迷走し続ける紅白

紅白歌合戦の出場歌手が発表された。今年は戦後６０年という事も在って、「紅白の舞台で聞きたい歌は？」という「スキウタ」なる名称のアンケートをＮＨＫが行なっていた。この集計結果を元に、今年の紅白の構成＆演出を検討するという事だったのだが・・・。

出場歌手の顔触れを見て、思わず苦笑してしまった。スキウタの結果がまるで活かされていない様に感じたからだ。中間発表（ベスト３０）では３曲、最終結果の上位２００曲でも２曲をランクインさせて橋幸夫氏が落選しているのを始めとして、他にも何故落選したのか不思議でならない歌手が何人か居る。本人の都合で辞退したのならば判るが、皆が皆という訳は在るまい。逆に、「何でこの人が選ばれたの？」と思ってしまう歌手が相変わらず少なくない。

とは言え、この様な結果になるで在ろう事は予想出来ていた。中間発表では順位付けをしていたのにも拘わらず、最終結果では順位付けがされていなかったからだ。ＮＨＫサイドでは、「出演交渉上や今後の番組演出の都合上、順位は非公開としたが、１２月３１日にはＮＨＫのサイトで順位を発表する。」としていたが、このコメントを目にした時に思ったのは、「出演交渉上とか番組演出上の都合というよりも、出場歌手発表前に順位付けを出してしまうと、ＮＨＫサイドで押し込みたい歌手を押し込めなくなるからだろうな。」という事。

中間発表では影も形も無く、最終結果の上位２００曲でやっと顔を出した御意見番を気取った勘違い歌手。＊１以前、「大昔のヒット曲だけで紅白に出ている歌手はおかしい。」といった発言をした彼女に、自身の事を棚に上げて良くぞ言えたものだと、その厚顔無恥さに恐れ入ったものだが、今回も”無事に”出場。そう言えば数ヶ月前のインタビューで、今年の紅白で着る衣装に付いてポロッと漏らしていたが、出場が決まってもいない”はず”なのに相当な予知能力の持ち主なのだろう。

又、鼻の穴のデカイ大御所の所属事務所からは、”無事”新顔が出場を決めた。彼のファンの方には申し訳無いが、彼が大御所の弟子なのは知っているものの、歌っている曲はサッパリ知らない。紅白には、ジャニーズ枠（２つ？）と共に、この大御所枠（２つ？）が存在すると言われているが・・・。

たかが紅白出場歌手の事で目くじらを立てるのも何なのだが、不祥事を連発し組織の透明度を上げるとしていたＮＨＫが、落ち込んでいるとはいえ未だ４０％近い視聴率を上げる看板番組の中で、この様な不透明感を相変わらず残しているのはどんなものだろうか。

迷走し続ける紅白に、未だ迷走し続けるＮＨＫの姿がダブって見える。

＊１　これから紅白当日迄、否、紅白が終わっても暫くの間、「参ったよ、何で私が白組から出る訳？」といった類の紅白ネタを、彼女は”何時もの如く”垂れ流し続けるのだろうか？そう言えば、松井秀喜選手との交際が明らかになった戸田菜穂さんは、彼女と同じ事務所の後輩だとか。だとすると、「先日、菜穂に電話して話したんだけどさあ、松井との事も色々聞いたし、意見もしてやったんだよ。」等というネタを散々聞かされる事になるのだろうか。他のミーハーなプロ野球選手とは違って、松井選手やイチロー選手等は、彼女に利用されるのを嫌って傍に近付かない賢明さを持っている人物だと思っているのだが。