ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「死神と天使の円舞曲」

2022年07月29日 | 書籍関連

昨年の記事「みとりねこ」の冒頭で記した文章を、再度記す。

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故人は、文学的生命を保つ、他に対して、時には酷い事もしたので在りますが、然し、後2、3時間もすれば、故人は灰となってしまいます。死は一切罪悪を消滅させますから、どうか故人を許して貰いたいと思います。」。

ベスト・セラー放浪記」の著者で在る林芙美子さんが47歳で亡くなった際、葬儀委員長を務め川端康成氏が、告別式弔辞で述べた言葉だと言う。素晴らしい作品を著して来た林さんだが、私生活では“少なからずの人に嫌われた女性”の様だ。

クリエーター称される人は概して、癖が強かったりする。我が儘だったりエキセントリックだったりというのは、良く見聞する話だ。強く心を揺り動かされる様な素晴らしい作品を生み出していても、其の人間性が同様に素晴らしいという訳でも無く・・・。
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感動的な小説を著していたりもした百田尚樹氏だが、ネット右翼気質野卑な主張を繰り返す様になり、うんざりしていた。「強く心を揺り動かされる様な素晴らしい作品を生み出していても、其の人間性が同様に素晴らしいという訳では無いのだな。」という事を改めて痛感させられたが、「どんな主張をし様とも、異なった主張を排除する事無く、最低限の敬意を持ってくれるので在れば、まあ構わないだろう。作品と其の作家の人間性とはリンクさせてしまうのも何だし、分けて考えて読めば良い。」と思っていた。だが、自分と異なる主張を馬鹿にしている“だけ”の様な作品。」を著しただけで無く、“自分にとって都合の良いデマ”を次々と拡散し、其の誤りを指摘されても“見苦しい言い訳”をし誤魔化したり、無視し続けたりするに到っては、彼の作品自体にも“信頼”を置けなくなり、一切読まなくなった

現役の医師でも在る作家・知念実希人氏。彼が著して来た作品を何冊も読んで来て、其の才能の高さを感じ、好きな作家の1人となった。だが、昨年にネット右翼気質の野卑な主張をツイッターで行った事で、「こういう人だったんだ・・・。」と意外な思いが。そして、「安倍晋三元首相銃撃事件」後、“自分にとって都合の良いデマ”を拡散させた事で、百田氏と同様「其の作品にも信頼置けなくなっちゃうな。」と。良い作品を著す方なので、今後の作品も読み続けたいという気持ちは在るが、再び同じ様な事が続く様だと、残念だけれど読むのは控えたいと思っている。

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のクロは、今正に自殺しようとする料理人・平間大河(ひらま たいが)に出会う。婚約者・柏木美穂(かしわぎ みほ)に拒絶され、更に其の彼女を失い、絶望のに追い詰められたのだ。

一方、ゴールデン・レトリバーのレオも又、新たな「未練」を解決し様と動き出した。「人魂」の噂が飛び交い、不審火事件が続く街で、何が起きているのか?
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そんな知念氏の小説「死神と天使の円舞曲」を読了此の作品は「『死神』シリーズ」の第3弾という事だが、自分は第1弾&第2弾を読んでいない。「人間が『死神』とか『天使』とか呼んでいる“存在”が、黒猫とゴールデン・レトリバーに其れ其れ憑依”し、人間界に遣わされている。」という設定。彼等が人間界で何をするのかと言えば、「此の世に強い“未練”を残した状態で命を失った人間は成仏する(「『我が様』の所に行く。」という表現を、クロやレオはしている。)事が出来ず、地縛霊として此の世に留まろうとするので、何とか其の未練を取り除いて、成仏させて上げる。」という任務担っているのだ。

的存在が黒猫やゴールデン・レトリバーに憑依するという設定、最初は違和感が在った。、違和感では無く、「こういう設定、余り好きじゃ無いなあ。」という思いだ。でも、読み進めて行く内に、“話の本質的な部分”に惹かれて行った

相思相愛結婚を誓い合っていた大河と美穂なのに、何故、美穂は“手痛い裏切り”をしたのか?最初は2人の結婚に反対だったものの、最終的には認める事になった美穂の父は未だしも、最初から2人の関係に好意的だった美穂の母もが、突然、大河に強い憎しみを見せる様になったのは何故なのか?様々な謎が明らかとなった時、何とも遣る瀬無い思いになった。

結末は悪く無いし、ストーリーにも魅了された。ネット上でも指摘されている様に、『鳥目』に関する誤解が知念氏には在る様で、其の誤解がストーリーの重要な部分で用いられている事は致命的という思いが、自分にも在る。なので、総合評価は星3つ


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