Kiss / Hot In The Shade (1989)

2006-01-04 00:03:15 | Music > HM/HR

Kiss:
Paul Stanley - vocal, guitar
Gene Simmons - vocal, bass
Bruce Kulick - guitar
Eric Carr - drums

何故か今まで未聴だった "Hot In The Shade" なんですが、ふと当時 MTV で流れていた "Forever" というバラードの PV を思い出し、どうせならということでアルバムを聴いてみました。Ron Nevison がプロデュースした "Crazy Nights" に続いてリリースされたということもあり、かなりポップな路線を予想していたのですが、これはかなり骨太なロックンロール・アルバムですねぇ(笑)。前作の "Crazy Crazy Nights" や "Reason To Live" といった煌びやかなキーボードが前面に押し出されたスタイルは影を潜め、ギター・リフ主導のハードなナンバーがガンガンのアルバムに仕上がっています。ただ僕にとって 15曲ってちょっと多過ぎるんですよねぇ(笑)。多いだけならまだいいんですが、似たような曲が続くもんだから、一曲一曲がいまいち印象に残らないんですよ。フックが無いと言ったらいいのかなぁ・・・。もっと曲数を絞ってアレンジも工夫すればよかったと思うんですがどうでしょう?(笑) もちろん Kiss らしいポップさはちゃんと残っていますし、彼らだからこその贅沢な要求なので、決して出来の悪いアルバムというわけではないですよ、念のため(笑)。そんな中 "King Of Hearts" の憂いのあるサビメロは印象的でした。

個人的な好みでいえば、楽曲の出来は前作に軍配が上がるんですが、本作のポイントを挙げるとすれば Bruce が非常にいい仕事をしているということでしょうか。ソリッドでキレのあるギター・リフやアコギの取り入れ方なんかセンスの高さが窺えますし、アルバムがハードな方向に流れたことで彼のギタリストとしての存在が浮かび上がってきたのかも知れませんね。"Forever" のコンパクトにまとめられた叙情的なアコギ・ソロなんかホント素晴らしいですよ。

残念ながら 1991年に心臓の病でこの世を去った Eric Carr にとって、本作は遺作となってしまいました。Peter Criss の跡を継ぎ、小柄ながらもパワフルなドラミングで Kiss の屋台を支え続けて来たんですよね。クレジットで彼の名を目にしたとき、ちょっぴり切ない思いがこみ上げてきました・・・。


Kiss Official Website:
http://www.kissonline.com/


"Hot In The Shade" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1056778