防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

リアルタイム豪雨表示システムのパンフを公開

2009年05月16日 | 技術動向

 牛山先生の最大の研究成果として、リアルタイム豪雨表示システムがあります。このたび、そのパンフレットが公開されていました。

リアルタイム豪雨表示システム http://disaster-i.net/rain/
パンフレット  http://disaster-i.net/notes/rain_leaflet.pdf

これはいわゆる”トリセツ”ではなく、豪雨とは何かということをしっかり考えさせ、そして解説してくださっています。

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「この場所にとって激しい雨」を理解するために

「豪雨」とはなんでしょう.何mm以上の雨が降ったら「豪雨」なのでしょうか.雨量は,気温などと異なりその大きさが地域によって大きく異なります.また,1時間雨量,24時間雨量など様々な指標が存在します.それぞれの場所にとっての「豪雨」を最も簡単に把握するのは,その場所で過去に降った雨量の記録を知ることです.このシステムは,今降っている雨量と,その場所の過去の雨量記録を簡単に見比べ,「この場所にとって激しい雨」を把握するための情報整備のあり方を模索する目的で,試験的に運用しているものです.
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アウトリーチとは単なる情報公開ではなくて、情報を受ける側がその分野を理解しようとするきっかけを与えるような表現だと思います。

群馬大学の片田先生のインタビューを思い出しました
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0704/24/news005_3.html

知識を連呼する防災教育には、あまり意味はありません。受け取る側だって、そんなこと十分分かっているんですから。でも、知識を連呼しても効かないから、今度は脅し始める……そうしたやり方はあまり有効ではないと思います。

 つまり、みんな「逃げなくてはいけない」ということは分かっています。百も承知なのですが、避難するという意志決定ができないだけ。けっし
防災意識が低いから逃げないわけではなく、高くない、ということなのです。危機に備えないというのは人のさがです。そこをどうやって乗り越えていくか――津波がきたそのときに「ああ、やっぱり逃げてよかった」と思える、その一回をどう勝ち取るかが勝負です。これは結局、人間の心との戦いです。いくら専門家といっても、対象はITではなく「人」です。合理的な行動を取れない人、人のさがというものを前提に、どうするかを考えていかなければならないと思います。


CMの6割、視聴者の心に届かず

2009年05月15日 | Design with Nature
CMの6割、視聴者の心に届かず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20090514-00001242-yom-ent
  2008年4月から09年3月までの1年間に流されたテレビCM1万7765作品のうち、約6割が視聴者の印象にほとんど残っていないことが、民間調査会社「CM総合研究所」(東京・港区)の調査でわかった。
 調査は、関東地方に住む6~89歳の男女計3000人に毎月、筆記式アンケートを実施。印象や好感を持ったCMを最大5つまで記入してもらった。
 その結果、CMを出した2019社中、777社のCM1万147作品は全く記載されなかった。その中には、一つの商品のCMに最大3億円以上を費やした企業が3社あったほか、年間に最大で905回流していた企業もあった。
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 これはTV離れが進んでおり、宣伝はNetでという考えが定着しつつあるんだと思います。費用対効果を考えると、ウイットにとんだアピールをするためにはネットと口コミの繰り返しの法が損する可能性は低そうですね。

 私の目指す防災産業は、もともとTVCMなど聞いたことがありません。いかに公共事業を調達するかに熱をいれ、全然存在をアピールしないからです。関連する学会誌は、市民の方は読みませんし。

牛山先生のブログから

2009年05月14日 | 防災・環境のコンセプト

牛山先生のブログが更新されていました。

「専門家」としての情報発信 http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/
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筆者は現在,web,blog,メルマガで災害研究関係の資料,調査研究成果,コメントなどを,実名で発表しています.これらの媒体で私が記述している内容は,災害科学の研究者という「専門家」としての外向けの発言であると考えています(略)
最近は,「防災」の範疇が広くなってきて,「防災研究をしているなら当然,危機管理の専門家なんだろう(であるべきだ)」と思い込まれることがありますが,残念ながら私はそうではありません.専門的知見を持たない以上,「専門家としてのコメント」をしてはいけないと私は考えています.意識が低い,役立たずと批判されるかもしれませんが,よく知らないことを,専門家のような顔をしてコメントする方が,私はよっぽど無責任であると考えています.
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四川大地震から1年

2009年05月13日 | 災害の記憶と想像力
今日の神奈川新聞のコラムを引用します。

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中国・四川大地震kら1年が過ぎた。(略)イタリア中部を襲った地震に、現地の新聞は「日本の耐震技術」に学ぼうと伝えた。
その地震大国日本。1年前の四川大地震だけでなく、ともすれば1ヵ月前のイタリア地震さえ忘れがちだ。被災の現実をいつも心にとどめたい。
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100年に1度という言葉は、基本的には災害に対して使われていたと思います。日本の高度経済成長~バブル期が成立したのは、大地震がそんなになかったことも大きいと思いますが誰も指摘しません。これから都市直下型地震が起こったら、それこそ”ミゾーユー”の事態になりそうですが、、

宅地の地すべり

2009年05月12日 | 盛土が安定すれば安心

昨日上司がこんな話をしてくれました。

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もし宅地耐震化、谷埋め盛土の滑動崩落防止を経験に技術士を目指すのであれば、応用理学部門だ。でもひと昔前にそんなことを言っていたら、「河川・砂防及び海岸部門で、砂防のなかに地すべりがあるのだからそっちにしなさいよ」といわれ、ハイ、それまでだった。
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いま宅地耐震化でいちばん議論されるべきは、安定解析手法なんです。いわゆる地すべりの簡便法的な2次元解析でやれることになっています。谷埋め盛土は、底面の勾配が急になると、むしろ地下水が抜けてしまってすべりにくいということも言われていますし、なにより側部抵抗力がいちばん効くのですが、それが2次元では反映されません。

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高知県でも宅地耐震化事業が始まるようです。
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/171701/takutitaisinnka-index.html


埼玉県等で宅地耐震化事業

2009年05月11日 | 盛土が安定すれば安心

 県政ニュース:宅地耐震化推進事業に基づく18市町での大規模盛土造成地の分布状況を公表
 
http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.cgi?mode=ref&yy=2009&mm=4&seq=149>

 このサイトでは埼玉県内の各市町村の大規模造成盛土分布図がリンクされています
 
http://www.pref.saitama.lg.jp/A10/BF00/takutitaishinka/index.htm

ネット上で検索すると浜松市でも調査中であるなど、取り組みは広がっているようですね
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/finance/budget19/detail/d_79.htm


東京タワー

2009年05月10日 | 雑感
土曜日には、東京タワーの映画版をTVでやっていたので妻と見ました。妻と見た初めての映画でしたので、思い出がありました。

「東京タワー」というすばらしい作品があることを教えてくれた、以前勤めていた会社の仲間からメールをもらいました。

小説・東京タワーに描かれる東京タワーはリリーフランキーさん、ママンキーさんにとってもシンボリックな存在です。この業界で生きていく自分のココロのなかにも東京タワーのようなともし火があるといいのですが。

 ITの世の中(特に最近のこの業界では)本来心にあるべきシンボルがPCのなかに求めるような雰囲気が蔓延しています。感動や共感が活力を生みます。景気の気は気持ちの気ですから、ひとの心をつかむ雰囲気を、防災でできればよいのですが。

身につけるものの値段

2009年05月09日 | 雑感
この写真にうつっている道具、鏡に移るデジカメとハンマー、双眼鏡の値段を合わせると5万円くらいになります。学会発表でスーツ着ている時でも身につけているものの総額は2万円くらいです。このクリコンはファッショナブルだと思うので、少々高くついても納得できますが。。

小学校教員確保へ-試験に音楽・体育実技なし-

2009年05月08日 | 各地でのTOPICS
小学校教員確保へ-試験に音楽・体育実技なし-
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivmay0905129/
 昨年の受験倍率が2.1倍と“低空飛行”が続く小学校教員採用試験の倍率アップのため、川崎市教育委員会は今夏の採用試験から音楽と体育の実技試験を外すことにした。すでに東京都教委が実施しているが、県、横浜市教委に先駆けた人材確保策という。倍率が数十倍に達する東北地方の教員志望者の受験を促すため、今年から盛岡市にも試験会場を設ける。
 人材確保へ向け、各自治体は受験しやすさをアピール。川崎市教委が二次試験で課されていた音楽と体育の実技を外すことにしたのは、総じて男性はオルガン(音楽)に苦手意識を持つ傾向があり、年齢制限をほぼ撤廃していることからマット運動(体育)が難しいケースも散見されるためという。「子どもを安全に指導できるのが第一。採用後の各教科の研修も充実しており、受かってからでも十分対応できる」(同市教委)。

 実技は子供たちと一体感を持つために、そして子供たちの感性を鍛えるためにはとても重要だと思います。そこで、楽をして教員になろうという人を集めてしまうのは損失だと思います。教育委員会は受かってからでも十分対応できるといっていますが、どうでしょうか?十分実技をつんでから試験を行う防災系の資格とは訳が違うような気がするんですが。

地質調査技士として

2009年05月07日 | 資格に関すること

連休も終わり、資格にむけての勉強も本気ではじめようと思い、昨年の地質調査技士の試験問題を見てみました。そしたらこんなのがありました。

地質調査の現場管理について不適切なものを選べ
(1) 品質確保に専念し、工期や安全は考慮しない   、、、、、って いきなりかい。それにしてもすごい問題ですね。。。

これはさておき、記述式問題で、こんなのもあります。

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地質調査技士として、顧客の信頼にこたえるために努めなければならない事項を3つ上げ、それぞれの項目について簡単に説明せよ(600字以内)
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①正確な調査
 まず、地質調査の目的・規模に応じた調査を行うことが必須となる。このためには、対象となる箇所の地形・地質的背景や地盤工学的特性や、問題の経緯を十分に把握し、地盤の構造、強度、変形特性、透水性、汚染状況といった地盤情報を見落としなく取得することにと努めることが重要となる。
②工期の遵守
 地質調査では、一般にボーリング及びコア観察、物理探査や土質試験など様々な工程が組み込まれているため、ひとつの工程で遅延が発生すると調査計画全体に影響が及ぶ。また、ミスや事故発生の原因にもなりかねない。このため、各工程での調査・試験精度・品質を確保しながら遅延のないように工程を遵守することは、顧客からの信頼の確保に直結する。
③ライフサイクルコストを低減を視野に入れた効率的な調査
 最近では大規模な構造物の建設のみならず、施設の維持管理や環境調査にも、地質の調査結果が重要な役割を果たすようになっている。このことは、地質調査、各種試験の結果から地盤の性質を把握することはもとより、今後の変化の予測や環境影響評価を行うことで、ライフサイクルコストの低減を視野に入れた社会インフラ整備にも、地質調査技士が貢献できる。(513文字)

こんなんでいいのですかね。技術士の試験でも似たような記述問題があるのですが、とんと経験がないもんで、ちょっと四苦八苦です。

個人・民間向けなら、もう少し別の解答がありそうですが。。。


真似のできない価値

2009年05月06日 | 雑感
いま、NHKのSONGSを見終りました。妻と意見が一致したのは、長く歌い継がれる曲は、おいそれとカバーできない、独自の価値を持っていること、そして年を重ねても美しいスタイルを維持していること(松田聖子、竹内まりや然り)でした。

ただ単に稼げばいい、というのではなく、独創性とカッコよさを持ち続けること、防災の技術にも通じるところがあるでしょうか。

子供のなりたい職業

2009年05月05日 | 雑感
先ほどテレビを見ていたら、子どものなりたい職業ランキングが発表されていました。男の子では、プロ野球選手は相変わらず強いですね。博士や大工さんなんてのも上位にランクインしていました。

私は運動神経が鈍く手先は不器用。そういう個性は良くも悪くもすごく分かりやすいので、スポーツやエンジニアには向かないことはすぐに分かります。だから、教師を目指しました。親戚関係にも教師が多かったせいもありますが、”師”として尊敬されることに対するあこがれがありました。

でも、教育実習においてこれはあかんわ、と思うようになりました。平均化が教師の腕、みたいな言われ方をしたのです。生徒たちは偏差値でクラス分けがなされ、高校生とは思えないほど表情は冷めていました。

現在、防災に関わる、それこそ”エンジニア”になっています。モノを直接作るのは苦手としても、少々の絵ごころと地図好きがありましたので、なんとかここまで持っています。しかし、標準化というヤツが実に面倒で、モチベーションを下げてくれます。標準化≒平均化です。そして、この平均点が最近低く、落ちこぼれをなくためにハードルを下げるという誤りにはまってしまっています。

子どもの夢、以前の問題です。でも、確実に活発化している地殻変動は、災害と名を変えて今の子供たちの世代に襲いかかります。その時の知恵・技術はどうするか、切実な問題です。

消費者庁

2009年05月03日 | 防災・環境のコンセプト
今日の新聞に消費者庁の記事が出ていました。神奈川新聞から引用します。

消費者庁
各省にまたがっていた消費者行政を一元化する組織。(略)。表示・取引・安全・物価・生活の各分野に関連する30近い法令を他省庁と共管する。関係省庁間の調整役に終わる懸念も指摘されている。

そら懸念どうりになるでしょう。防災に関わる現象・法令もいろんなところに縦割られている状況を熟知しているので懸念どうりになるでしょう。

クリノコンパス

2009年05月02日 | 雑感
地形や地質、道路法面等を調査するときの(私の)三種の神器(古っ!!!)として、ハンマー、単眼鏡、クリノコンパスがあります。

ハンマーは、転石や落石を叩き割って鉱物を見たり(観たり、診たり)、急な崖では足場をつくるため岩を砕いたり、岩盤や構造物の体質を打診したり、用途は重要jかつ多様です。

単眼鏡はあまり使う人はいません。普通は双眼鏡を使います。単眼鏡は片方の目で全体をみることができるので、なんとなく単眼鏡の方がすきなんです。
http://www.motormagazinesha.co.jp/medialog/e-shop/new-shop/item/13685.html

そして、クリノコンパスです。私が使っていたのは、きぃすとん通販で購入したクリノコンパスです。スケルトンですから遠景でも傾斜も測りやすいですし、方位磁針がすぐ止まるのもいい。なにより軽くてデザインが洗練されていると思いませんか。
ただ、使っていたと過去形になっているのは、不覚にも調査中に落としてしまったので。再度、きぃすとんから購入しました。http://www.clinocompass.com/clinocompass/clinocompass.html
やすいものではないので、注意して使いたいと思います。クリコンに負けないように、調査の方向性もビシッと決めたいと思います。