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アナログ・レコード:樹脂等で出来た円盤に、音楽や音声の振動を記録した溝を彫った物。プレーヤーで円盤を回転させ乍ら、レコード針を溝に触れさせる事で、振動を電気信号に変換。アンプで信号を増幅させ、スピーカーを通して音を再生する。毎分約33回転のLP(直径30cm)、「ドーナツ盤」と呼ばれる45回転のシングル(同17cm)等が在る。
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一定年齢以上の人ならば“当たり前に知っている事”でも、今の若い子は“全く(又は殆ど)知らない事”というのは結構在る。随分前、「『レコードって何ですか?』と若い子から聞かれ、驚いてしまった。」という人の話を見聞し、自分も驚いてしまったが、CD発売以降、レコードは“絶滅危惧種”になって行ったのだから、レコードを知らない子が居てもおかしくは無い。
そんなレコードだが、「『温かみの在る音が好き。』、『ディスク・ジャケットが御洒落。』という理由から、最近は脚光を集め、新曲をレコードで出すアーティストも増えている。」という話は、何年か前に見聞してはいた。でも、思っていた以上に、レコードは売れている様だ。
1月24日付け東京新聞(夕刊)に、「名盤も新曲も『敢えて』のレコード ~生産10倍 デジタルと共存~」という記事が載っていた。日本レコード協会によると、「レコード年間生産額は1980年の約1,812億円がピークで、2010年には約1億7千万円迄落ち込んだ。然し、2020年には約21億1,700万円迄盛り返した。」そうだ。
音楽業界では2015年、アメリカのアップル社が定額制の音楽ストリーミング配信サーヴィス「アップルミュージック」を日本で開始。其の後、別の配信大手も参入し、国内で定着。レコード製造「東洋化成」の本根誠営業本部長は、配信サーヴィスの登場で、「自分達の業界は終わったと思った。」と、当時を振り返っている。ところが、予想は裏切られ、同社のレコード生産量は2015年を底に好転したと言う。配信で人気のアーティストは、レコードでも売れており、「(デジタルとアナログは)は良好な共存関係に在る。」と。
子供の頃、プレーヤーでレコードを聞いていた人間からすると、レコードの売り上げが伸びているというのは、何とも嬉しい気持ちになる。