑われたではないか!」と主君の義経を涙ながらに何度も金剛杖で打ち据える場面や、義経一行だと正体を見破りながらも、主君を思い遣る家臣弁慶の姿に胸を打たれ、騙された振りをして見逃す富樫泰家の姿は、判官贔屓な国民性の我が国に在って、多くの人の心に残る逸話で在ろう。

数年前に、初めて石川県を旅行した際、降り立ったのは小松空港だった。空港を出て当初予定していた目的地に向かおうとしていた自分の目に飛び込んで来たのが、安宅の関という指示板だった。そう、石川の地に降り立つ迄、安宅の関が其処に在るのをすっかり忘れていたのだった。そこで急遽予定を変更し、安宅の関に向かったのだが、観光地に在りがちな派手派手しさの無い、ひっそりとした場所だったのが意外でも在り、それ故に心地良さも在った。この地で義経や弁慶が窮地を逃れたのかと、しばし悠久の歴史の流れに身を置いた一時だった。*1

名場面で在る弁慶が義経を打ち据えるシーンでは、恥ずかしながら滂沱してしまった。主君を思い、涙ながらに打ち据える弁慶。そして、黙って耐える義経。マツケンもタッキーも良い芝居をしていたが、何と言っても光ったのが富樫泰家役の石橋蓮司氏。良く「目で芝居をする」という言い方が在るが、正にそれを実践した素晴らしい演技だった。彼の存在が在ったからこそ、義経と弁慶の姿が増幅されて際立ったとも言える。

いよいよ最終回に向かってラストスパートの掛かる「義経」。年と共に緩くなった涙腺が、何度開かされる事になるのだろうか。

*1 安宅の関から、「松井秀喜 野球の館」(12月8日からは、松井秀喜ベースボールミュージアムとしてリニューアル・オープンされるそうだが。)が近いのも全く知らなかった。ジャイアンツ・ファンで在り、大の松井ファンなので当然の如く訪問させて貰った。
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8 コメント

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安宅関 (りさ・ふぇるなんです)
2005-11-28 00:47:03
息子が歴史ファンなので(成績とは無関係)ずっと観ています。



石橋蓮司さん、珍しく良い人役でしたね。



この大河では、ちょっと義経が良い人すぎる気もしますが、頼朝役の中井貴一なんて素晴らしいです。

息子もすっかり中井頼朝ファンです。



私は法皇様が大のお気に入りです。

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観れば良かった (自選孝)
2005-11-28 02:25:07
giants-55さんのエントリーに触発され、本棚から「頼朝」の本を引っ張り出してきました。

大河ドラマの「義経」は観ていないのですが、記事を読んで弁慶のシーンが頭に浮かび、少し涙腺が緩みました。観たかったですね(土曜日に再放送があればチェックしたいと思います)。

弁慶の描き方に興味があったので、序盤は観ていました。時代劇に馴染みが無い為、そのうち観なくなってしまいましたが、観続けていたらキャラクターの魅力に引き込まれていたかもしれないと思うと悔やまれます。



テレビドラマやその出演者には批評や批判は付き物ですが、大河ドラマは往々にしてその対象にされがちですね。滝沢秀明さんへの批判、私も目にした事があります。

ただ私の場合、メディアに出ている殆どの人に対しては、華やかな舞台に登るまでの過程で険しい道を乗り越えたのだろうと言う想いを強く持っているので、ドラマを観て役者の演技に難癖をつける事はあまりしません。



まああまり持ち上げるのもおかしいので「あれ?」と思ったら言う事はありますが、内容に満足できればそれ程芝居に目くじら立てる事はないですね。
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名優蓮司 (ひなすけ)
2005-11-28 06:35:29
確かに目がいいですね。

ただの酔っ払いから切れ者の本性をむき出しにした瞬間とか、静かの笛を弁慶が本気で踏み折ったときの、主従の覚悟を悟った瞬間とか。

能でも歌舞伎でも、安宅関・勧進帳は実は富樫が主「軸」なんですよね。主従の席の通し方で観客を納得させなければいけない、至難の役です。
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目で (ryi)
2005-11-28 07:34:36
演技する。

なかなか出来ませんよね・・・。

主役がそれが出来たらもっといいドラマになった気もしますが・・・。
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目は口ほどに・・・ (syuu)
2005-11-28 08:56:21
 私がよく見ているCSの時代劇チャンネルで、以前松方弘樹がインタビューを受けていたのですが、そこで、松方氏がやはり、「時代劇は目で芝居をする」と言っておりました。また「最近は、目で芝居をできない役者も多い」とも。

 目は口ほどに物を言う、とも言いますよね。素晴らしい演技は、言葉ではなく、ふるまいや、目、表情だけでもしっかり伝わるものなのですね。

 タッキーも素晴らしい役者さんたちから、たくさんのことを学んで、いい役者として成長してくれるといいですね。
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>ryi様 (giants-55)
2005-11-29 14:31:03
初めまして。書き込み及びトラックバック有難うございました。ryi様のブログの方に書き込みさせて戴こうと思ったのですが、書き込み出来ませんでしたので、こちらに書かせて戴く失礼を御許し下さい。



石橋蓮司氏の演技、他のブログでも多くの方が絶賛されていますね。”心の揺れ動き”を上手く目で演じておられたという声が多かった様に思います。得てしてああいった場面では、過度に目で演じてしまうものですが(青木さやか的と言えば良いかもしれませんが(笑)。)、自然体での目の演技は素晴らしかったです。



平幹二朗氏演ずる所の後白河法王も、一般に持たれている彼の狡猾さを上手く演技されている等、演技力に冴えの見せる役者に囲まれての主役のタッキーも非常に大変だとは思います。個人的には、拙さは在るものの、一生懸命さが伝わって来る彼を評価して上げても良いかなという気持ちは在ります。



これからも宜しく御願い致します。
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良かったですね (くみこ)
2005-11-29 21:17:46
タッキーファンとして楽しく義経を見てますが、先日の放送は、マツケンの弁慶と石橋蓮司氏の演技に釘付けになりました。目が離せない…とはこのことでしょうね。

石橋氏の渋い演技は、人形劇三国志の関羽も思い出しました!
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DVD (くみこ)
2005-11-30 13:13:16
人形劇三国志のDVDをお持ちでしたか!!

わたしはのどから手が出かかってるんですが、なんせ¥が高くて行動に移せません^^;

人形劇とは思えない素晴らしい出来ですよね。声優を勤めた俳優人が素晴らしい事も大きいです。

紳紳と竜竜も今は懐かしいです。



お互いに人形劇好きのようですね。フフフ♪



タッキーは演技がだんだん上達してきましたよね。

本人の頑張ってきた成果なのでしょう。

さらに応援します!

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