ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

隠亡さん

2024年08月05日 | 其の他

昔は普通に使われていた言葉だったのに、何時からか使われなくなった言葉というのは結構在る。「乞食」や「スチュワーデス」なんかもそうで、此の手の使われなくなった言葉は大概、「差別的だから。」というのが理由だったりする。字面等に、“明々白々な差別を感じてしまう部分”が在るならば話は別だが、そうで無ければ「“差別用語”として、使用禁止状態に追い込まれてしまう。」のは、或る意味“言葉狩り”の様な気がして不気味。「差別的だから。」として「乞食」を「ホームレス」と言い換えた所で、使っている人間の心の奥底に“差別意識”が根強く感じられてしまう様で在れば、結局は「ホームレス」だって差別用語と言えるだろう。逆に、何の悪意も無く「乞食」という言葉を使う方が、余程差別意識を感じなかったりする。

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隠亡(おんぼう)日本史上に於て火葬場遺体荼毘に付し、墓地を守る事を生業とした者を指す語。江戸時代には賤民身分扱いされていた事や一昔此の職業は現在で言う被差別部落出身者が少なく無かった事から、侮蔑的な意味合いを帯びた事も多く、現在は差別用語として使われなくなっている。代替語として一般には「斎場職員」、若しくは火夫」が使用されている。
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自分の世代で使っている人に出会った事が無いけれど、もっと上の世代の人は「隠亡」という言葉を普通に使っていた様だ。実際、の父母も、「隠亡さん」という言葉を使っていた。だからと言って“差別意識”が在ったという訳でも無く、単に「昔から普通にそう呼んでいた、馴染み深い職業名。」という感じでだ。

日本ジャーナリストで在る丸山ゴンザレス氏。彼はYouTubeで「丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー」というチャンネルを運営されているのだが、2年前に下駄華緒氏をゲストに迎え、「【火葬場職員の裏話特殊なご遺体の燃やし方、着火ボタンを押すときの心境などを聞いてみた【下駄華緒】」【動画】、「【火葬場の修羅場】人が生き返ることはあるのか? ご遺体が『生焼け』になった事件とは? 遺族抗争生々しい遺骨の奪い合い・・・
」【動画】、そして「【火葬場の怖い話】子どもを火葬した夜、火葬場職員の部屋で起こったこととは?」【動画】という動画をアップされている。下駄華緒氏は元火葬場職員(火葬場職員として6~7年程働き、火葬した御遺体は1万体以上とか。)、大昔で言う所の隠亡さんを務めておられた方で、其の時の経験を語られている。「人生の最後に、誰しもが御世話になる場所。」と言って良い火葬場だが、そんな場所なのに、意外と知らない部分が少なく無い。中には「“都市伝説”の様に語り継がれて来たが、事実なのかどうかは不明。」という物も在ったりして、個人的には非常に興味深い内容だった。

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・着火後、御遺体が“動く”という話を、良く見聞する。全ての御遺体がそうなる訳では無いそうだが、矢張り動くのは事実。筋肉が燃える際に収縮する事で、片腕や片足が上がったり、身体が捩じれたり、時には“起き上がったり”する、火葬中に“デレキ”と呼ばれる火掻き棒で抑えたりして、身体を元に“整える”。

水死し、発見される迄結構日数が経った御遺体は、骨に迄水が染み込んでいる為、常の“火力”で焼いても、骨揚げ時に本来の“サクサクした骨”にはならない。なので、そういう御遺体は、通常よりも強い火力で焼く

・設備等によって若干の異なりは在るものの、1体の御遺体を焼くのに要する時間は約1時間其の儘だと骨が高温を放ち、骨揚げに支障が出るので、約1時間の“冷却時間”を要する。但し脂肪の多い御遺体は、通常よりも火葬する時間が長くなる。其の理由は脂肪の多い御遺体は“自分自身”だけでも滅茶苦茶燃える(「自燃(
じねん)」と呼ぶそうだ。)為、発生する炎が尋常では無い程に大きくなり、延いては内が“酸欠状態”になる。そうなると、不完全燃焼状態となり、白煙では無く、黒煙が発生。黒煙が煙突から出ると、近所からは苦情が殺到するので、(黒煙を出難くするシステムが備わっていたとしても、100%防げる訳では無いらしい。)バーナーの火を弱めたり、最悪の場合は火を止める事も。そういう事から、脂肪の多い御遺体はじっくり時間を掛けて、ゆっくり焼く必要が在る。下駄氏の知り合いの火葬場職員が実際に経験したケースでは、焼くのに約3時間を要したそうで、其の御遺体は約250kg在ったそうだ。

御遺体を焼く際、一番強烈な匂いを放つのは「」。検死解剖で開頭した後、閉じて元に戻し、金属で留めた御遺体の火葬を担当した際、バーナーの火は御遺体の頭側から放出されるので、金属の留め具は直ぐに溶けてしまい、頭が開いて脳が出て来てしまったそうだ。「脳が焼ける匂いは強烈。」という話を同業者から聞き及んでいた下駄氏は、気を付けて対応していたが、デレキが脳に触れてしまった。なので、匂いを消すべくデレキの先端が真っ赤になる迄火で炙り続けたものの、其れでもデレキからは強烈な匂いがしたと言う。下駄氏曰く其の匂いは表現し難く兎に角嘔吐いてしまう程の悪臭とか。

火葬している際、御遺体が“生き返る”という話が在ったりもするが、現実的には“皆無”。医師が様々な角度から“死の判断”を下しており、葬儀担当者も“死後硬直”等から、確実に亡くなっている事が判る。更に「に御遺体を納めた際、大量にドライアイスを詰める事から、生存している人ですらも数時間でカチカチになり、生きていられない。」という現実が在る。そんな訳で、火葬している際に御遺体が生き返るというのは、“小説”の中だけの話の様だ。
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