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大牟田-大川 有明海沿岸道路が部分開通-道路特定財源を考える

2008年04月17日 | 維持管理の時代

大袈裟ですが、日本の歴史上、今ほど道路の意義が問われたことがあるでしょうか。私の地元、福岡県の筑後平野では、地域高規格道路「有明海沿岸道路」が造成されていますが、賛否両論です。

筑後川や矢部川など、橋が少ないので、車の流れがボトルネック状態となり常に渋滞していました。だから、もうひとつ橋をという要望は以前かたありました。

その渋滞解消策の橋の一つが、いま地盤沈下を理由として、工事が中断しています。

なんといっても知る人ぞ知る軟弱地盤「有明粘土」。地下15m以上も貝を含む粘土・シルトが出てきます。とろーりとしたスープ状の”潟”が延々と続きます。しかも、日本でいちばん干満の差が激しく5mに達します。

特に、河口付近では、潮が満ちてくるときに海水が集中してしまいます。このとき、粘土や泥土が巻き上げられ川を逆流します。ういたゴミが秒速0.9~1mで上流へむかって流れていきます。そして、潮が引く時に、この水をたっぷり含んだ泥水が”へばりつくように”積み重なっていくのです。

そこへ、「高規格道路」という重量をのせたら、、、くず湯状態のところに鉛玉を載せたらどうなるか、、、

この道路の規格は大牟田市の石炭産業の隆盛が前提にありました。そのころ造っていればまた事情は違ったかも知れません。

時は移り、資源地質学→防災地質学→、そして今は環境地質学、そしてリスクマネジメントの時代。

道路特定財源に限らず、これからは「維持・管理」に重点が置かれます。道路特定財源はあってもいい。しかし、バランスがもっと重要です。必要な箇所に、必要な対策を講じ、必要なだけの金をかける。

たぶん、10年くらいたったら、軟弱地盤上の道路の沈下や陥没、たわみが連発、潟土の道路に”ガタ”がきて、工事でまた渋滞。。。

しゃれにならんなあ

 


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