ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」

2011年11月03日 | 映画関連

映画が大好きで、此れ数多の作品を見て来た。一番好きな作品は断トツで「風と共に去りぬ」(10数回見ている。)なのだが、SF作品の中では「猿の惑星シリーズ」が一番好き。

 

1968年から1973年に掛けて公開された「猿の惑星」から「最後の猿の惑星」迄の全5作品を、一般的には「猿の惑星シリーズ」と呼んでいる。個人的には 第一弾の「猿の惑星」、そして第二弾の「続・猿の惑星」は“名作”と思っているけれど、其れ以降は遣っ付け仕事的な感じがして高く評価していない。

 

2001年に公開された「PLANET OF THE APES/猿の惑星」は1968年の「猿の惑星」のリメークという事で映画館に足を運んだが、「猿が人間を支配している。」という基本設定は変わらないけれど、ストーリー的には全く別物の作品だった。映像的には1968年版を凌駕していたとは思うが(初めて見た時の“衝撃度”で言えば、1968年版に遠く及ばないかも。)、作品の持つ“深み”という点では1968年版が勝っているというのが、自分の評価。

 

そして今回観に行った「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」は、「新シリーズの起点」という位置付けという事だ。

 

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サンフランシスコの製薬会社研究所に勤める神経化学者ウィル(ジェームズ・フランコ氏)が実験用に観察していた1匹のチンパンジーに驚くべき知能が示された。其のチンパンジーには開発中のアルツハイマー病の新薬が投与されていたが、突如暴れ出し、警備員に射殺されてしまう。だがそのチンパンジーは妊娠しており、ウィルは生まれた許りの赤ん坊猿を自宅に連れ帰り“シーザー”(アンディ・サーキス氏)と名付けて育てる事にする。

 

3年後、ウィルのですくすくと育ったシーザーは、家の中を縦横無尽に駆け回る様になった。ウィルとシーザーとの間には強いが生まれており、同時に母親のチンパンジーの特殊な遺伝子を受け継いだ彼は、類い稀な“知性”を発揮し始めて行く。

 

新薬が脳を活性化させる効果を確信したウィルは、研究所から持ち出した其の薬をアルツハイマー病の父・チャールズ(ジョン・リスゴー氏)に投与。すると翌朝、彼は其れ迄悪化していた病状が嘘の様に、生気を取り戻す。

 

5年後、ウィルは動物園の獣医キャロライン(フリーダ・ピントーさん)相思相愛の仲になり、体長5フィートにもなったシーザーは、より複雑で多様な感情を表す様になっていた。そんな折、チャールズが再び病状悪化の兆候を示し、隣人とのトラブルを引き起こす。其の様子を屋根裏部屋から目撃したシーザーは、チャ-ルズを助けようとして、其の隣人を傷付けてしまい、霊長類保護施設に入れられる。

 

に閉ざされた施設で、シーザーを待ち受けていたのは飼育長の陰湿な虐待だった。其の一方で、中々施設内の“猿のコミュニティー”に溶け込めずにいたシーザーは、チンパンジーの群れを率いるボスとの争いに勝利を収め、全ての猿達を1つのグループに纏め上げて行き・・・。

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「猿が人間を支配する前段階」を描いた作品なのだろう。「新薬の投与により、猿が極めて高い知性を得る。」という設定は“今風”で在り、其れは其れで悪くないストーリーだと思う。

 

範疇で言えば「SF映画」なのだろうけれど、個人的には「アクション映画」という方がしっくり来る。CGI技術による猿達の姿は凄いし、切れの在るアクション・シーンも迫力満点。

 

ざっくり言えば、2つのテーマから構成されている。1つは「迫害する側と迫害される側の対立」で、もう1つは「ウイルスの恐怖」。猿の惑星シリーズでは「チンパンジーやゴリラオランウータンには其れ其れユダヤ人黒人白人擬え人種差別問題を風刺している。」や「ベトナム戦争への問題提起。」等、“時代が抱えた根深い問題”をテーマとしていたが、其れ等に比べると正直深みが感じられなかった。

 

「霊長類保護施設に入れられている“普通のオランウータン”が、いきなり手話で会話してくる。」というのは、幾ら其のオランウータンがサーカスで手話を仕込まれたという設定だとしても、無理を感じてしまう。面白い作品なのだからこそ、そういった疑問を感じる設定は残念。猿の惑星シリーズのファンとしては、「シーザー」や「コーネリアス」という名前が登場したのは嬉しかった。

 

総合評価は星3.5個


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