今から10数年前、現在の様に「猫も杓子もインターネット」という時代では無かった頃の実話。その頃から会社にはPC操作に抵抗の無い新入社員達が入り始め、ExcelやWordを社内で本格的に導入しようとしていた。何時もは踏ん反り返っているだけの我が部署の御偉いさんも流石に「PC音痴のままではいかん。」と思ったのだろう、側近を密かに呼び寄せて「PC操作のレクチャー」を申し入れた。そこで講師に選ばれたのが、その年の新入社員。会社に馴染んだ中堅&ベテラン社員から、操作のイロハを教わるのはみっともないと考えたのだろう。
レクチャー開始前、「御偉いさんに恥をかかせない様に。」と基礎の基礎を記した虎の巻が、側近を通じて御偉いさんに手渡されていたのは耳にしていた。そしてレクチャー初日、御偉いさんの机の横に講師の新入社員が立ち、「それでは今から始めさせて貰います。」との宣言が。「では、PCの電源を入れて下さい。」という指示に、開かれたラップトップPCを前にして凍り付く御偉いさん。どうやら電源の位置が判らなかった様だ。「申し訳御座いませんでした。このボタンを押して戴くと電源が入りますので。」と新入社員が平身低頭。「ファイル」や「クリック」といった用語を詳しく説明した後、「ではファイルを開いて下さい。」と指示した所、PCを持ち上げてあっちこっちを見回し、挙句に”PC”を閉じたり開いたりし出した御偉いさん。フロアに居る部下達が然もその遣り取りに気付いていない振りをしつつ、込み上げる笑いを噛み殺していたのは言う迄も無い。
そんな昔の思い出が、ふと頭を過るニュースが載っていた。
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「裁判官が『ウェブサイトって何ですか?』・・・裁判停滞」(ロイター[5月17日])
水曜日、インターネット上でのテロ行為容疑で告訴された3名の男性の裁判がロンドンで行われたが、裁判官が「ウェブサイト」という物が何か良く判っていなかった為、判決に到らないというハプニングが起きた。
法廷でイスラム過激派のウェブ・フォーラムを見た参考人が証言していた所、ピーター・オープンショー裁判官(59歳)は突然こんな事を言い出したという。
「いや、問題は私がその言葉の意味を知らないという事だ。ウェブサイトという物が何か私には全く判らない。」
この為マーク・エリソン検事がウェブサイトやフォーラムとは何かに付いて説明を行ったにも拘らず、「未だ私にはその概念が良く判らない。」とオープンショー裁判官。
テロ容疑に問われているウェブサイト上には、斬首された人質の写真等が掲載されており、この事実が今回の裁判の争点となっている。
水曜日の裁判はこれで終了してしまった為、木曜日にはコンピューターの専門家が法廷でウェブサイトやフォーラムに付いての説明を行う事になっている。しかしオープンショー裁判官はエリソン検事に「申し訳無いが、専門家になるべくシンプルに、一番ベーシックな所から説明してくれる様に頼んでくれないか?」と話したとか。
容疑に問われている3名は、英国の反テロリズム法に違反していないと一連の容疑を否定している。検察側は同ウェブサイト上には他に「自動車爆弾の作り方」や「自爆テロ用ベストの配線方法」等、彼等が言うジハード(聖戦)を奨励する内容が書かれていると陪審員に訴えたが、判決には到らなかった。
裁判は継続する。
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判らないものは判らないとして、知ったかぶりをせずに他者に聞く姿勢は評価したいが、でも裁判の争点に纏る事柄は事前に情報収集した上で知識として身に着けて欲しかったなあという思いも。それ以前に、市井の雑事を裁く裁判官が、此処迄基礎的な用語を知らなかったというのも驚き。何はともあれ、法廷内の人達はさぞかしパニック状態に陥ったのではなかろうか。昔風に言えば、クレージーキャッツのコントでオチが決まった際、皆がドッと崩れ落ちるという定番の「ハラホロヒレハレ!」状態が目に浮かぶ。
レクチャー開始前、「御偉いさんに恥をかかせない様に。」と基礎の基礎を記した虎の巻が、側近を通じて御偉いさんに手渡されていたのは耳にしていた。そしてレクチャー初日、御偉いさんの机の横に講師の新入社員が立ち、「それでは今から始めさせて貰います。」との宣言が。「では、PCの電源を入れて下さい。」という指示に、開かれたラップトップPCを前にして凍り付く御偉いさん。どうやら電源の位置が判らなかった様だ。「申し訳御座いませんでした。このボタンを押して戴くと電源が入りますので。」と新入社員が平身低頭。「ファイル」や「クリック」といった用語を詳しく説明した後、「ではファイルを開いて下さい。」と指示した所、PCを持ち上げてあっちこっちを見回し、挙句に”PC”を閉じたり開いたりし出した御偉いさん。フロアに居る部下達が然もその遣り取りに気付いていない振りをしつつ、込み上げる笑いを噛み殺していたのは言う迄も無い。
そんな昔の思い出が、ふと頭を過るニュースが載っていた。
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「裁判官が『ウェブサイトって何ですか?』・・・裁判停滞」(ロイター[5月17日])
水曜日、インターネット上でのテロ行為容疑で告訴された3名の男性の裁判がロンドンで行われたが、裁判官が「ウェブサイト」という物が何か良く判っていなかった為、判決に到らないというハプニングが起きた。
法廷でイスラム過激派のウェブ・フォーラムを見た参考人が証言していた所、ピーター・オープンショー裁判官(59歳)は突然こんな事を言い出したという。
「いや、問題は私がその言葉の意味を知らないという事だ。ウェブサイトという物が何か私には全く判らない。」
この為マーク・エリソン検事がウェブサイトやフォーラムとは何かに付いて説明を行ったにも拘らず、「未だ私にはその概念が良く判らない。」とオープンショー裁判官。
テロ容疑に問われているウェブサイト上には、斬首された人質の写真等が掲載されており、この事実が今回の裁判の争点となっている。
水曜日の裁判はこれで終了してしまった為、木曜日にはコンピューターの専門家が法廷でウェブサイトやフォーラムに付いての説明を行う事になっている。しかしオープンショー裁判官はエリソン検事に「申し訳無いが、専門家になるべくシンプルに、一番ベーシックな所から説明してくれる様に頼んでくれないか?」と話したとか。
容疑に問われている3名は、英国の反テロリズム法に違反していないと一連の容疑を否定している。検察側は同ウェブサイト上には他に「自動車爆弾の作り方」や「自爆テロ用ベストの配線方法」等、彼等が言うジハード(聖戦)を奨励する内容が書かれていると陪審員に訴えたが、判決には到らなかった。
裁判は継続する。
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判らないものは判らないとして、知ったかぶりをせずに他者に聞く姿勢は評価したいが、でも裁判の争点に纏る事柄は事前に情報収集した上で知識として身に着けて欲しかったなあという思いも。それ以前に、市井の雑事を裁く裁判官が、此処迄基礎的な用語を知らなかったというのも驚き。何はともあれ、法廷内の人達はさぞかしパニック状態に陥ったのではなかろうか。昔風に言えば、クレージーキャッツのコントでオチが決まった際、皆がドッと崩れ落ちるという定番の「ハラホロヒレハレ!」状態が目に浮かぶ。
会社に於けるインターネット黎明期(と言うよりもPC導入黎明期と言った方が適切なのでしょうが。)には、何処でも同じ様な事が起こっていたのだなあと思わず頬を緩めながら書き込みを拝読致しました。操作方法を教えても位置切メモを取らず、何度も何度も同じ質問を平然とする人が居る一方で、デスクの横に「『でゅ』の入力は『DHU』」といった書き込みが細々と為されたメモ書きを貼って必死で覚えようとしているという涙ぐましい努力家の人が居たりと、本当に人それぞれでした。
自分はPCにとても詳しい訳では無いものの、かと言って初心者では全く無いといった中級レベルを自認しています。今の中高年にはそういった思いを持っておられる方も少なくないと思うのですが、もしかしたらそういった人達も遠からず「時代遅れ。」と言われる様になってしまうのかなあと思ったりも。と言うのも、最近の若い子達はPCでは無く携帯をPC代わりに使いこなしていますよね。携帯からの文字入力やサイト検索の手際の良さは、傍目から見ていて神技とすら思ってしまいます。そんな若い人達からすると、PCに向かってキーボード入力をしている人達は古臭く感じたりしているのかなあと。