“ケンちゃんのパパ”逝く

大分前から書こうと思いつつ、上手く纏められないままに来たテーマが在る。そう書くと大層な内容と思われるだろうが、全く違う。「芸能人で家族を構成するとしたら、どういったメンバーを思い浮かべるだろうか？」という物だ。この質問に対しての答えは、世代によってかなり異なる事だろう。例えば小学生の子に「『父親』と言われて思い浮かぶ著名人は？」と聞いた場合、「キムタク。」なんて答えが帰って来る可能性も在ろう。一定年齢以上の人だと「キムタクも、『父親』のイメージって年齢になったのかあ。」という思いを持たれるかもしれない。斯く言う自分もそうだし。

自分の場合、「母親」と言われて思い浮かぶ芸能人は「ありがとう」等の山岡久乃さんや、「ムー」（動画）等の渡辺美佐子さん等。そして「父親」で言えば「赤いシリーズ」（動画）等の宇津井健氏のイメージも強いが、「ケンちゃんシリーズ」（動画）等の牟田悌三氏の名前を真っ先挙げるだろう。その牟田氏、一昨日に亡くなられていた事が昨日明らかとなった。享年８０歳。

近年はＴＶ番組でその姿を御見掛けする機会が減ってはいたが、ヴォランティア活動を積極的にされているのは聞き及んでいた。昨年、緒形拳氏が亡くなられた際、追悼番組としてＮＨＫで「帽子」というドラマが再放送されたが、その中で牟田氏が登場するシーンが在り、「御元気なんだなあ。」と思ったばかり。

牟田氏と言えば「ケンちゃんシリーズ」での父親役も然る事乍ら、「３年Ｂ組金八先生　Ｐａｒｔ１」での父親役も忘れ難い。浅井雪乃（杉田かおるさん）の父・正太役。そう、女子中学生が妊娠＆出産するという「１５歳の母」で、最初は世間体等を気にして頑に娘の出産を認めずに距離を置くも、“或る事件”が起きた事で和解し、最後は孫を愛おし気に抱く牟田氏の姿が印象的だった。

一徹で不器用、でも根底には子供への深い愛情が在る。そんな父親役を、牟田氏は多く演じていた。合掌