ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「放送禁止映像大全」 Part1

2006年02月25日 | 書籍関連
先だっての土曜日、珍しく早朝に目覚めてTVを付けた所、思わず目が点になってしまった。「何でハヤタ隊員フジ・アキコ隊員ウルトラマン・コンビが出ているの?」

全く知らなかったのだが、これは「ウルトラマンマックス」という番組で、エレキングピグモンゼットンキングジョーバルタン星人等、中高年には涙がチョチョ切れる程懐かしい怪獣が登場しているらしい。又、怪獣だけではなく、ハヤタ隊員を演じていた黒部進氏が地球防衛連合日本支部司令官のトミオカ・ケンゾウ役、フジ・アキコ隊員(「ウルトラQ」では江戸川由利子役。)を演じていた桜井浩子さんが怪獣生態博士のヨシナガ・ユカリ役を演じている等、嘗てウルトラ・シリーズに心を熱くした世代に配慮した心憎いキャスティング。この日は、「ウルトラマン」でイデ隊員を演じていた二瓶正也氏がダテ博士役で登場する(えらく太っていたのでビックリ。)等、ウルトラ・シリーズのレギュラー陣が過去にも何人か出演しているとの事。*1いやあ、本当に懐かしかった。

そして、先日は「寺内貫太郎一家」のDVDが発売されるという事で、これ又懐かしのメンバーが顔を揃えていた。「ミッキー」と言われて、ディズニーのキャラクターではなく、この人を思い浮かべてしまう世代にとっては、”寺貫”に郷愁めいたものを感じるに違いない。家族揃って夕飯を取りながら、一つの番組を笑ったり泣いたりして見ていた時代。「御茶の間」という言葉が死語でなかった時代の、正に”御茶の間ドラマ”が「寺内貫太郎一家」だった。悠木千帆さん演じる所の婆さん・寺内きんが、身悶えしながら「ジュ~リ~!」と絶叫するシーンは、当時の子供なら皆一度は真似したものだった。

懐かしの話題を二つ書いたが、嘗てはTVっ子だった自分なので、過去のTV番組への思い入れはかなり強い。そんな自分だからこそ、天野ミチヒロ氏が著した「放送禁止映像大全」を手にしたのも、決して偶然ではなく必然で在ったのかもしれない。

この本では、過去のTV番組&映画(劇場用&ビデオ用)の中から、何等かの理由によって再放送及びソフト化されていない、”闇の世界”に封印された、所謂「放送禁止」(放送禁止と断言してしまうのはどうかと思われるモノも、幾つか混じってはいるのだが。)の263作品の中から106作品をピックアップし、その封印理由を記している。

ウルトラセブン」の第12話「遊星より愛をこめて」が再放送もソフト化も不可能な理由や、「悪魔のKISS」がブレイク前の常盤貴子さんが裸体を晒した事で、再放送もソフト化も禁じられている”らしい”事等、結構有名な話も登場しているが、殆どは初めて知る事実で興味深かった。

幾つか紹介してみたい。

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① 「ザ・ガードマン 東京警備指令
第39話「わたしは人殺しなの」(1965年12月31日放送)が当該。息子を間違えて殺害した父親(北原義郎氏)が、その罪を姪(夏圭子さん)に擦り付けるというストーリー。「気違い」や「発狂」等の台詞が何度も登場する上、宇津井健氏演ずる高倉キャップのその人達は犯罪を犯し易い。困った事だよ。という精神障害者に対する差別的発言が問題となり、この回の再放送は見送られている。DVDやビデオには収録されている。


② 「裸の大将放浪記
第13話「ボクは富士山に登るので」(1983年7月10日放送)が当該。芦屋雁之助氏演ずる山下清氏が富士山に登るも、途中で力尽きて他界してしまうというストーリー。再放送以降は未放送となり、ビデオでも欠番となっている。元々はシリーズ最終話として放送されたのだが、好評により続編が製作された為、その辻褄合わせに清氏が亡くなったというこの回を"消し去った”のが理由。

辻褄合わせという意味では、「水戸黄門」に於いても、東野英治郎氏演ずる初代水戸黄門のシリーズに2代目水戸黄門を演じた西村晃氏が出演している「人狩り」(第3部4話)や「泥棒助けた黄門様」(第11部8話)等が再放送されていないそうだ。

又、1960年代にNHKで放送予定だった映画版「裸の大将」(小林桂樹氏主演)が、精神薄弱者が主人公の為という理由から放送が見送られたのだそうだ。


③ 「あぶない刑事
第33話「生還」(1987年5月24日放送)が当該。行方不明のタカに付いて交わされるユージの会話が問題となった。

薫: 「女の所へ行っているのよ。」
ユージ: 「男だったりして。」
薫: 「エイズの検査に行ったのよ。」
: ヤバイ~、この前、鷹山先輩(タカ)とキスしちゃった・・・。

この発言で、透の周囲から一斉に人が居なくなり、ベンガル氏演ずる文男がを持ち彼を追い払うしぐさをする。当時はエイズに関する知識が乏しかった為、男性の同性愛者=エイズという短絡的な差別表現が横行しており、それ故にこういったシーンもコミカルな形で描かれていたのだろう。

地上放送では放送困難も、CS放送では放送されている。又、ビデオやDVDには収録されているとの事。

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