ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

説得力 Part2

2009年05月18日 | 其の他
GW期間中、「横浜の某高校に通う男子高校生が新型インフルエンザ罹患している可能性が在る。」と報じられた。カナダに修学旅行(研修旅行?)し、帰国後に発熱や咳、の症状が出た。結局、この男子高校生は新型インフルエンザで無い事が判明したのだが、結果が出る迄彼の通う学校には少なからずの抗議電話が在ったそうだ。「新型インフルエンザの流行が懸念されている中、何故修学旅行を遂行したのか?」という抗議なら、未だ判らなくも無い。だが中には「高校生の分際で、海外に修学旅行なんかふざけている!」とか、「大したレベルでも無い学校のに、海外になんか行くからこんな事になるんだ!」といった時代錯誤的&差別的な言い掛かり捲し立てる者も結構居たというが、個人的には「こういった難癖を付ける人って、自分が“特別な人間”で在るとでも勘違いしてるんだろうなあ。」と憐れみを感じてしまう。

ネット・サーフィンしていた所、50代前後と思われる男性が運営するブログに出くわした。この件に付いて記事をアップされていたのだが、上記した類いの難癖を延々と書き連ね、「我が国での最初の感染者となったら、そいつに『恥を知れ!』と言って遣りたい。」といった趣旨の文章迄在った。その他の記事をちょこちょこっと見させて貰ったが、その手の書き方が結構見受けられ、疑問を呈する書き込みも少なくなかった。それに対する運営者の姿勢を見ると、「自分にとって都合の良い解釈が出来る部分に関してのみ執拗に猛反撃し、そうで無い部分は只管無視を決め込む。」、「常識では考えられない様な、幼稚な言い訳で押し通そうとする。」、「相手の主張を勝手に捩じ曲げ、自分を正当化しようとする。」等、まともな大人としては恥ずかしい手法を専ら採っていた。

そういった一方で「難癖ばかり付ける馬鹿野郎」がどうこうとか、「幼稚な言い訳ばかりする国」がどうこうと記事で書いているのだから、「どういう思考回路をしているのだろう?」と興味深くも在った。「御前の言動は全て許せねえ!俺ならば、決してそんな卑怯な真似はしねえぞ!!」と目の前の人物を罵倒捲っ挙句、良く良くその相手の姿を見詰めたら、それは鏡に映った自分だった・・・というのでは、とんだ道化ではないか?相手と自分が酷似しているが故の近親憎悪とも言える気がする。

唯、その男性も自身の家庭に触れた記事を見ると、御子さんや奥さんを大事にされている、実に普通の人といった感じで、そのギャップに驚かされた。恐らくは人並み外れて正義感が強いのかもしれない。しかし、その正義感が余りに独善的で、「自身の考える正義が唯一無二的に正しい!」と思い込んでしまっているのが悲劇の根本かもしれないなあと思った次第。

自分(giants-55)がこれ迄にアップして来た記事を読み直すと、「これは独善的な書き方だったなあ。」と反省させられる物も在る。特に初期の頃の記事はその手の物がちょこちょこ在り、赤面至りな訳だが、当ブログを立ち上げてから固く肝に銘じているのは「どんな御意見でも、其処に『論』が在る以上は尊重する。」、「冷静に考えた上でそれでも『正しい。』と思う自説は曲げないが、『間違っていたかも。』と思う事柄に関しては潔く認め、幼稚な言い訳はしない。」、「厳しい主張をする以上は、自身の愛する対象や自身の属する組織に対して、他の対象以上に厳し目で判断する。」等で、これは何とか死守出来ていると自分では思っているのだが・・・。

当ブログで何度も書いている事だが、自分は何処にでも居る様な普通のおっさんで在る。偉そうな言葉ばかり書いているけれど、現実社会での自分は実に好い加減な人間。知人から「御前、こんな偉そうな事を書いて恥ずかしく無い?」と言われるだろうとも思っている。路上でポイ捨てした事も在れば、野外で立ち小便をした事も在る。駐車禁止の地域で駐車した事も在れば、修学旅行の際に同級生達と女風呂を覗きに行った事だって在る。聖人君子とは程遠い人間と言っても良い。だから、ネット上で清廉潔白な事ばかり述べ乍ら、現実社会では極悪非道な人間で在ったり、その逆にネット上で極悪非道な事ばかり書き連ね乍らも、現実社会では実に真面目な良い人というケースだって当然在るだろう。

ネット上で在れ現実社会で在れ、それが明々白々に違法で在ったり、他者に迷惑を掛ける類の物で“無ければ”、個人がどんな言動をしようがそれは全くの自由。あれこれと縛られたくない自分なぞは、特にそう思う。唯、自身の言動に説得力を持たせたいのならば、第三者的に見て「相手を批判しているけれど、それと同じ事を自分がしてるんじゃない?」と感じる「傲慢さ&幼稚さ」を慎まれた方が良いだろう。折角良い主張をされていたとしても、全てが台無しに成り兼ねない。冒頭で紹介させて貰った記事、自分も含めて他山の石とする内容だと思う。*1

*1 近々アップする予定だが、「善意」というのも色々考えさせられる点が在る。

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15 コメント

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Unknown (ハムぞー)
2009-05-18 07:26:55
「一番にかかったひと」に
そういう思いを持つののは
勿論その人を褒めることではないし
又「アンタがかからなかったら」とは
ちょっとは思うけど、
国賊のように非難するのはおかしいですよね。


今は感染経路が判らない患者も出てますし
(ウチの市ですが)
その御仁に自分がそうなってたかも、という視点がないのと、

ブログなどのネット社会は
ホテルの廊下やロビーと同じ
「私的な空間でなく、誰しもが通る可能性のある
スペース」であることを
お忘れなのかもしれません。
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>ハムぞー様 (giants-55)
2009-05-18 09:42:48
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

先日の記事「公の場じゃ無かったら、どうこう言う気も無いが」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/e9cec96c600bb16b73e778665fd968b6)で触れたおっちゃんもそうですが、今回のケースもそういう思いを仲間内で話すレベルなら、決して誉められた事では無いけれど、どうこう言う気は無いんです。気になるのはハムぞー様も御指摘の様に或る意味「公の場」で在るという事。こういう指摘をすると概して当事者は「じゃあ来なければ良いんだ。」的な言い訳をするのですが、そういう問題では無いと思うんです。

そして何よりも、概してその当事者が余りに一貫性の無い事が多いという点もどうかと。自分自身が全く同じ類の事をしているのにも拘わらず、それを指摘されると一切無視したり、信じられない程幼稚な言い訳をしたりでは、全く説得力の欠片も無いと思うし。

以前「ネット上も含め、そういう人達が多数という訳では無く、気にしないに越した事は無い。」という書き込みを頂戴しました。それはその通りだとは思うのだけれど・・・。

P.S. 関西圏で新型インフルエンザの拡大が報道されていますが、一刻も早く終息する事と祈念しております。
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批判 (雫石鉄也)
2009-05-18 10:15:21
私も、ブログの運営者ですから、考えさせられる問題ですね。
確かに、いろんなブログを拝見すると、様々なモノを批判しているブログが目につきますね。なかには罵詈雑言暴言を売り物にしているブログもあります。
このような「批判ブログ」の運営者は2種類いるのではないでしょうか。
他人の批判をすることで、自分を人に偉く見せたい目立ちたがりやさん。
何か自分と違う価値観を目にすれば、ハラがたって自分を押さえ切れず、感情にまかせて暴言をまきちらす。
前者の方が賛同者が出る可能性があるから始末に悪いですね。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2009-05-18 10:58:37
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

記事でも触れました様に、自分も過去には傲慢さを他者に感じさせ兼ねない記事を書いたりしていたと思うし、今でもその傾向は在るのかもしれないなと思っています。ですから偉そうな事は言えないのですが、唯、どういった主張&思考をされようがそれは全くの個人の自由なれど、其処には自ずと「ルール」が在るというのは自分なりに感じています。少なくとも相手の主張&思考に対して耳目を閉ざさず、先ずはきっちり受け止めた上で、「反論の為の反論」をするのでは無く、是々非々で思惟する。そして、それでも正しいと思えば己が主張&思考を貫けば良いし、誤っていると思えば正せば良いだけの話。プライドを死守せんが為、幼稚とも思える言い訳を展開するのはどうかと思うし、折角良い主張をされていても、その言い訳で全てが台無しになってしまうのは実に勿体無いと、件の50代前後の男性のブログを拝見して思いました。これは自戒を込めてですが。
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「自反」が大事 (村長)
2009-05-18 11:30:57
 老子の世界ですね。
 基本的にブログは言いたい放題で良いと思いますが、「自反(みずからをかえりみる)」が無い主張には賛同できません。
 私も気をつけねば。
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Unknown (マヌケ)
2009-05-18 12:37:51
ブログを立ち上げる人たちが必ずしもある程度の知識や良識を備えている「大人」なのかどうかはちょこちょこと何件かを検索するだけで分かります。 その多くは幼稚で低レベルな仲間の集まりを楽しんでいると考えてよいと思われます。 2チャンネルの延長のようなものがあまりに多く見受けられます。 それらにいちいち立腹するのは無意味かと思われます。 そこにある情報に信頼性を置くことは危険ですし、悪意を持って意図的にコメントされているものは世間の反感という反応を楽しんでいる様子すら感じられます。 顔も本名もわからないことからどこまで卑怯な立場でもそれができてしまうのです。 もし、堅固な主義や主張があるのであれば実名を明かし、顔写真も公開して正々堂々と考えを発信すればよいでしょう。 私はどこのブログにも最近は汚い言葉が使われすぎで、辟易するので遠ざかる傾向にあります。 売国奴とか国賊とかいうような言葉はうちの祖父が特殊車両の上から拡声器で叫んでいた頃に大きな権力を持つような相手に対してであったように思います。 個人を攻撃する言葉でそのような言葉を使えるような人物は、はたして何様なのだろうと思えてなりません。
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馬鹿は隣の火事より怖い (破壊王子)
2009-05-18 13:12:00
感染らねえだけマシじゃねえかって気もするんですがね。

罵詈雑言大いに結構!ただ罵倒芸ってのは簡単に見えて難しい。
みんなラッシュ・リンボーになりたいんですよ。

アタシの理想は先代の鈴々舎馬風。それと『人格者』との誉高き四代目柳家小さん。渾名付ける方でも名人だったといいます。

盗作騒ぎでベストセラーになりそこなった本について、唐沢俊一が話してたのが傑作でしたよ。世界中から『お前が言うな』の声が聞こえてきました。
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うっ 実は・・・ (iorin)
2009-05-18 15:00:20
俗にいうプロ市民といわれる人いますよね。昔、自分が悪いとはいえ立ちションベンを思いっきり公共の場で、罵声をあびながら怒鳴られ、親読んで来いまで言われ、大変困りましたね。もし自分もその状況にあったら、人の立場にたって行動してほしいと思います。とはいえ会社では仕事のできない若手社員を怒鳴ったりしてました。いろんな人がいますのでそれなりに頑張っていかないとと最近思うようになりました。

自分も2002頃から阪神ブログをやっていました。当時はブログも流行っていない事もあり、コメントも知り合いぐらいしかなく1件、2件まあ殆どコメントなどなく、だれも見ていないと思い、調子こいて巨人の悪口を書いておりました。ところが2年程してから2ちゃんで吊るされたのかどうかわかりませんが、突然、コメントが40次の日80というように「お前調子に乗るなよ」といった類のコメントが寄せられG党の逆鱗に触れてしまいました。コメント欄を外して対応しましたが、どうもブログにやる気が伏せ、閉鎖という形をとりました。
 自分の主張は人に聞いてほしいものですね。

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>村長様 (giants-55)
2009-05-18 23:17:03
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

御自身のブログに限らず、公の場でも明々白々に違法な言動で無ければ、それを為されるのは全くの自由だと思っています。又、“非常に極論では在りますが”、仮に他者に迷惑の掛かる行為で在っても、違法で無ければ自由とも言えます。唯、認識しなければいけないのは、「明々白々に違法な言動で在れば、然る可き罰を受けなければならない。」という事と、「仮に違法で無かったとしても、他者に迷惑を掛ける行為で在ったりすれば、社会的に相手にされなくなってしまう。」という事。他者に迷惑を掛ける行為で無くとも、言ってる事を遣ってる事が全く矛盾していれば、これ又他者から相手にされないというのも理解しなければいけない。それを理解した上で、「自分は自分の信じる正義を、例え他の人間が全て否定しようとも貫くんだ!」というので在れば、それも全く個人の自由。でも多くの人から「それは常識的におかしい。」と思わざるを得ない事迄、そういったスタンスで突っ切るのは「意固地」なだけ、乃至は「これだけ意地を張ってる自分って素敵!」という自己陶酔にしか感じられないでしょうけれども。

兎にも角にも、自分も頑迷な部分が少なからず在りますので、自戒の意味を込めて書いた今回の記事でした。
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>マヌケ様 (giants-55)
2009-05-18 23:28:54
書き込み有難う御座いました。

ハムぞー様へのレスに、マヌケ様が以前書き込んで下さった内容をちらっと記させて貰ったのですが、仰る様にネット上で記されている“主張”が世の中の多数意見でも何でも無く、時には極めて少数派の事も在るのというのは頭で理解はしているのですが、余りにも説得力の無い主張を目にすると「何だかなあ・・・。」という思いがしてしまうんですよね。それに対して同じ様に口汚い罵倒をする気は全く無いけれど、一々反応してしまうのも“同じ土俵に乗ってしまっている”というのは判ってはいるのですが・・・。中には、他の記事で凄く良い事を書いておられる方も居り、そういう場合は余計に「勿体無いなあ。」と感じてしまって。
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