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「法案反対57、欠席・棄権16・・・民主は分裂状態」(6月26日、読売新聞)
消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革関連法案は26日午後、衆院本会議で採決され、民主、自民、公明、国民新、たちあがれ日本の各党等の賛成多数で可決、参院に送付された。
関連法案の内、消費税法改正案の採決では、民主党から小沢一郎元代表グループを中心に57人の議員が反対票を投じ、16人が欠席・棄権した。野田首相が政治生命を懸ける重要法案で大量の造反が出た事で、民主党は分裂状態に陥った。
関連法案は7月上旬に参院で審議入りし、7月下旬にも成立する公算だ。
与党の勢力は国民新党を加え、292人。民主党から54人以上が離党すると、少数与党になり、内閣不信任決議案を単独では否決出来ない等、政権運営は厳しくなる。此の為、57人の反対票が出た事を、民主党執行部は深刻に受け止めている。唯、小沢氏は新党結成を視野に入れているものの、反対票を投じ乍ら離党を否定する小沢グループの議員も居る。党内では「直ちに政権運営が行き詰まる訳では無い。」との見方も出ている。
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社会保障・税一体改革関連法案が衆議院で可決されたのを受け、昨夕、野田首相が会見を行った。突っ込み所の多い会見だったが、中でも一番突っ込みたくなったのは、「決めるべき時に決める。先送りをしない政治を作り出して行きたい。」という主張だ。
言葉だけで言えば、政治家として立派な心構えと思う。「仮令国民の多くが反対する事柄で在ったとしても、日本の将来の為に必要不可欠と心から信じるならば、万難を排しても押し通す。」というのは、政治家として必要と考えるから。
しかし、此の言葉を野田首相が発したというのが、実に滑稽。以前から何度も書いているけれど、「日本の財政事情が真に逼迫しているので在れば、増税という形で国民に新たな重荷を背負わせるのは致し方無いが、国民に重荷を背負わす以上は、其の前に“無駄”を徹底的に無くし、そして“身内”たる政治家や公務員の理不尽な既得権益を全て排除した上でなければ許されない。」というのが自分の考え。「政治家の定数削減」なんぞは与野党の多くが賛成しているのだから、彼等が“本当に削減する気持ちが在るのならば”、真っ先に出来る筈。政治家の定数削減は正に、「先送りをしてはならない、最優先して決めなければならない事柄。」ではないのか?
「先ずは消費税引き上げを決め、それから必ず“身内”へも重荷を背負わせる。私を信じて欲しい。」と野田首相は言いたい様だが、政権交代時のマニフェストに書かれた“約束”を次から次へと反故にして来た党の代表が、幾ら「私を信じて欲しい。」と口にした所で、とても“身内”に然る可き重荷を背負わせるとは思えない。
マニフェストには謳われていない「消費税増税」を打ち出したのだから、民主党の議員ならば反対票を投じた小沢氏達の方が、“筋論としては”正しいと思う。しかし「自らと少しでも異なる考え方には、全て反対!」といった感じが在る小沢氏のスタンスには共感を覚えないし、何よりも「国民の為」というよりも、「私利私欲を満たさんが為の政争」というのが、彼の言動から透けて見えてしまう。「乱世の小沢」という部分に期待した時期も在ったが、単なる「壊し屋」に過ぎない気がしている。
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「謝罪無ければ審議拒否・・・民主“大量造反”で自公」(6月26日、ANNニュース)
消費税法案の採決で大量の造反議員が出た事に付いて、自民党と公明党は、民主党が処分を行わない限り、国会審議に応じない方針を確認しました。
自民党・岸田国対委員長:「(我々に)協力を要請した民主党から、御詫びとしっかりした謝罪が在り、造反者に対するけじめをしっかり付けて貰わなければ、とても今後、国会審議には応じられない。」
法案の採決で、民主党から70人以上の造反が出た事に対し、自民党と公明党は3党合意で「協力を要請した側が大変な混乱を露呈した事は、極めて遺憾だ。」と厳しく批判しています。更に、自公両党は、衆議院で予算委員会の開催を求め、政党の在り方に付いて、野田政権の姿勢を追及する方針です。
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与党時代、所属議員の造反劇が発生した際、其れを野党から追及されると、「他党の問題に彼此口出しするのは、内政干渉だ!」と突っ撥ねていた自民党が、「小沢氏を、党から排除しなさい。」等々、散々内政干渉しているのは、一体何なんだろうか?「3党合意した法案が、民主党議員の反対票によって否決された。」というのはならば問題視するのは判るのだが、大量に造反者が出た所で可決されたのだから、「民主党から、御詫びとしっかりした謝罪が在り、造反者に対するけじめをしっかり付けて貰わなければ、とても今後、国会審議には応じられない。」というのは理解不能。特に「造反者に対するけじめをしっかり付けろ。」なんていうのは、内政干渉以外の何物でも無い。
結局、与党も野党も自分達の利益だけしか考えておらず、国民の事なんか一顧だにしていないのだ。
自民党の要求を略“丸呑み”して出来上がった、民主党の社会保障・税一体改革関連法案。昨日の東京新聞(朝刊)でも指摘されていたけれど、「原子力と宇宙は平和利用に限る。」という理念を捨てて、軍事利用への道を開いた。」とも言える、「原子力基本法」及び「宇宙航空研究開発機構法」の改正に踏み込んだのも、民主党の自民党化という感じが。「主権在民」を叫んでいた筈が、自民党時代の同じ「主権在官」になってしまったのが、本当に腹立たしい。
主義や主張に共感を覚える部分が少ないのだけれど、「時の権力を、しっかり監視している。」という役割はきちんと果たしていると思うのが共産党。政権を取って欲しいとは全く思わないが、存在はし続けて貰わないと困る党では在ります。
「帯に短し、襷に長し。」という諺が在るけれど、既存政党は「短いのか長いのか、其れすらも判らない。」という所許り。
>みんな
なんとなくここに選択肢に困った人の票が行きそうだが、なんか信用できないあの党…
>社民
今の執行部は新左翼系(オールド社会党は皆民主に行くか、引退した)。これは嫌い(怖い)
>共産
あんがいと保守派に実は人気の党(今の自民が昔の自民ではないから?)保守派に人気のBSフジプライムニュースに共産党関係者が出ると必ずその方々からの熱いラブメールが来る(笑・名前を変えろ!(=変えたら必ず毎回入れるから!)という内容。逆に元全共闘で今は実は中核派シンパで…国政はしょうがないから社民に入れる、みたいなゴリゴリの極左には嫌われている)
しかし社民もそうだけど捨て票になるのは嫌
>たちあがれ、国民新
特定郵便局長家庭とか神社神主ではないからどうもね…
そんなこんなで白票とか棄権が増えそうですね
人間誰しも、自らの生活水準が高まる事を望むもの。其れは自分も例外では無く、少しでも良い暮らしをしたいと思う。しかし、だからと言って「自分さえ良ければ、他の人の事なんか知ったこっちゃ無い。」というので在れば、国家は早晩立ち行かなくなってしまう。
AK様が触れておられる様に、「政治=自分の生活が懸っている事と考えている人達。」は今でも多いと思うし、問題なのはそういった人達の中に「自分達さえ良ければ、他の人の事なんか知ったこっちゃ無い。」という考え方が少なからず蔓延している事。「一部の人間が栄えて、国家が滅ぶ。」で在っては困りますよね。
AK様も自分も、嘗ては小沢氏に期待していた。恐らくは「乱世の小沢」といった部分、即ち「国家が立ち行かなくなった時には、小沢氏が剛腕で世の中を変えてくれる。」という希望を持っていたからだと思うんです。しかし彼の言動を見ていると「国家国民の為」というよりも、単に「パワー・バランスの移行」を楽しんでいるだけという気がしてならない。本当に残念です。
現在、「東大のディープな日本史」という本を読んでいます。東大の入学試験、其れも日本史に関する内容を取り上げた本なのですが、「日本史の上っ面では無く、本質的な部分に関する論述問題。」が非常に面白い。で、此の本の著者で在る相澤理氏が後書き(「おわりに」)の中で、古賀氏と思われる人物を批判しています。其の理由は煎じ詰めればAK様の場合と同じで、確かにそういった面は在る様に感じますね。
>与党も野党も自分達の利益だけしか考えておらず、国民の事なんか一顧だにしていないのだ
giantsさん、あなたのように無党派の人はそう思う。
けれど今でも政治=自分の生活がかかっていること、と考えている人は案外と多い。特に地方の職業団体(農協など)に関わっていると、選挙は自分らの食い扶持争い。一応彼らは国政政党にも関わっている。私が関係する団体は混迷状態だが…。上部団体は民主と自民の混合、地区団体は民主…。公共投資が減っているとされるが、減っていてもこの状態は変わっていないように思う。もっとも団体で私が3番目の若手で、まだ青年部にいさせられていることを考えてみれば、地域の実情が見えてくるのだが…。
小沢に期待したこともあったが、馬鹿げた考えだったと今は思う。
>古賀
目立ちたがりで大嫌いですわ
何人目だこういう奴。この5年でもデブの佐藤、田母神…。自分は退職金もらったくせに。次は大阪市からもらえてよかったな。こいつは目だって自分の本が売れればそれでいんだろう。
様々な無駄を削った所で、“恐らくは”歳入が不足している状態が変わる事は無いと思っています。ですから増税自体は止むを得ないと思うのですが、“身内”への切り詰めが“一般”に比べると、略何もしていないという現実に憤りを覚えます。又、此の時期に増税を決めると事で、消費マインドを更に冷え込ませるのではないかという懸念も。
野田首相の増税に前のめりな姿勢は日本の未来の為というよりも、仰る様に「自身の信念を充足させる為」という感じがする。野田首相も小沢氏も、「俺の言う事を聞かない奴は、もう知らない!」といった、餓鬼大将的な思考が見えてしまう。
先日、元経産官僚の古賀茂明氏がTV番組で、「今国会で成立した国家公務員の給与削減が2年間の時限立法で在る事や、民間よりも約400万円高い国家公務員の退職金の削減に踏み込まない民主党の姿勢を疑問視した上、「(国家公務員の)退職金は、今年は絶対に下げられない。何故なら(野田首相を操っている)財務省の勝栄二郎次官が退職するから。」と指摘したとか。「自分の退職金を減らされたくない。」という気持ちは判らないでも無いけれど、「国家公務員が『公の利益』よりも『私の利益』を最優先させる為に、国のシステムを変えない。」と圧力を掛けているので在れば、言語道断と言わざるを得ない。