ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

諦めない野球

2009年04月26日 | スポーツ関連
開幕から3週間一寸過ぎた我が国のプロ野球。早くもチーム毎に、明暗がハッキリして来ている。開幕前の順位予想からすると、パ・リーグではAクラスに予想していたライオンズマリーンズが共に借金を抱えてBクラス(昨日現在)というのは意外だし、逆に最下位を予想していたゴールデンイーグルスが貯金2つで2位というのは天晴れだと思う。4位と踏んでいたホークスがライオンズと同率で4位というのは、ファンとして嬉しくない的中。チーム力の低下というのも在ろうが(前監督は、その引き際を間違った様に思う。後継者たる秋山監督に盤石な状態でチームを引き継がせるという意味に於いては、遅くても一昨年には引き継いでおいた方が良かった。まあ結果論になってしまうのだが。)、秋山監督の頑固さというのも影響している気がする。ジャイアンツ監督時代の王采配とダブる所が在り、「彼の良さが出るには、未だ時間が必要かな。」という思いが。

一方セ・リーグに目を移すと、ジャイアンツが一気に飛び出した感が在る。19試合を終えて「13勝4敗2引き分け」と貯金が9つで、2位のタイガースに4.5ゲーム差を付けている。2位以下のチームが全て貯金無しというのだから、現状ではジャイアンツの一人勝ちといった様相だ。ジャイアンツの独走を予想する野球評論家が多かったが、概してそういった予想をされた年のジャイアンツは駄目な事が多かった。「打撃力が昨年より劣りそうだし、リリーフ陣に昨年の蓄積疲労が出るのではないか。」という理由から、「今季のジャイアンツは2位。下手をすると、3位になる可能性も在る。」と踏んだ自分。ペナント・レース長丁場なので、これから先がどうなるか判らないけれど、現状では「嬉しい予想外れ」となっている。

当ブログではこれ迄、何度も采配に疑問を呈して来た。2年前には「原監督には退いて貰い、掛布雅之氏にジャイアンツの監督を務めて欲しい。」という記事も書いた程。「他者から助言&指摘されると、意固地になってそれ迄のスタイルを貫こうとする。」、「投手の見極めが悪い等、勝負勘が無い。」等々、兎に角「監督としての進歩」が自分には全く感じられなかったのだ。「原辰徳」という人間は嫌いじゃなく、寧ろ好きな部類に入るのだが、あくまでも自分の中での「理想の監督像」と彼とは小さくない乖離が在った。

oumo様を始めとする原監督のファンには、非常に失礼な記事が多かったと思う。「監督として優勝や日本一を達成した人物なのに、何の不満が在るのだろうか?」といった趣旨の書き込みを頂戴した際には、「確かにそうだなあ。」と思ったりもした。でも、あくまでも自分なりに考えた上で、それでも原采配には物足りなさを感じていたのだ。

しかし今季の原采配を見ていると、「良い意味で『勝負師』になったなあ。」と感じる。チームが絶好調というのが全く影響していないとは言わないが、原監督自身が変わったというのが大きい。落合監督の奇策に対して意固地になって奇策で対抗し、その結果自滅していた様な部分が無くなったし、何よりも「選手の見切り」が良くなったと思う。「情」に溺れて選手の交代時期を逸するケースが昨年迄はしばしば見られたが、昨年の日本シリーズでの“失敗”が相当ショックだったのだろうし、それが彼を一皮剥けさせたのではないだろうか。昨年迄だったら交代を躊躇していた様なシーンで、今季は何度かスパッと交代させている。逆に「これは変えた方が良い。」と思うシーンでも、東野峻投手の場合の様に続投させて、彼に更なる自信と結果を残させるという事も。

昨年11月の記事「日本シリーズで見えたジャイアンツの課題」で4つの課題を挙げさせて貰ったが、「育成」という面でも原監督は結果を出していると認めざるを得ない。1軍選手としては実質的に2年目の坂本勇人選手が、確実にレベルアップしているし、亀井義行選手や脇谷亮太選手も存在感を出して来ている。松本哲也選手という“新戦力”も、実に魅力的だ。彼等が高い能力を有しているのは言う迄も無いのだが、原監督の手綱捌きも評価しなければいけないのだろう。

1985年のタイガースの様な「強烈な破壊力」は感じないが、嘗てカープの様な「嫌らしい野球」、即ち諦めない野球」というのを今のジャイアンツに感じる。同じジャイアンツで言えば、藤田監督時代の野球、もっと限定すると1990年の野球と似た強さか。

とは言え、このまま順調に勝ち続けるとは思わない。リリーフ陣を使い過ぎており(投手の見切りが早いというのは、逆にリリーフ陣の酷使を招き兼ねないという面も在るのだが。)、後々に大きな影響を及ぼしそうな気がする。又、他チームの反攻、特にタイガースは間違い無く調子を上げて来るだろうから。それにどう対するか?原監督が更に進歩するかどうか、楽しみでは在る。


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9 コメント

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昨夜を意識? (村長)
2009-04-26 12:07:43
 「諦めない」、「原監督の勝負勘」。昨夜の巨人を意識して書いたような内容ですね。クローザーがいない中、原監督の采配も見事でした。村田コーチも。
 9回裏、ラミちゃんと谷が粘って安打。代打亀井の場面。バントもあるかな?と思いきや、「監督から、サインは無い、と言われて打席に入った」と、明かした亀井。打席に入る前、村田コーチが耳元で何か囁く。中日ベンチ、岩瀬に対するフェイントだったのでしょう。甘い初球のスライダーでした。
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>村長様 (giants-55)
2009-04-26 12:16:16
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

全く以て御指摘の通りです。この記事はもう少し前に書こうとは思っていたのですが、あれだけ過去に酷評していた事も在り、「今更何を言ってるんだ。」と指摘されそうで躊躇しておりました。でも昨日の采配を見て、きちんと認めるべき所は認めないと駄目だなと思い、書いた次第です。

WBCで何人かの選手が「原監督の下ではプレーし易い。妙な言い回しをしたりするし、強権的な感じでは無く、兄貴分という感じで接せられる。」と。人によってはそれが「軽さ」と受け止められもしましょうが、選手達がプレッシャーを必要以上に感じずにプレー出来る環境を作れるというのは、“恩師“の藤田元司氏と似ているのかもしれません。それを見抜けなかった我が目の駄目さ加減を、最近は痛感しております。

でも自分が彼に求める要素はもっと高く、それ故に今後も時には批判する事も在るやもしれません。彼には名将と呼ばれる存在になって欲しいので。
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原ファン! (oumo)
2009-04-26 17:41:45
こんにちは giants-55さま

ジャイアンツ好調ですね。
(今日は敗戦が濃厚のようですが)

原監督の采配ですが、
投手の見切りがはやいですね。

中継ぎ陣がしっかりしてきたことも
その要因ですが、
中継ぎ投手陣の
疲労はかなりあるかなと。

まだ、
一軍で登板していない
投手もいますから
これからも
調整していきながら
勝ち進んでいって欲しいです。

2軍にいる高橋外野手などが
戻ってくると
また層に厚みを増しますね。


原監督大好き人間として
厳しい批判は慣れっこだと
思っていたのですが、

giants-55さまの
ご指摘は
悲しいくらい的確だと
思うので、
目を逸らしたくなるのですが
今は、心が鍛えられています。

盲目のファンではなく
欠点も受け入れていかなくてはと

思う今日この頃です。


文中に
私の名前が出ていて
ちょっと恥ずかしい、
とても嬉しい

です。


今年は
日本シリーズ勝って
美味しいビールをたらふく
飲みたいです。
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Unknown (雫石鉄也)
2009-04-27 09:13:22
私は、巨人の首位を脅かすのはヤクルトではないかと思っています。
阪神は、まだ真弓さんの目指す野球が完全にできていません。「守って走る野球」を目指していますが、守備は去年より目立ちます。「走る」は赤星の体調が万全ではありません。
投手はJFKを解散してまで、先発にまわった久保田が出遅れています。戻ってきたらそこそこ働くと思いますが。渡辺、アッチソン、ウィリアムスたちに去年ほどの威力がありません。
阪神は若手が伸び悩んでいますが、巨人は坂本ら、若手が活躍しているのがいいですね。
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>oumo様 (giants-55)
2009-04-27 10:01:11
書き込み有難う御座いました。

昨日は完敗でしたが、負け惜しみでは無く負ける時にはこういった負けの方が後に残らないと思います。現在のジャイアンツではエースと言えるグライシンガー投手で負けたなら仕方無い。又、選手達は切り替えて闘ってくれる事でしょう。

原監督は良い意味で「情」を捨てられる様になったと思います。やはり昨年の日本シリーズでの悔しさが相当だったのでしょうね。見切りの早さは中継ぎ投手陣への負担増になるのも確かで、その辺の不安が無い訳でも在りませんが、少なくとも「どうしようか・・・。」と迷って交代時期を逸し、結果的に後で後悔するよりは良いと思います。

高橋(由)選手や矢野選手等、二軍で満を持している選手達が実力で一軍に上がって来る。選手達が熾烈なポジション争いを繰り広げれば、それはジャイアンツというチームの活性化に繋がる事でしょう。

原監督に関してはこれ迄厳しい事ばかり書いて来た訳ですが、WBCで優勝を果たした時点で「彼の采配を評価せざるを得ないな。」と思う様になりました。自分なりのスタイルを確立する一方で、毎年同じ事をしていてはチームがマンネリ化してしまうという危険性も念頭に置きつつ、原監督には名将の道を歩んで欲しいものです。
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Unknown (iorin)
2009-04-28 04:00:50
巨人強すぎますわ(><;
あの4番ばかり集めていて、リリーフが炎上しまくっていた巨人はいずこに・・・giants-55さんの巨人で嘆いているブログが当分見れそうにありませんねw

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>iorin様 (giants-55)
2009-04-28 09:55:00
書き込み有難う御座いました。

“原内閣”に関しては能力云々よりも、気心が知れた連中ばかりを揃えている感が在り、その辺を“御友達内閣”として自分は懸念していました。しかし此処迄の結果を見ると、悪い面が在った“としても”、総合的には彼等の能力を認めるべきだと思うし、自身の懸念が間違いだったと認めざるを得ません。

唯、どれだけ素晴らしい陣容でも、年を経る毎に馴れ合いになって行く事も在り(自分が高く評価している“藤田内閣”ですら、晩年はその傾向が見られましたし。)、原監督が如何に緊張感をキープし続けられるチーム運営が出来るかに懸っているでしょうね。

各チームから主力級を掻き集めるも、全く結果を残せて来れなかったジャイアンツ。嘗てダメ虎と揶揄されたタイガースが素晴らしいチームに生まれ変われたのも、適材適所を考慮した上での“血の入れ替え”に在ったと思うし、やはり適材適所の概念って重要かと。

それにしても人間って贅沢なもので、弱ければ弱いで腹が立つ一方で、これ程迄の状態だと「気分的な弛緩」を感じてしまったりするのですから困った物です。
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G外野陣 (ハムぞー)
2009-04-29 10:57:23
g-55さんには申し訳ないのですが
原監督は「うまく選手を使わない使えない」
(「やりくり」の正反対)
というイメージがあります。

割とネームで使う人かなと思っていたので
シーズン前は
「ラミレス谷ヨシノブ」という超攻撃的外野布陣かと思ってましたが
鈴木(実はご贔屓です)亀井などの守備重視型を取っているのは、褒めたいところです。

あとは工藤(ハムから)が出てくれれば
と思うのですが、なかなか難しそうです・・
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>ハムぞー様 (giants-55)
2009-04-29 11:18:35
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

「申し訳無い。」なんて書かないで下さい。人それぞれ御考えが在って当然だと思ってますし、それに何よりも昨年迄は「原監督の選手の使え無さ加減」を自分も指摘していたのですから。

「個人的に好きな選手だから。」というバイアスが知らず知らずの内に掛かっていたかもしれないのですが、(ジャイアンツ時代の)仁志選手に対する原監督の扱いには「もっと上手く使えば良いのに。」と感じる事が少なくなかった。でも今の原監督はそれを反省したのか、それとも従来からそういった部分が強かったのか(自分[giants-55]が気付かなかったのか)は判らないのですが、少なくとも選手を“乗せる”(腐らせない)のは上手くなったなあという気がしています。

守備重視型で在り乍ら、攻撃面では意外な程に「確率を無視したかの様な、博打打的な策を繰り出す。」傾向がWBC以降感じられる原采配。これ迄はそれが上手く決まっていましたが、問題はチーム状態が“泥沼”に嵌り込んだ時にどう立て直せるかでしょうね。原監督の成長、期待を込めて見守りたいと思っております。
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