胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

collagenous gastritis (2)

2009-04-07 | 胃炎
 組織学的に、collagenous colitisとの共通点は形質細胞・リンパ球と好酸球の浸潤が強く、被蓋上皮下に炎症性コラーゲンが沈着することです。これも基底膜の肥厚ではありませんよ!!H. pyloriがいると話がややこしくなります。
 胃の場合、collagen bandが最表層~腺頸部あたりに形成されます。腺頸部には増殖細胞帯があるので、こんなところが障害されると上皮細胞の更新ができなくなり、胃粘膜が萎縮していきます。つまり、炎症が生じてcollagen bandが出来たところは萎縮し、そうでないところは萎縮せず残ります。こうして、独特の凸凹した結節状というか、敷石状の内視鏡・レントゲン像を示します。私たちの書いたPINや胃と腸をご参照ください。大腸では、増殖帯が腺管の下の方にあるので、この理屈からはあまり萎縮しないと考えられます。
 写真はコラーゲンタイプ3の免疫染色です。炎症性コラーゲンが沈着していることを示しています。テネイシンというのを染めるともっときれいなのですが、切片が剝がれてしまいました。
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1 コメント

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Tenascin C (ばら)
2009-04-11 10:25:51
 この症例ではありませんが、以前collagenous colitisでこの抗体を染めたときにはきれいな染め上がりだったんです。病理と臨床の写真はきれいな染めですもの(当時の物を使いましたから)。

 ところが当時いた施設ではあるときを境にしてはがれが出てきてしまいました。心底不思議です。内心思っている仮説はありますが、ここでは内緒♪ 直接聞いてください
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