胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

Was ist Invasion? (4) Das ist Invasion.

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 先ほどの体部腺・固有腺型(Dr Curry type)腺がんの深部強拡大です。クリック!
腺管周囲に軽度ですが同心円状に線維化を伴う反応をみることができました。ここはもう粘膜下層空間です。
 赤い顆粒を持った細胞があります。パネート顆粒だというひともいるでしょう。特染をするとMUC6とpepsinogen 1に染まります。つでにMUC5ACにも染まりました。細胞異型(核異型)は無いに等しいですが、性格としては非常に幼若な胃型細胞と考えられます。経験的に胃型腺腫や腺がんで胞体が赤いものが目立つことがありますが、粘液顆粒等が変性したものではないかと勝手に思っています。リゾチームにも染まります。
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Was ist Invasion? (3) またもやDr Curry typeです

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 またもやDr Curry-type adenocarcinomaをみせていただく機会に恵まれました。0IIa病変、弱拡大です。固有腺・体部腺型の腺がんは粘膜下層に浸潤してもあまり間質反応しないのも特徴のひとつですが・・・→次の記事へ。
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Was ist Invasion? (2) Das ist Invasion.

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 独逸時代の恩師にもらったAbbildungです。右上手書き矢印のところ注目です。腺管構造と基底膜をしっかり保ったものでも粘膜下層以深の空間に腫瘍が浸潤すれば周囲にぐるぐるっと線維化がみられるんだよという説明です。
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Was ist Invasion? (1) tub 1の粘膜下層浸潤

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 胃のtub 1(腸型)です。この写真は本邦の病理医が見れば、tub1が粘膜下層浸潤しているところと即座に診断できると思います。これは外国からのコンサルト症例で、粘膜下層浸潤か、粘膜筋板を越えるherniationかという質問がありました。英米系の病理では、どこの臓器でも腺管が崩れてバラバラなってないとなかなかInvasionとみなしてくれません。腺管周囲に同心円状に線維化が生じていますが、これも一種の間質反応であると考えていると説明しています。次の記事を参照してください。
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