ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

スペースは限られているのだし

2009年12月13日 | 時事ネタ関連
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国会図書館:パンク寸前・・・新刊急増、本のサイズも大型化」(12月7日、毎日新聞

国内で出版される全ての本を保管している国立国会図書館(東京都千代田区)の収容スペースが限界に近付いている。出版点数の激増とサイズの大きな本が増える傾向に在る事やCD・DVDの保管も原因で、「後2~3年持つかどうか。」(担当者)と言う。書庫の増設計画は在るが完成には5年以上掛かる見通しで、一部の保管点数を2冊から1冊に減らした他、閲覧を一部中止し、箱詰めして保存する「書架外配置」の検討も始めている。

同図書館は、国立国会図書館法国内で発行された全ての出版物を収集・保存する事が義務付けられており、ほぼ毎日、全国から大量の本や新聞、雑誌が届く。蔵書は2008年度末時点で、書籍929万冊を含む約3,565万点に上る。2008年度の来館者数は約65万人だった。

1968年に完成した本館(1冊の厚さを3センチとして収容能力約450万冊)に加え、1986年に新館(同約750万冊)、2002年に関西館京都府精華町・同約600万冊)と国際子ども図書館台東区・同約40万冊)が開館。それの実績を元に、国立国会図書館では4館合わせて少なくとも2017年迄は収容可能と想定していた。

ところが、出版点数は想定を超えて増加。同図書館によると、1990年に6万183冊だった民間からの納入点数は2000年に8万9,352冊、2008年には11万1,442冊と18年でほぼ倍増した。出版業界は自転車操業売れ残った返本分を新刊を出して補っているのが現状。売れなければ売れない程新しい本が出る。(業界関係者)という事情が在る。

又、全般的に本のサイズが大きくなっている事も要因の一つだ。1993年度から行政文書がA4判(縦297ミリ、横210ミリ)に統一された影響で、官庁から出される年鑑や報告書等が徐々にA4に拡大。「それに伴って一般の本や雑誌も着実に大きくなっている。」(担当者)と言い、同図書館は数年前から開館以来7段だった書架を5段に組み替えて収容している。

更に、同法改正で2001年度から収集を開始したCDやDVD等の音楽・映像資料が当初から倍増している事も一因だ。

同図書館は、2冊ずつ揃えていた一部の本を1冊にしたり、大きな本は横にする等しているが、「少しでも良い状態で多くの資料を保存出来る様、数センチの単位で努力しているが焼け石に水。増え続ける本のスピードに追い付かない。」(大塚奈奈絵・図書課長)と困惑している。
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国会図書館の存在を知ったのは、中学生の頃だったろうか。「国内で発行された全ての出版物、それもエロ本迄保存されている。」という事実には感動すら覚えた。その国会図書館が、パンクしそうな状況に在るとか。

出版不況が叫ばれてかなりになるが、本が売れない事で更に出版物が増えるという理屈は、何とも皮肉で在る。最近は小説どころか、漫画すらも読まない若い子が増えていると聞くし、そうなると益々本の売れ行きは鈍り、出版物がもっと増えて行くという悪循環(?)になりそうな気が。又、超高齢社会の我が国では、読み易さから大きい活字で印刷された書物が増えるだろうし、そうなるとサイズの大きな本は益々増えそう。つまり国会図書館の収容スペースが埋まって行くスピードは、どんどん加速度が付いて行く事が考えられる。

先日行われた事業仕分けでは、文化人やスポーツ選手が猛抗議するシーンがニュース番組等で流されていたけれど、中には「『文化』という言葉を錦の御旗にして、全てを聖域化しようとしているのではないか?」と感じてしまう人も居た。文化は重要なれど、全てアンタッチャブルで在ってはならないと思う。予算を含め、色々な制約も在る訳で、コスト・パフォーマンスも時には考慮しなければいけない

人類の英知が詰まった書物は非常に重要だけれど、収容スペースを広げて行くにも、同様に物理的&金銭的制約が在る。書物の内容をマイクロフィルムで撮ったり、CD-ROMに移したりすればスペース的な問題は解決するのかもしれないが、これだって物凄い手間と費用が掛かるだろうし。

非常に乱暴な案なのは判っているが、「一定期間、全く閲覧が無かった書物は処分する。」というのを考えても良いのではないだろうか。例えば「保存されてから10年以上経つ書物で、1回も閲覧が無かった物は処分する。」とか。勿論、例外は設ける。歴史的&文化的価値を考慮して、或る時代より前の書物を除くとかだ。そして処分対象となった書物は競売に掛け、その収益は国庫に入れる事にすれば良い。(無償で納入された書物を売り、その収益を国庫に入れる事に、法的問題点が在るのかどうかは不明なれど。)

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7 コメント

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国会図書館 (おりがみ)
2009-12-14 13:27:27
国会図書館のマイクロフィルムから資料を引っ張り出し「キャッチャーを女房役と言った最初の人は誰か」を必死こいて調べたことを思い出しました。昔の新聞ってマイクロフィルムになってるですね。

雑誌とか新聞をどこかの山奥とか過疎地帯に保管できませんかねぇ?保管コで地域経済に貢献・・。
放射性廃棄物よりも役立ちそうな気が・・。
なんとか新聞の明治時代のはどこそこ村のなんとか峠の地下ににあります。なんて探すの楽しそう・・え?無理?

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いつ誰が (spa supernova)
2009-12-14 14:02:48
その何十年も読まれていない本を読みに来るかわからないし、研究目的に使うことも考えられないではないので処分は難しいのでしょうね。
私もおりがみ様の意見同様に、どっかの休眠ハコモノや土地に保管するという手段大賛成です^^。

映画を保管するフィルムセンターは相模原市の旧米軍基地の土地を保管庫として利用していたはず

http://www.snsagami.org/hyakusen/g_kyo/film/film.htm
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>spa supernova様 (giants-55)
2009-12-14 14:46:13
書き込み有難う御座いました。

「文化」は「利益性」だけでスパッと切り捨てられるべき物では無いと思いつつも、予算面や収蔵スペースといった物理面で限りが在る以上は、或る程度のCP(コスト・パフォーマンス)は念頭に置かなければいけないだろうなあとは思っています。

少子化の影響で廃校となった跡地や、地域活性化の一環として休眠箱物を活用するというのは良いアイデアだと思います。唯、その場合にはどうしても足を運べない遠方者の存在も考慮し、書物をマイクロフィルム化CD-ROM化して、ネット上でも広く閲覧出来る様にする必要性は在るでしょうね。(と言うか、良く良く考えると、現状の国会図書館も都市部に置かれている訳で、地方の人達の利便性を考慮していないとは言えますが。)
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書籍ではありませんが (マヌケ)
2009-12-14 21:47:04
3年間の保存義務というのがある帳票類は金庫に保管し、それを超えると倉庫を借りていてそこへ搬送して保管しています。 そのための業務委託費や倉庫の賃料をほとんど利用されることのない資料のために払い続けています。 私の知る限り保管されている資料が必要になったことはここ5年で一度もありません。 どこかの時点でだれかがちょっと勇気を出して必要ないから廃棄しませんかと言えばいいのでしょうが、だれも言いません。 いつか倉庫もパンクします。 保持し続ける価値のあるものとないものの選別が抜け落ちているのですが、そのための作業や人員や経費を考えると結局やらずに放置した方がよいとなります。 自分のデスク回りでも同じくで、どうしても処分しきれずに、積み上げたり、足元に置いたり。 もうすぐ年末のごみ出しなので、段ボールが用意されていますが、思い切りよく捨ててしまおうと思います。 それから、今年は70冊ほどブックオフりました。 
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どれだけ本があるのやら (ハムぞー)
2009-12-14 23:09:54
国政や国民の資料としてのものですから
全部揃えんといかんでしょうね。

2冊保存を、1冊だけ
っちゅうワケにはいかないんですかね?
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>マヌケ様 (giants-55)
2009-12-15 00:58:04
書き込み有難う御座いました。

今回の記事で述べた私見、根底に在る考えはマヌケ様が記された御考えと同じなんです。「何時か必要になるかもしれない。」と思って保管していた私物で、実際にそれ以降必要になった物は皆無に等しい。個人的な感覚で言えば、「数年使用しなかった物は、必要性が無いと言って良い物。」という感じがしています。

唯、これはあくまでも一個人の捉え方で在り、国家の財産とも言える書物類を同列には扱えないのだけれど、それでも長期に亘って閲覧されていない書物は、果たしてCPを全く無視して迄保管しておく必要が在るのかなあ?という思いが、頭の何処かに在ります。
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>ハムぞー様 (giants-55)
2009-12-15 01:09:29
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

書物は人類の英知が詰まっている物ですので、それを軽々に扱うのはいかんと思うも、物理的な面やコスト面を考えると、全てを保管するというのはなかなか難しい問題では在ります。差し当たっては「2冊保存を止めて、1冊保存に統一する。」というのが、現実的な解決策となりましょうね。見る側も1冊だけしか保存されていないという事で、より一層丁寧に扱わなければいけないというのは、言う迄も在りませんが。
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