ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“日本の技”を海外へ

2024年06月21日 | 時事ネタ関連

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蚊取り線香 ケニア薫る」(6月19日付け東京新聞[夕刊])

蚊取り線香の原料「除虫菊」の一大産地のケニアで、日本嘗ての蚊取り線香製造法が脚光を浴びている。大型機械を使わず、手作業で行い、雇用創出繋がると期待されている。現地で感染者が多く、媒介するマラリア対策にも有効で、ノウハウを持つ愛知県の企業が、農家等の支援に乗り出した。プロジェクトの担当者は、「日本の技術で、ケニアの役に立ちたい。」と意気込む

手掛けるのは、有機農畜産物や天然生活雑貨等を扱う「りんねしゃ」(愛知県津島市専務取締役飯尾裕光さん(48歳)。国内では生産が略終了しているとされる除虫菊の農園を北海道滝上町に持ち、天然の原料を使った蚊取り線香を製造、30年以上販売して来たノウハウを持つ。2017年以降、ケニア中西部ナクル県を訪れ、作り方やビジネス化をアドヴァイスして来た。

切っ掛けは、偶然の出会い。飯尾さんは、参加する有機農業団体の繋がりで、同年ドイツ開催された若手農家等との交流会議に出席し、自社の商品を紹介した。居合わせた除虫菊農家のケニア人男性から、「是非、でも作りたい。」と申し出が在った。

飯尾さんによると、ケニアでは加工の際に大型の機械を用いるのが主流で、膨大初期投資が必要となる。一方、りんねしゃの商品は天日干しした除虫菊、木片等を粉末にして固めれば、作る事が出来る

飯尾さんは、生産者が商品化手掛ける『6次産業化』によって、小規模農家の所得向上雇用促進に繋がる。強調途上国での貧困解消に貢献する取り組みだとして、過去には国際協力機構(JICA)の支援も受けた。

プロジェクトには、ナクル県の除虫菊農家約860人が参加。飯尾さんは今年3月、現地入りしての担当者へ製法を指導したり、農家と打ち合わせしたりした。農部門担当者は、「農家の収入増加に繋がる。作った蚊取り線香は、国内でのマラリア流行地域で使う予定も在る。」とし、大きな期待を寄せた。

除虫菊ならではの利点も。飯尾さんによると近年、一般的な殺虫剤に含まれる合成成分が効き難い耐性蚊の存在も判明除虫菊の成分「ピレトリン」は耐性が付き難く、マラリア対策にも役立つと言う。

世界銀行によると、1日2.15ドル未満で生活している人の割合は、2021年時点でケニアの人口の約36%。だった。世界保健機関(WHO)は、「2022年にアフリカ全体で、約58万人のマラリア患者が死亡した。」と推定している。

飯尾さんの夢は、現地の農家が蚊取り線香を自作し、マラリアから身を守れる様になる事。「蚊取り線香で、貧困やマラリアの問題を解決したい。」。
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除虫菊とは、「花に殺虫成分『ピレトリン』を含む菊科の植物で、嘗て有数の生産地だった和歌山県有田市によると、1880年前後
に持ち込まれたとされ、各地で蚊取り線香の原料として栽培された。」と言う。除虫菊製の蚊取り線香を実際に使った事が在るかどうかは記憶が定かでは無いが、子供の頃に親から「蚊取り線香は元々、殺虫成分の在る除虫菊で作られていた。」という話を、良く聞かされた。

千葉県君津地方明治16年頃、竹籤を利用した井戸掘り工法上総掘り」が生み出されたと言う。其の上総掘りが今は、日本人によって海外に広められている。水不足に苦しみ、且つ貧しい地域にとって、簡単且つ安く井戸掘りが出来る「上総掘り」の技術は、非常に有難い存在だと。

今回の除虫菊を使った蚊取り線香製造法もそうだが、“日本の”が海外に広がり、地元の人達に感謝されているというのは、日本人として非常に嬉しい事だ。


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