防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

防災と防犯の共通点と相違点

2008年04月11日 | 防災・環境のコンセプト

GooGleのサービスのひとつに、Googleアラートといって、個人のメールアドレスに指定したキーワードを含むニュースを送信するサービスがあります。私は、「地形」「地質」「災害」「宅地」「防災」と、5種類のキーワードを指定しています。そのなかで、よく気になるのは「防災」のカテゴリーとして送信されてくるニュースのなかに、よく「防犯」といった方がよいような内容が含まれています

学校の安全確保、法律に明記へ……災害・犯罪対策も
http://benesse.jp/blog/20080410/p1.html

防災と防犯、まず共通点をあげてみましょう。

○共通点

・当然、災難であること
・未然に防いだ方がよいため、事前対策が本質であること

ここまでは、当然ですよね。が、以外に意識されていないのが

・発生しやすい場所があること

 犯罪はこの場所で起こる(光文社新書)
 
http://d.hatena.ne.jp/dacs/20070105/1167924895
 犯罪の発生を後押しする要素論は大きく分けて二つある。犯罪原因論と犯罪環境論である。(略)犯罪環境論とは、犯罪が起きそうな場所、犯罪を誘発する外的要因、即ち環境に着目するアプローチを取る。例えば、悪いことをしても見つからない、捕まらない、入り込み易く逃げ易い環境が提供されれば、そのリスクの低さが犯罪への後押しになるという捉え方だ。

大事なことは、その場所を見極める”眼力”を養うために、現場を足繁く通うことが必須だということです。一見カッコいい、数値シミュレーションなど、不確実な仮定を何重にも掛け合わせただけなので、ほとんど役に立ちません。

○相違点 ‥過去を振り返る意義
 犯罪が起こるたびに、犯人の生い立ち、ゲームの影響、家庭環境など振り返られ「普通の子がねえ」ととてもテキトーに振り返えられるだけで、いつのまにか忘れてしまいます。先日の北風より太陽の話に通じるところがあります。そして、そんなことをいくら調べたって、その犯罪につながった理由が明らかになっていくとはかぎりません。
 これに対し、災害のおこりやすい場所には、地質学(土木地質、応用地質、環境地質)的背景という明確な理由があり、調べるほど原因が明らかになっていく性格を持っています。そして、その論理構成をそのまま地図化することによって、ビジュアルに説明することができるようになります。
 今日、御伽噺の舞台であった、月でさえ、その基本となる地形図が作成されようとしています。

探査衛星「かぐや」、月全体の地形図を詳しく
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080410AT1G0902709042008.html

 月はなかなか歩くというわけにはいきませんけどね。