御気に入りの作家の一人で在る石田衣良氏。豊潤な文章を紡ぎ出す才は、群を抜いていると敬服している彼の近作、「てのひらの迷路」を読み終えた。彼の私生活の一端が垣間見られる、24の掌編小説で構成されているのだが、その中に、雨をモチーフにした「レイン、レイン、レイン」という一篇が在る。その前書きで、彼は「小学校低学年で、傘を差さずに濡れながら家に帰った時は、雨水に酔った様だった。高校生の夏、雨の日に自転車で走り回るのは、滅多に無い御楽しみだった。」と、雨好きで在る事を吐露。本文の中でも、次の様に雨への執着を書き連ねている。
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今でも小雨ならばほとんど傘をもち歩くことはない。いまだに雨が好きで、傘は嫌いなのだ。
煙るような霧雨の日などわざと散歩にでたりすることもある。肌の表面だけ湿らせた雨は、体温ですぐ乾いてしまい、滴になって流れ落ちることはない。そんなときは、この雨をつぎの作品にどうやって生かそうか、たのしく濡れながら考えるのである。
憂鬱だといわれる梅雨の季節も、彼にとっては問題ではなかった。曇り空も、降水確率も、梅雨前線も、濡れた言葉の響きだけでうきうきした。
雨はひとつとして同じではない。
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これ程迄に愛情を傾けられれば、「雨」もさぞかし本望だろう(笑)。しかし、ここ迄雨が好きという人も珍しいのではないだろうか?自分の周りで、雨が好きと公言している人物に出遭った事が無いし、自分自身も雨は好きでない。しとしとと降る雨の中、雨粒が滴り落ちる紫陽花に風情を、そして、正岡子規の短歌「くれなゐの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる」では、その情景を思い浮かべては心安らぐモノを感じたりはするものの、石田氏の様に雨に濡れるのも好きという境地にはどうしてもなれない。
雨が降れば、直ぐにでも傘を差したくなるのだが、仕事でアジア圏を訪れる度に不思議に思ったのは、現地の人間は概して一寸やそっとの雨では傘を差さない事。傘を手にしているのにだ。たまたま自分が訪れた所がそうだっただけなのかもしれないが、雨に打たれながらも楽しそうな表情を浮かべていた様にも見えた。そう考えると、人間は本来的に雨が好きなのかなあと思ったりもする。
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今でも小雨ならばほとんど傘をもち歩くことはない。いまだに雨が好きで、傘は嫌いなのだ。
煙るような霧雨の日などわざと散歩にでたりすることもある。肌の表面だけ湿らせた雨は、体温ですぐ乾いてしまい、滴になって流れ落ちることはない。そんなときは、この雨をつぎの作品にどうやって生かそうか、たのしく濡れながら考えるのである。
憂鬱だといわれる梅雨の季節も、彼にとっては問題ではなかった。曇り空も、降水確率も、梅雨前線も、濡れた言葉の響きだけでうきうきした。
雨はひとつとして同じではない。
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これ程迄に愛情を傾けられれば、「雨」もさぞかし本望だろう(笑)。しかし、ここ迄雨が好きという人も珍しいのではないだろうか?自分の周りで、雨が好きと公言している人物に出遭った事が無いし、自分自身も雨は好きでない。しとしとと降る雨の中、雨粒が滴り落ちる紫陽花に風情を、そして、正岡子規の短歌「くれなゐの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる」では、その情景を思い浮かべては心安らぐモノを感じたりはするものの、石田氏の様に雨に濡れるのも好きという境地にはどうしてもなれない。
雨が降れば、直ぐにでも傘を差したくなるのだが、仕事でアジア圏を訪れる度に不思議に思ったのは、現地の人間は概して一寸やそっとの雨では傘を差さない事。傘を手にしているのにだ。たまたま自分が訪れた所がそうだっただけなのかもしれないが、雨に打たれながらも楽しそうな表情を浮かべていた様にも見えた。そう考えると、人間は本来的に雨が好きなのかなあと思ったりもする。
ワンたちのお散歩にいけないことは凹みますが、家にいるときに雨が降っていると、自分だけ特別な、王様になったような気分です。
反面傘は嫌いなので、90%の予報が出ていても、傘は持たずに外出します。
子供の頃は雨に濡れると楽しくなって遊んだ経験ありますよね。
それを考えると人は本来雨が好きだということに大きく同意します。
雨が降っても、捉え方次第だと聞いたことがあります。「嫌な雨だなぁ。」と思うと、その日が憂鬱になるけれど、「ああ、いいおしめりね。」と思うと、雨も結構いいもんだ・・・となるのだそうです。確かにそうなのかも。外国の方々は、結構そんな感じのポジティブな雨の受け取り方をしているのかも・・・。
考えてみれば、雨上がりの空ってさっぱりしていて、空気も澄んでいて気持ちいいですもんね。何か辛い事とかあると、「雨よ!全てを洗い流してくれ!」なんて気持ちにもなるし・・・。
アジア圏に限らず紳士の国イギリスでも、傘を差さない輩が、多いと言う。シャーロックホームズが浮かぶ、彼、傘差したら似合わないよな。
007然り。
バイクで、大雨の中を走ったことがある。
なぜか、悪い気分じゃない、信号待ちで止まる。
シリンダーから、蒸発する湯気の香りを、ヘルメットの中に入れて匂いを楽しんだりもした。
小学校の頃、わざと、長靴に水入れて帰ったりもした。
ジーンケリーの真似して、水溜りの真ん中に、靴を履いたまま、ジャンプして「濡れないはず!」って、やった俺がいた。でもいつも濡れて帰ったな。
雨好きか?って言われるほど・・・。
でも基本的には、嫌いです(笑)